留学中に病気になったら? アメリカの医療&保険事情

こんにちは! アメリカのホリンズ大学(Hollins University)を卒業したあんです。

さてみなさん、アメリカといえば何を思い浮かべますか?

ピザやハンバーガーをはじめとする食文化、メジャーリーグやバスケなどのスポーツ、ハリウッドやブロードウェイといったエンターテイメントなど、いろいろなイメージが浮かぶと思います。

これに1つ、私が加えたいのが「高額な医療費」。アメリカには医療費で破綻する人がたくさんいます。もちろん私たち留学生も他人事ではありません。

そこで今回は、アメリカでの生活5年目を終えた私が、自分の経験をもとに、留学中の健康管理に関する情報をシェアしたいと思います!

アメリカの医療事情

保険加入は絶対!

まず前提として、保険には絶対に入ること! いくら健康でも、いつどこでケガをしたり事故に遭ったり、病気になったりするかわかりません。

日本の海外旅行傷害保険(留学保険)に入っておくと安心ですが、アメリカにもたくさんの保険会社やプランがあります。とはいえ値段や補償の範囲もさまざまで、どれを選べばいいのかなかなかわかりません。

でも大丈夫! 留学生には大学が保険プランを用意してくれますし、留学生はそれに入らなくてはならないという決まりがあります(このルールは大学によって異なります)。

私の大学では1セメスターで30万円ほどでした。この金額を最初に見たときは、(私は健康だしケガも滅多にしないのにこんなに払うのはもったいないなあ)と正直思いました。

大学が用意している保険と同じ内容のプランであれば、自分で見つけた保険に変更できるようですが、大学のプランが一番スタンダードで支払いもシンプルなので、私は4年間ずっと大学の保険プランにお世話になりました。

メンタルヘルスのためのカウンセリング

私は日本にいたとき、「カウンセリングを受ける」というとなんだか重大なことのように感じていました。

カウンセリングを受けるほどじゃないだろう・・・周りの人に心配されてしまうかもしれない・・・体は元気だし・・・、大学に入学した当初もそんな気持ちでカウンセリングを受けることは避けていました。

しかし、ホームシックをはじめとするさまざまなストレスで、このままでは勉強に集中できない、と感じた私は、友だちの勧めで大学内にあるヘルスセンターで予約をして、カウンセラーに会うことにしました。

このときの経験についてはまた後日、別の記事でお話しできたらと思いますが、もちろんカウンセリングは無料! キャンパス内にカウンセラーのオフィスがあって、お金の心配をせずに会いに行けるのは、とてもありがたいことです。

私が大学の保険にとっても感謝していることのもう1つは、生理不順のピルの費用をカバーしてくれたことです。

ピルは種類によって異なりますが、私の場合は毎月2,000〜4,000円ほどかかりました。そこまで大きな金額には思えないかもしれませんが、積もっていくと決して小さくはありません。それを、保険が適用され、0円で受け取ることができたのは驚きでした。

私の友だちは、ホルモンの関係で肌荒れがひどかったことから大学のヘルスセンターを訪れ、ピルを処方してもらって、同じように費用は保険でカバーされたようです。

アメリカでは月経不順でも避妊目的でも保険が費用をカバーしてくれるのに対し、日本では、まだピルは病気でない限り保険適用されないようです。このように、国によっても保険適用の範囲が異なりますから、自分の必要な薬や症状が大学の保険でカバーしてもらえるかどうかは、事前にしっかりと確かめておくといいでしょう。

コロナだけじゃない! ワクチン接種

ありがたいことに、2017年に渡米してから私は大きな事故に遭ったり病気にかかったりした経験はありません。ただ、それでもヘルスケア・プロバイダーのかたがたにお世話になることはあります。

アメリカの大学に入学する際は、Immunization formと呼ばれる、予防接種証明のフォームを医師のサインとともに提出する必要があります。これにはB型肝炎や水疱などが含まれます。どの大学も、だいたい同じ種類のワクチン接種を求めると思います。

私は高校を卒業したすぐ後に、家の近くにある病院に電話をして、それらのワクチンを打ってくれるか、英語の書類にサインをしてくれるか、などを問い合わせたりして、あわただしい時間を過ごしたのを覚えています。急いで予定を組んだり予約をしたりしたものの、結局、3回接種が求められていたワクチンが1種類だけ、渡米に間に合いませんでした。

といっても、ワクチン1つ打ち終わってないために大学に入学を拒否されるようなことはないと思います。私の場合、大学のヘルスセンターとメールでやりとりをし、渡米直後にすぐキャンパスでワクチンを接種する予約をしました。

当日も名前と予約の旨を伝えるだけで、看護師さんがワクチンを打ってサインするだけの、ほんの10分程度で終わりました。

残念ながら、私が接種する必要のあったワクチンは保険でカバーされなかったため、いくらか自費で払うことになりました。

いまやワクチンといえばコロナ、ですが、コロナのワクチンについては接種義務のルールが頻繁に変わるので、つねに最新の情報を得ておく必要があります。

地獄の親知らず

私は1年ほど前の春にひどい歯痛に苦しみ、ボストンにある歯医者さんに行きました。レントゲンを撮り、親知らずが原因だということで、大きな病院で抜歯してもらうための推薦状を書いていただきました。

とても親切な先生で、歯痛の原因がわかったことに安心しましたが、3万円近い請求(これでも安くしてくれた)をされたときは、歯よりもお財布のほうが痛かったです。

これでは実際に手術を受けたらかなりの金額になる上に、私は歯の保険に入っていなかったため、アメリカで抜歯すべきかとても迷いました。また、親知らずの抜歯は麻酔をかけることになりますし、強い痛みを伴うことから、家族と相談し、一時帰国した際に日本で抜歯することにしました。

結局つい先週に抜歯をしたわけですが、手術は5,000円ほどで済み、腫れと痛みで泣く日もありましたが、家族がそばにいる安心感に非常に助けられました(じつはこのブログを書いているいまでもかなりの痛みに襲われていて、夏休みで時間のあるうちに、日本で抜歯して本当によかったと思っています)。

まとめ

いくら保険に入っていたとしても、海外で体調を崩したり怪我をしたりしたときの心細さ・不安さは、日本で家族が近くにいるときとは比べものになりません。

勉強を精一杯がんばるのも、学外でのアクティビティを満喫するのも、健康であってこそです。

もしいま、気になることがある人は、渡米前に日本で治療をしたり、お医者さんに相談しておくことを強くお勧めします!

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