アメリカの大学で学ぶ心理学とは?

留学体験記  2019年07月01日

こんにちは! 今学期6クラス22単位履修していて(普通は4クラス16単位)終わりの見えない毎日を過ごしている留学生ブログライター、あんです/(^o^)\(2019年2月時点)

今回のブログでは、アメリカの大学で人気の専攻である心理学と、私が現在履修しているAbnormal Psychology(異常心理学)についてお話ししたいと思います。


700ページの教科書
これを背負いながらキャンパスを歩き回るのは一苦労です

そもそもアメリカの大学で学ぶ心理学ってどんな学問なのか?

So what do you study ? (何を勉強してるの?)
I’m a psycho major, so... (心理学専攻で……)
Oh… (目をそらす)

これは私がある日Uberの運転手さんと交わした会話の一部です。私が心理学を専攻しているとわかった彼は、まるで私が彼の心を読めてしまうと思ったかのように目を合わせなくなりました。

このとき、そういえば、たしかに「心理学を学ぶ」=「心が読めるようになる」「人の心を操れる」という誤解をしている人が多くいることを思い出しました。

では、心理学とは一体どんな学問なのでしょうか?

アメリカの大学に関する豊富な情報を提供しているNicheによると、心理学は数ある専攻の中で第7位の人気です。ビジネスや生物学ほどの人気はありませんが、一般教養としてIntroduction to Psychology(心理学入門)をとってみたり、本を買って独学で勉強しているという学生も多いのではないでしょうか。

心理学の種類

「心理学」というのは大きなくくりの学問で、いくつかの専門に分かれます。おもだったものを挙げてみましょう。

  • Biological Psychology(生物学的心理学)
  • Clinical Psychology(臨床心理学)
  • Cognitive Psychology(認知心理学)
  • Developmental Psychology(発達心理学)
  • Social Psychology(社会心理学)
  • Personality Psychology(人格心理学)

私の大学で心理学を専攻すると、以下の4分野から1つ以上の科目をとることが必須になります。カッコ内は、それぞれの分野で開講されている科目の例です。

  1. Abnormal & Clinical(異常心理学・子どもの行動異常)
  2. Biological & Comparative(動機と感情・進化心理学・生物学的心理学・動物行動学)
  3. Developmental, Learning, Memory, Cognition(児童心理学・子どもとメディア・子どもの思考・子どもの異常行動)
  4. Social & Personality(社会心理学・人間の性の心理学・人格心理学)

このように、アメリカの大学では幅広く心理学に触れることができます。

私はもともとDevelopmental Psychologyがおもしろそうだな〜、バイオロジー系はきっとむずかしいだろうな〜と思い込んでいました。それが、Cognitive Psychologyの授業で脳やニューロンなどについて学び始めてから、すっかりそのおもしろさに惚れこんでしまいました。自分では気づかなかった興味を掘り起こしてくれたこのようなカリキュラムに感謝しています!!


テスト前はいつもノートをこのようにまとめています
テストはむずかしすぎて泣きそうでした

超おもしろい! Abnormal Psychology

今学期、私はPrinciples of Abnormal Behaviorというクラスを履修しています。日本語に訳すと異常行動の原則、といったことになるでしょうか。

幻覚を見たり支離滅裂な発言をしたりすることが2か月以上前からずっと続いていて、アルバイトはクビになってしまい、大学にも行けない。そんな症状のせいで友だちと会うこともなくなった。

このような状況で、DSM-5という精神病のマニュアルに基づいて、Schizophrenia(統合失調症)と診断されたあなたの知り合いがいるとします。

その人をあなたは

  • A person as a schizophrenic.
  • A person with schizophrenia.

いずれのいいかたをするでしょうか?

正直、日本語だとどう区別して訳したらいいかわかりませんが、英語の場合、推奨されているのは後者です。前者のいいかたではその人そのものが「病気」であるといっているのに対し、後者はあくまでその一部に過ぎないといったところでしょうか。いいかたによってはその人のアイデンティティを変えてしまうこともありますし、Stigma(ネガティブなレッテルづけ)という社会問題も起きています。

このStigma、私は大学では心理学のCandidate Professor(教授候補の人)がプレゼンテーションをしてくださいました。

Stigma、とくにSocial Stigmaというのは文化や人種に対する批判や差別のことで、心の疾患をもっている人たちに対するStigmaには、事実とは異なる固定観念を含みます。

たとえば、クラスにやってきた転校生があなたの隣の席になるとします。いろいろ話をしているうちに、その学生が鬱や統合失調症、摂食障害といった精神的な病の治療を受けていると告白してきた場合、どんな印象をもちますか?

「この人は危険だ」
「会話にならないのではないか」
「隣の席じゃなきゃよかった!」
などというネガティブな考えを抱く人もいるのではないでしょうか?

本当はそんなことないのに、こういった私たちの中にある「精神病=ネガティブ」という固定観念が、患者さんたちを社会で生きづらくしているという悲しい事実があるのです。

アメリカの大学に来て感じるのは、心の病をオープンにしている人が多いことです。私の友だちにも摂食障害、鬱、または少し前までは精神疾患として扱われてきた性同一性障害(LGBT)を隠さない人は少なくありません。

私自身も、アメリカの大学に来ていろいろなことが重なり精神的に辛かったことがあります。そして、友だちや親、カウンセラーなど「だれかに頼る、相談する」という経験をしました。

他人に精神病について話すのは勇気のいることですし、相手の自分に対する態度が変わることもあるかもしれません。でも、より多くの人が正しい知識を身につけ、もちろん簡単なことではありませんが、精神疾患に対するステレオタイプが改善され、より暮らしやすい社会になる日が1日も早く来てほしいと思っています。


寮のコモンルームと呼ばれる部屋
週1のミーティングをしたり、勉強したりします

宇宙飛行士とジェームズ・ボンドはサイコパス?

これもまた別の心理学のCandidate Professorがプレゼンしてくださったときにすごくおもしろいと思った内容です。彼女のテーマはPsychopathyでした。日本語では精神病質、その患者さんのことをみなさんもご存知「サイコパス」と呼びます。先ほどお話したDSM-5にもサイコパシーは載っていて、特徴としては怖いもの知らず、エゴイズム、大胆不敵、そして自信過剰などが挙げられます(もちろんそれだけではありません!)。

さて、人類で初めて月面に降り立つということは、私たちの想像をはるかに超える恐怖だということはお察しできると思いますが(日本からアメリカに行く飛行機に乗るだけでも毎回そわそわしてる私には考えられません笑)、それを成し遂げたアームストロング飛行士はサイコパスなのでしょうか? また、映画『007』の、危険を冒しながらも殺人を仕事とするジェームズ・ボンドが映画の世界でなく現実にいたとしたら、彼はサイコパスと診断されるのでしょうか?

気になるかたは、ぜひアメリカの大学で心理学のクラスをとってみてください!


今回は、アメリカの大学の心理学のクラス、とくに異常心理学についてお話ししました。ほかにも魅力的で興味深いクラスがたくさんあります。

あるクラスでは、自分が内向的か外交的かを調べる実験で、みんなでレモンパウダーを一気飲みするという実験もしました。

みなさんもアメリカの大学で心理学のおもしろさを経験してみてはいかがですか?

 

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