留学生には激ムズ!? アメリカの大学の「English」の授業

こんにちは! アメリカの小さな女子大に留学中の学生ブログライター、あんです。

私はいま、アメリカの大学で初めてのEnglishのクラスをとっています(2018年4月時点)

このクラスは、私たち日本人が中学・高校で受ける「英語の授業」と、難易度や内容、成績のつけかたなどがまったく異なります。

今回私がEnglishの授業をテーマにブログを書くことにしたのは、自分がいま履修しているということ以外に「ほとんどの大学がEnglishをGeneral Education(一般教養)の必修科目としている」からです。ですから、これから留学しようとする人は、このページにアクセスしてラッキーだと思います(笑)。

果たしてアメリカの大学のEnglishとはどんな授業なのか?


大学のEnglish Building
ここに教室や英語科の教授たちのオフィスがあります

もくじ

1.そもそもEnglishの授業では何を学ぶのか?
 1-1.激ムズPoetry
 1-2.ショートストーリー
2.純ジャパでもEnglishの授業についてけるのか?
 2-1.あ〜単位落としちゃうかも/(^o^)\
 2-2.頼れる人に頼りまくる
 2-3.とにかく予習を怠らない
3.Englishの授業をとる魅力
 3-1.英語を学ぶ目的は会話のためだけじゃない!
 3-2.英語をじっくり読むということ
4.まとめ

1.そもそもEnglishの授業では何を学ぶのか?

日本の中・高の英語の授業といえば、教科書に出てくる文法や単語の勉強がメインになります。当然のことながら英語を母語とするネイティブの学生たちは、大学でそういった勉強は一切しません。いま私が履修している科目では「PoetryとShort Story」について学んでいます。

1-1.激ムズPoetry

この授業で学ぶ詩に使われているボキャブラリーは、日本で購入できる単語帳に載っているような単語だけではなく、シェイクスピアの時代に使われていたような古い英語もしょっちゅう出てきます。

また、必ずしも「五文型」の文法ルールに沿って書かれているわけではないので、1文1文を理解するのにも非常に苦労しています。

私が1番むずかしいと感じるのはMetaphorです。日本語では「隠喩」と呼ばれるテクニックの1つで、日本でも詩の授業で学んだと思いますが、これが英語になった途端、何倍も理解に時間がかかるようになりました・・・。

たとえば、実際に私が授業で学んだ「Abuelito Who」という詩には、死に近づいていくAbielito(スペイン語で「おじいちゃん」のこと)を

“who is dough and feathers”

“is blankets and spoons and big brown shoes”

といったように描写しています。

Doughとfeathersは辞書で調べるとパン生地と羽のことですが、ここでは作者から見たおじいちゃんのどっしりした様子と優しいライトなイメージが描かれています。

またblanketsやspoonsからは、病に侵され家族から看病されている情景が読みとれます。

いまとなっては、毎日毎日いくつもの詩を読み続けてきたことでおもしろみがわかるようになってきましたが、最初は本当に大変でした( ; ; )。

1-2.ショートストーリー

ショートストーリーは、宿題として読んだ内容に関してのディスカッションをメインに授業が進行されます(詩のほうも基本的に同じです)。

ショートストーリーは詩に比べると、書きかたが多少は直接的でトピックも人間関係にまつわるものがほとんどなので、内容がイメージしやすいです。

それでもボキャブラリーのレベルは高いですし、ディスカッションの内容も、文字では書かれていない深い部分を考えるものなので、各授業で1回発言するのがやっとです。

ちなみに詩もショートストーリーも1学期に2回ずつ自分の作品を提出し、クラスメイト同士で批評し合うことになっています。3か月という短い学期の中で、計4つの作品をつくるのは非常にたいへんです。とくにショートストーリーは最低7ページは書かなくてはならないので、時間がかかります。

これらの作品はもちろん1つ1つ教授が評価します。成績の45%を占めるので、計画的に準備する能力も求められます。

ちなみに、このブログを書いている数日後にその締め切りなので焦っています・・・。


このボックスに作品を提出します

2.純ジャパでもEnglishの授業についてけるのか?

日本語を母語としない留学生が、日本の大学で文学のクラスを履修するのと同じことをしていると考えると、ものすごくハードルが高く聞こえますが、実際のところはどうなのでしょうか?

2-1.あ〜単位落としちゃうかも/(^o^)\

プライドを捨てて本音を書くと、「超」大変です!

というのも、アメリカの大学のEnglishのクラスはネイティブ基準でカリキュラムが構成されているので、日本の中高の英語の授業とは難易度が比較になりません。

授業初日にいきなり詩が配られ、作者の心情についてのディスカッションが始まったときは「あ、このクラスやばいかも」と思いました(笑)。

2-2.頼れる人に頼りまくる

とはいうものの、私はこのクラスをドロップせずに(「落とす」ことなく)履修し続けることができています。

それはいい意味で「1番めんどくさい学生」でいるからです。

たとえば詩の授業にあたっては、オフィスアワー(アポなしで教授と面会できる時間)以外に、週に2回、1対1の時間をプロフェッサーにつくっていただき、予習をさせていただいていました。これは学生数が少なく、教授との距離が近い小規模なリベラルアーツ・カレッジだからこそ可能なことだと思います。

他にはEnglishを専攻している友だちや、Writing Center(作文のサポートをしてくれるところ)に相談に乗ってもらうことも、このクラスを乗り切る有効な方法です。

2-3.とにかく予習を怠らない

頼れる人がいるからといって忘れてはいけないのは「できることは自分でやる」ということです。

アメリカの大学生はたとえネイティブでも非常に忙しく、留学生だという理由でみんながみんな助けてくれるわけではありません。とくに予習は自分でできることの1つで、決して怠ってはいけません。

というもの、授業は日本の高校のようにみんなで丸読みをしたりする時間は一切なく、必ず宿題として読んで来た内容をもとに進行し、1時間半ほとんどずっとディスカッションが続きます。

わからない・重要な単語は予習の時点でチェックしておくことが必須です。とくに私が履修しているEnglishのクラスは5、6人しか学生がいないので、ディスカションの貢献度が成績に直接影響します。成績の30%を、Participation(授業参加)が占めるのです。その分、1人ひとりの意見がとても重視されます。


実際の教室。アットホームな空間です

3.Englishの授業をとる魅力

これまでEnglishのクラスの大変さをたくさん語ってきましたが、じつは私はこのクラスを履修してよかったなあ、すごく自分にとってプラスになっているなあ、と思っています

3-1.英語を学ぶ目的は会話のためだけじゃない!

このクラスを通して私が1番学んだことは「英語の音」、とくに「Rhyme」のおもしろさです。

これは母音と母音を合わせたり、単語の最後をそろえることでより印象深く、余韻を残すテクニックです。自分が詩を書く際にはそれをいつも意識しています。

ほかにも、Repetitionと呼ばれる同じ言葉の繰り返しはわかりやすい上に、洋楽でもよくある技法なので、自作に取り入れやすいです。実際に授業では歌手のP!nkさんの「what about us」という曲でどのようにこれらのテクニックが使われているかを分析しました。

「英語」というとVerbalなコミュニケーションをとること(つまり「会話」)をイメージしがちです。けれど、日本語がツールとして生きるのは、会話だけではありません。文学や歌詞にも言葉の魅力があります。同じように英語も、文字として書き起こされた媒体としても楽しめるということを強く学びました。

3-2.英語をじっくり読むということ

アメリカの大学は読む宿題の量が非常に多いので、多くの学生が「スキミング」という「流し読み」をしていて、教授からそうすることを奨められることもあります。

ただ、Englishのクラスで扱う詩やショートストーリーは登場人物の内面まで読みとることが求められるので、スキミングはせずにじっくり時間をかけて深く読むことをオススメします。

こうすることで口語的ではない文語的なワードも学べますし、より物語を楽しむことができます。

4.まとめ

日本の中・高の英語の授業やESL(English as a second language。英語を母語としない学生向けの英語)の授業と比べて、アメリカの大学のEnglishのクラスは、英語を母語としない留学生にとっては、とくに厳しいクラスの1つになると思います。

でも、いま私はこの授業がお気に入りのクラスの1つで、毎時間多くのことを学んでいますし、ハマると以外とおもしろいかもしれません!

もちろんアメリカの大学ではEnglishや自分の専攻に限らず、本当に幅広い科目を履修することができるので、これから留学を考えているみなさんも、アメリカの大学でお気に入りの授業に出会ってください!

 

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