アメリカの大学院は、おもに教えられる分野や内容によって
これら二つのSchoolに大別されます。
グラジュエイトスクール
グラジュエイトスクールは、“Graduate School of Arts & Sciences”などと称され、総合大学の中の一機関です。おもにアカデミック系の分野の教育・研究を行っています。「アーツ&サイエンス」と通称されます。日本ではこのアーツ&サイエンス系大学院を、「学術系大学院」ということもあります。
アカデミック系の分野には、歴史学、哲学、宗教学、社会学、経済学などが挙げられます。古くから学問として確立している分野で、「実学ではない」のが、グラジュエイトスクールで学ぶ分野だといえます。
プロフェッショナルスクール
プロフェッショナルスクール(Professional School)は、メディカルスクール(大学院医学部)やビジネススクール(経営大学院)、ロースクール(法科大学院)に代表される、ある特定の職に就くための実学を教える機関のことをいいます。ほかにデンタルスクール(歯学部)やベテリナリースクール(獣医学部)などがあります。教育学や工学、建築学、国際関係学、公衆衛生学などの分野も、おもにプロフェッショナルスクールで学びます。
総合大学:アーツ&サイエンスとプロフェッショナルスクールの集合体
アーツ&サイエンス、プロフェッショナルスクールいずれも、それぞれにSchoolとかCollegeといった名前がついています。これらは日本の大学の「学部」「研究科」に相当します。こうした複数のSchoolやCollegeが集まって、一つの「総合大学(University)」が成り立っています。
総合大学は、もちろん大学の部門もありますが、どちらかというと大学院での研究や教育のほうに力を入れています。一般に“University”という名前が付いています。一方で“College”と名の付く大学は、大学院よりも学部レベルの教育のほうに力を入れています。大学院課程を設けているCollegeもありますが、規模は小さく、博士課程までは設けていないのが普通です。