日本人がUCLAに留学できない2つの理由

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カリフォルニア大学ロサンゼルス校、通称UCLAは日本人にとても人気の高い大学です。

そのUCLAに行くには、「まずカリフォルニア州のコミュニティ・カレッジ(公立の二年制大学)に入学して、そこを卒業してから3年生として編入するのがよい」というのが、多くの留学斡旋会社の弁です。

それを信じて、毎年たくさんの若者がカリフォルニアのコミュニティ・カレッジに留学しています。

しかし、それで人生を台無しにしてしまう若者があとを絶ちません。

留学3年目でも編入できない

留学して1年目は何がなんだかわからずに過ぎてしまいます。

それが2年目・3年目になって、「どうやってUCLAに編入すればいいのかわからない」という相談が当研究所にたくさん来ます。

3年目なんて、もう編入していなければならないのに、「ESL(外国人向けの英語の科目。卒業単位として認められない)をたくさんとっていて時間がかかった」などで、コミュニティ・カレッジ卒業に必要な単位を十分にとりきれていない例も少なくないのです。

また親御さんからは、「UCLAに編入できても経済的に厳しい」という相談がひきもきりません。UCLAの学費+寮・食費は年間55,000ドルもかかりますから、無理もありません。

科目選択を間違えると・・・

カリフォルニア州は、コミュニティ・カレッジから州立大学への編入システムがよく整っています。

あるコミュニティ・カレッジで履修している科目の単位が、編入先の大学でどのように認められるかがわかるassistというWEBサイトもあって、在学している大学と編入したい大学、専攻したい分野を選ぶと、いまの大学でとっておくべき科目が、ちゃんと出てきます。

そこで初めて、「エーッ」となることが多いのです。

在学中のコミュニティ・カレッジからは編入生を受け入れないということがあったり、その分野を専攻するためにとっておかなければならない科目がとても多かったりするのです。

UCLAに9月の新学期から編入するための出願期限は前年の11月です。

とても早いのです。

ですから1年生のときには、もう編入のための科目選びを始めなければなりません。

留学生がESLを必死でやっていては2・3年目になって慌てても到底間に合わないのです。

コミュニティ・カレッジ在学生への要求の高さ

また、専攻したい分野も早くから決めておく必要があります。

たとえばUCLAで心理学を専攻しようという場合、別の分野からの専攻の変更は認められません。

コミュニティ・カレッジでは、心理学概論のほか、生物学、化学、哲学、そして統計学・数学・コンピュータのいずれかの科目をとっておく必要があります。

もちろん、大学により専攻により違いますが、カリフォルニアの各大学は、編入希望者にはなかなか厳しい要求をしています。

このようなことを、留学する前に知っている人はほとんどいません。

日本にある留学斡旋会社はこういう説明を一切しません。

現地のコミュニティ・カレッジでは、編入のための説明会なども開いているのですが、そのような説明会の存在そのものを知らない場合すら多いのです。

さらに、ほぼすべての授業で最高の成績(A評価)をとらないとUCLAに編入することがまず出来ないのです。

「お金」というもう一つのハードル

お父さんお母さんはひたすら金銭的なことが心配で、「もっと安くてキチンと寮があって編入可能な大学を教えてほしい」とおっしゃいます。

でも、カリフォルニアのコミュニティ・カレッジに留学しているお子さんたちは、まずホームステイ。

そして次は知り合った日本人同士でアパートをシェアしているというケースが圧倒的です。

ホームステイ→アパート生活→車を買う→ロスまで買い出しや食事に日本人同士ででかける、というパターンが繰り返されています。

生活にお金もどんどんかかります。

学生寮で生活すれば費用を抑えることがそれなりにできますが、カリフォルニア州のコミュニティ・カレッジは学生寮を用意していないところが多くあります。

さらに留学生自身がカリフォルニアの気候にどっぷり浸かって、それなりに青春しているのですから、窮屈な学生寮生活など続くわけがないのです。

コミュニティ・カレッジのGPA(成績平均値。4.0が満点)が3.0以上(B平均以上)であれば、一般的なカリフォルニア州立大学(※)に編入することは可能です。

それでも年間35,000~40,000ドルくらいかかります。

どのキャンパスに行きたいのかを聞くと、たいてい「ロスに近い大学」と答えるのです。

ロスの生活費は東京よりも高いといわれているのですよ。

(※)カリフォルニア州立大学:California State Universityという州立大学のグループで、23のキャンパスから成る。これに対してカリフォルニア大学(University of California)という別のグループもあって、やはり州立大学10校から構成される。UCLAやUCバークレーは後者のグループに属す。前者よりも後者のほうがレベルは格段に高い。両者は日本では混同されることも多い。

18歳で留学した人たちの「その後」

こうして、最初はコミュニティ・カレッジからUCLAに編入するつもりで留学したはずなのに、

(1) 編入のための履修科目の選びかたを知らない
(2) 思いのほかお金がかかる

という2つの大きな理由で、留学を中途で断念してしまう例が後を絶ちません。

最終学歴が、コミュニティ・カレッジ卒、または中退みたいなことになっているのです。

または、親が大金を払い続けてくれて大学まで卒業できたとしても、コミュニティカレッジ卒業までに3年、大学でさらに3年の計6年以上かかったなどで社会に出遅れているケースも多くあります。

日本の高校を卒業して、18歳でアメリカに留学した人がたくさんいるにもかかわらず、その人たちが、いま、どのように活躍しているのか、なかなか伝わってこないのは、このような事情が背景にあるのです。

国がよくなるということは、普通の人が、いろいろなものを見たり聞いたりするチャンスをもてて、生きることに自信をもって活躍できるようになることです。

せっかく18歳で渡米しても、ほんの最初のつまずきで、将来に活躍する人が出てこないのは、日本にとってもとても残念なことです。

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栄陽子プロフィール

栄 陽子留学研究所所長
留学カウンセラー、国際教育評論家

1971年セントラルミシガン大学大学院教育学修士課程を修了。帰国後、日本で留学カウンセリングを立ち上げ、留学指導を行い、これまでに7000人以上の留学を成功させる。留学関係の著作も多数。 » 栄 陽子留学研究所について