大学での専攻は芸術でなくてもかまわない

アメリカの大学院で芸術を学びたいという場合、大学での専攻が芸術あるいはそれにかかわる分野であることは必須ではありません。大学院や課程によって出願要件はさまざまですが、多くの大学院では、大学での専攻にかかわらず、芸術を学び、修士号・博士号を得ることができます。

大学で芸術を専攻している必要はありませんが、出願に際してはポートフォリオ(作品集)の提出、あるいはオーディションの受験が求められるのが一般的です。より専門性の高い、またレベルの高い大学院ほど、ポートフォリオとオーディションが重視されます。

大学での成績がB平均以上(日本の大学の場合「良」平均以上)が求められるのは、芸術に限らず他の分野と共通する入学要件です。また美術史や美学など、実技に比べて理論に重きを置く課程については、ライティングサンプルが求められることもあります。

芸術のバックグラウンド

アメリカの大学院は、出願者に対して、大学での専攻が芸術であることは必ずしも求めていませんが、芸術についてのある程度の基礎知識や技能はあるほうが望ましいとしています。こうした知識や技術のことを「バックグラウンド」といいます。

大学で美術史や実技の科目をとっていて、さらにそれらの科目でよい成績を修めていれば、それはバックグラウンドとして認められます。また大学でなくとも、基礎的な技術や理論を絵画教室や部活活動などを通じて身につけていることは、ある程度は評価される可能性があります。

もし芸術のバックグラウンドに欠けているというのであれば、日本の放送大学や、美大などの生涯教育コースで科目をとることで、バックグラウンドを身につけるという対応方法が考えられます。またアメリカの(大学院ではなく)大学に編入して、そこで芸術の基礎となる科目をとり、バックグラウンドを身につけてから大学院進学に臨むという選択肢も考えられます。この場合、英語力を高めることができますし、アメリカでの学業生活にも慣れるという意味でも、遠回りのようでも効果の高い手段だといえます。

めざす大学院の課程がどのような内容の、どのようなレベルのバックグラウンドを求めているかを把握したうえで、それに欠けているものがあれば補強する方法をポジティブに模索していくことで、大学院進学の道は開けていきます。

ポートフォリオについて

ポートフォリオとは、自選の作品集のことです。アメリカの大学院で芸術を学ぶ場合に、出願にあたって提出が求められるものです。

ポートフォリオの内容については、それぞれの大学院の、それぞれの課程によってガイドラインが定められていますので、そのガイドラインに従って作品を用意します。同じ大学院でも、絵画、陶芸、グラフィック・デザインなど、学ぶ分野によって、提出しなければならないポートフォリオの内容が異なります。

ポートフォリオの提出については、現物を送付する場合と、CDやDVDなどのメディアを送付する場合、指定されたURLにデータをアップロードする場合とがあります。多くの大学院では、作品そのものではなく、それをデジタルカメラで写したもののメディア送付、あるいはインターネットへのアップロードによる提出を課しています。ポートフォリオの作品の数は、15~20点くらいが一般的です。

大学院や課程によって、ポートフォリオから見いだそうとしているものは若干異なります。基礎力を見たいという場合と、独創性を見たいという場合の二つのタイプに分かれます。実際にはその両方を探ろうとする場合がほとんどですが、基礎力と独創性のいずれにより重点を置いているか、というのはポートフォリオのガイドラインからある程度は察することができます。またポートフォリオのガイドラインが、その課程の特徴を示しているともいえます。ポートフォリオで求められることと、自分が表現したいこととが、あまりにかけ離れている場合は、無理してまでそのガイドラインに従おうとするよりも、志望校の候補としては再検討するのがよいかもしれません。

修士課程と博士課程

アメリカの大学院の修士課程で学べる芸術分野は、非常に多岐にわたります。実技中心か、理論中心か、に大別されますが、幅広い視野から「美術」そのものを学ぶ課程もあります。また芸術を教育に応用するArt Education、ビジネスの側面から学ぶArt Administration、「癒し」に応用するArt Therapyといった分野もアメリカの大学院では学べます。

その課程の専門性の強さによって、Master of Arts(MA)かMaster of Fine Arts(MFA)のいずれかの学位を得ます。MFAの課程のほうが、MAに比べて専門性が高く、課題の量も多いのが一般的です。

博士課程についていえば、その多くが理論中心です。芸術にかかわる分野でいえば、美術史、美学、演劇史、映画批評などです。自らが研究課題を掲げて、そのことに対してうんと掘り下げてオリジナルの研究に取り組みます。美術史といってもそれを概括的に学ぶのではなく、ある特定の画家なり流派なりについて、また特定の地理や時代について、深く研究するのが博士課程です。課程を修了し、博士論文の審査にパスすると、Doctor of Philosophy(Ph.D.)の学位を得ます。

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