アメリカの大学の特別な学期 J-Termについて
こんにちは! 今学期もあっという間に終わり、冬休みで日本に帰国中の留学生ブログライター、あんです!(2018年12月時点)
今回は去年と違い、なんと2月の初旬まで日本に滞在できてとっても嬉しいです! なぜこんなに長く帰国できるのかというと、私の大学には通常の秋・春学期に加えてJ-Termという特別な学期があるからなのです。
そこで今回のブログでは、アメリカの大学ならではのこの特別な学期についてお話ししていきます!
今学期も期末期間中に泊まり込みでお世話になった図書館
そもそもJ-Termって何?
J-TermのJはJanuary(1月)を意味します。というのも、これは9月から12月までの秋学期と、2月から5月までの春学期の間にある、1月だけの学期だからです。
秋・春学期がそれぞれ3か月半あるのに対して、J-Termはたったの1か月なので、学生はある1つの科目を集中的に学びます。
アメリカのすべての大学にこのJ-Termがあるわけではありません。大学によっては5月の1か月だけの学期:May-Termを設けていたりします。
J-Termではどんなことを学ぶのか
J-termの授業は、
- キャンパスで履修するクラス
- 海外留学
- Independent Studyと呼ばれる自由研究のようなもの
- インターンシップ
これら4つの種類があって、学生はアドバイザーの先生と相談してそのうちの1つを選択します。
キャンパスでクラス履修
1番オーソドックなのは、キャンパスで開講されているクラスを履修することです。とくにフレッシュマン(1年生)は、これしか選択できません。
授業の成績はABCDFの5段階ではなく、PassかFailでつきます。よっぽどのことがない限りFailすることはありませんし、秋・春学期のようにGPA(成績の平均値)を気にする必要もありません。
また課題は、毎時間振り返りのジャーナルを1、2ページ書いたり、アート作品を提出したりですので、通常の学期とは比較にならないほど少ないです。また、中間や期末テストもありません。最高です。
クラスもとてもユニークなクラスが多く、自分の専攻にまったく関係なくても気軽に履修することができます。実際に昨年開講されていたクラスをいくつかご紹介します!
Universal Horror Films 30s-40s
1930~40年のフランケンシュタイン、ドラキュラ、黒猫などの映画を鑑賞する。
Snakes: Sci, Supersti, Society
心理学の教授が飼っている蛇と実際に触れ合いながら、蛇の異なる文化内での役割や多様性を学ぶ。
Winter Wanderings
毎回4、5マイルのハイキングをして生物と気温について学ぶ。
大雪の日のキャンパス
海外留学
1か月間海外で言語や文化を学びます。昨年はローマ、スペイン、フランス、グアテマラ、今年はギリシアへの留学プログラムが開講されました。
このクラスをとるには申請書を出したり、さらに渡航費や滞在費の奨学金がほしい場合は別の書類や教授の推薦書などを準備する必要があるため、少し手間はかかりますが人気の選択肢です!
去年スペインに行った学生は、他の大学の学生と一緒にスペイン語のクラスをとって、休日にはヨーロッパ旅行をしたそうです。今年のギリシアでは美術館や博物館、観光地を巡るそうです(ちなみに費用は約50万円です)。
Independent Study
今年の私のJ-termはこの、Independent Studyです。基本的にスポンサーになってくれる教授を見つけ、アドバイザーの許可をいただいて、自分の興味のあるテーマに関するペーパー(レポート)を書くというもの。ページ数は教授と相談して決まりますが、だいたい10〜20ページです。
私は“The Role of First Language in Second Language Acquisition”というテーマで、それに関する論文を読み漁って2月までにペーパーを書くことになっています。
私は心理学専攻で、アドバイザーがCognition(認知)やLanguage Acquisition(言語習得)といった私の興味のある分野に詳しいので、彼がスポンサーになってくれました。
大学に言語学のクラスはありませんし、心理学のクラスでも言語習得に関して深く学べる授業は限られているので、自分の興味のある分野をとことん追求できるのですごく嬉しいです。
また、Independent Studyを選択した場合、好きな場所でリサーチしたり書いたりできるので、せっかく冬休みに日本に一時帰国する留学生の私にとっては、1か月も他の学生より長く家族と過ごせるこのシステムはとってもありがたいです。
私の友だちも何人かこのIndependent studyを選択していて、韓国に家族が住んでいる友だちは冬休みに家族に会いに行くついでに、韓国の大学にインタビューへ行き英語教育に関するペーパーを書くそうです。また心理学専攻のアメリカに住んでいる友だちは兄弟の生まれ順と虐待に関するリサーチをするそうです。
Independent Studyの申請書
インターンシップ
アメリカの大学では在学中のインターンシップを強く推奨されていて、単位ももらえます。
私の大学のJ-Termでは、卒業生が在学生にインターンシップの機会を提供して、バージニア州内だけでなく首都のワシントンDCやニューヨーク、シカゴ、アトランタなど全米でインターンに就くことができます。
大学のキャリアセンター(就職課)を通じてインターンシップに参加すると、滞在費に加えて少しおこづかいももらえるようです。インターンは履歴書に書くことができる上にスキルアップにつながるとてもいい機会なので、人気があります。
私の大学では、アート系だと
- ミュージアム
- 写真会社
- ダンスフェスティバル
- 演劇ハウス
- メディア
など。
人文系は
- 出版社
- 図書館
- テレビ関係
など。
サイエンス系は
- 病院
- ヘルスセンター
- 植物園
- 国立公園
- サービスドッグ関係
- 動物園
など。
社会科学系は
- 警察
- 法律関係
などのインターン先があるようです。
例外として、大学院やプロフェッショナルスクール(専門大学院)に行く学生もいます。
まとめ
J-Termの大まかな内容がなんとなくつかめたでしょうか? すべての大学にこの学期があるわけではありませんが、GPAや課題のことを深く気にせず、自分の専攻に関する分野を追求したり、いままで知らなかった自分の興味を発見するいい機会だと思います。この短期集中学期、みなさんも留学したらぜひ満喫してください!
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