合否を大きく左右する大学の成績
アメリカの大学院が合否を決める際に最も重視するのが大学の成績です。
日本の大学ではだいたい優・良・可・不可の4段階で成績が出ます。アメリカの大学はA・B・C・D・Fの5段階です。日本の成績は、英文の成績証明書では
優→A |
良→B |
可→C |
このように表記されます。不可の場合は英文の成績証明書では表記されません。アメリカの大学院に進学するためには最低でもB平均以上の成績を修めていることが求められます。
GPAの算出方法
アメリカの大学院の合否を決める材料として最も大きな要素である大学の成績の平均のことをGPA(Grade Point Average=ジーピーエー)といいます。このGPAの数値こそが、アメリカの大学院が出願者を評価する際に最も重視するポイントです。
GPAの算出方法は、まず、優・良・可それぞれの成績を、以下のようにポイント(Grade Point)に換算します。
日本の大学の成績 | 英語表記の成績 | Grade Point |
---|---|---|
優 | A | 4.0 |
良 | B | 3.0 |
可 | C | 2.0 |
不可 | ※英文の成績表には表記されない |
次に、優・良・可それぞれの科目の単位数に応じてGrade Pointを掛け算し、それらの合計を算出します。
優の科目の単位数×4.0ポイント=xポイント |
良の科目の単位数×3.0ポイント=yポイント |
可の科目の単位数×2.0ポイント=zポイント |
そしてこのx+y+zの合計ポイントを、すべての科目の単位数で割った数値が、GPAです。
優半分、良半分の成績であれば、GPAは3.5になります。良が3分の2、可が3分の1であればGPAは2.67です。オール優であればGPAは4.0になります。アメリカの大学院に進学するための最低条件としてのB平均以上とは、GPAでいえば3.0以上ということになります。
個々の科目の成績も評価される
GPAとは別に、個々の科目の成績も注目されます。大学院で学ぶ分野とかかわりのある科目のほうが、そうではない科目に比べて、より重視されます。
また大学院によっては、大学1、2年次にとった科目よりも、3、4年次にとった科目のほうのGPAをより重視します。たとえば「大学4年間トータルのGPAは2.8以上あればよいが、上級レベルの科目のGPAは3.0以上であること」といった条件を設けている大学院も少なくありません。
GPAが3.0を下回る場合の対応方法
大学のGPAが3.0を下回るという場合でも、大学院留学の道がまったく閉ざされてしまうわけではありません。
GPAが2.7くらいであれば、入学のチャンスを得られる大学院もあります。推薦状やエッセイ、GRE®やTOEFL®テストのスコアといった、成績以外の要素がすぐれていれば、少しくらいのGPAの不足はカバーできる可能性があります。
とくにプロフェッショナルスクールでは、大学を卒業してかなりの年月が経っていて、社会人としての業績や活躍が卓越していれば、大学のGPAは大目に見てもらえることもあります。
また一旦アメリカの大学に編入して、大学院で学ぶ分野の基礎となる科目をとって良い成績を修めたうえで大学院にチャレンジすれば、日本の大学の成績はカバーできます。日本の放送大学などで基礎科目を良い成績で修めることで、成績を挽回する方法もあります。