ハワイの英語学校? すぐ帰国しなさい!

(2021.2.1更新)

大学留学を志す人の中には、「ハワイに留学したい」という人が、いまも昔もたくさんいます。「何度か行ったことがある」「気候がよさそう」「親がマンションをもっている」「日本から近い」「フラダンスを習っている」等々です。

ハワイ大学の難易度

だいたいの人が「ハワイ大学マノア校」(University of Hawaii, Manoa)への入学を希望するのですが、そう簡単には入れません。

入学生のうちほぼ半数が、高校時代のGPA(4点満点の成績平均値)が3.75以上で、約2割の学生が3.5~3.74という成績を修めています。

アメリカの高校のGPAが3.75以上というのは、日本の5段階の成績では4.75以上に相当します。

またハワイ大学は州立ですから、ハワイ州の住民を優先して入学させますので、私たち留学生には狭き門になります。

ハワイ大学マノア校をめざすのであれば、日本の高校の評定平均で4.5以上は欲しいところです。

TOEFL®スコアは100以上が必要です。

ただ「ハワイ大学」と呼ばれる大学は、マノア校だけではありません。

「ヒロ校」(University of Hawaii, Hilo)もあります。

昔は寮がありませんでしたが、いまは寮もあって学費も比較的安く、入学しやすい大学です。

日本の高校の5段階の成績で4平均くらいあれば可能性があり、TOEFL®スコアは61以上でOKです。1年度の費用は、学費+寮・食費の合計で約35,000ドルです。

ハワイ州にはほかに、シャミネード大学(Chaminade University of Honolulu)ハワイパシフィック大学(Hawaii Pacific University)という私立大学があります。

入学基準はハワイ大学ヒロ校と同程度と考えてよいでしょう。

ハワイ大学の英語学校に入学して・・・

「ヒロ校は島が違うからイヤだ」と言うもいますが、マノア校は日本人にとってなかなか現実的ではありません。

この大学にはNICEとかHELPという、とても“響きのいい”英語学校があります。

日本人もたくさんいて、学校としてはそれなりに儲けているのですが、これらの英語学校に入学したからといって、前述の条件をクリアしない限り、ハワイ大学に入れるわけではありません。

ずいぶん昔のことですが、お祖父さんの友人がハワイ大学の教授をしているという関係で、このNICEに入学した男の子がいました。

ところが周りは日本人だらけで、東京の英会話学校と同じです。

そして、観光地の宿命というか、真面目に勉強している人がごく少数で、彼自身も勉強に対するモチベーションをキープするのが大変だったようです。

まぁ、当たり前のことですけど、将来を見据えて本気でバリバリ勉強したい人が選ぶ場所ではないですよねぇ・・・。

入学して数か月で「やっぱりここじゃ英語の勉強ができない、もう大学に入学するのも不可能かもしれない」と悟りました。

お孫さんから涙ながらの国際電話を受けたお祖父さんは当研究所に相談。

「すぐ帰しなさい」という私の言葉を信じてお孫さんは帰国、当研究所の指導(※)を受けて、マサチューセッツ州のエンディコット大学に入学しました。

※当研究所の指導:志望校選びから合格に向けた出願書類の作成、大学入学から卒業までの履修指導、英語のハンデを克服してよい成績を修めるための予行演習など。

アメリカ人と一緒に授業を受け、大変だけど充実した学生生活を経て、3年生でUCLAに編入しました。

「あのままハワイの英語学校にいたらどうなっていただろう」とたいへん感謝されました。

英語学校で英語は上達しない

そもそも、日本の中高で6年も英語を習ってものにならなかった人が、アメリカの英語学校に行っても、英語はなかなか身に付かないものです。

長い間この仕事をしていますが、当研究所へ留学相談に来て、「それでは英語学校に行ってTOEFL®スコアを上げてからまた来ます」という人はけっこういますが、それで1年たってちゃんとスコアを上げてきたなんて人は、ほとんど記憶にありません。

まぁ、1年に一人か二人いるかな?ってくらい。

私がとても印象に残っているのは、灘高を出て、大学に行かずにロックに浮かれて、25歳になって突然「勉強したい」と言い出して相談に来た若者です。

初めてTOEFL®テストを受けて、たしか45点くらいでしたが、「ふーん、こんなもんか。だいたいやりかたがわかりました。3、4か月したらまた来ます」と言って、次に来たときは80点になっていました。

その時は、「学校の名前というのはあなどれない、さすが灘高やなぁ」と思ったものです。

アメリカ人と机を並べるのが英語上達の近道

でも多くの人は、こんなにうまくいきません。

当研究所で指導して、いろいろな大学に願書を出して、ときに大学と交渉して、どうにか入学させて、「アメリカ人と机を並べて必死になって乗り切れ!」といった感じで送り出しています。

前述の男の子は、いまハワイのコミュニティ・カレッジ(公立の二年制大学)の教授をしています。

のんびりダラダラしているのが性に合っているようで、ハワイは居心地がいいようです。

そして、ダラダラしている割には時折、絵本などをつくって送ってきてくれます。

そんな彼もいまでは50代後半。

45年も仕事をしていると、本当にいろいろな人と出会いますね。

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著者情報:栄 陽子プロフィール

栄 陽子留学研究所所長
留学カウンセラー、国際教育評論家

1971年セントラルミシガン大学大学院の教育学修士課程を修了。帰国後、1972年に日本でアメリカ正規留学専門の留学カウンセリングを立ち上げ、東京、大阪、ボストンにオフィスを開設。これまでに4万人に留学カウンセリングを行い、留学指導では1万人以上の留学を成功させてきた。
近年は、「林先生が驚いた!世界の天才教育 林修のワールドエデュケーション」や「ABEMA 変わる報道番組#アベプラ」などにも出演。

『留学・アメリカ名門大学への道 』『留学・アメリカ大学への道』『留学・アメリカ高校への道』『留学・アメリカ大学院への道』(三修社)、『ハーバード大学はどんな学生を望んでいるのか?(ワニブックスPLUS新書)』、ベストセラー『留学で人生を棒に振る日本人』『子供を“バイリンガル”にしたければ、こう育てなさい!』 (扶桑社)など、網羅的なものから独自の切り口のものまで、留学・国際教育関係の著作は30冊以上。 » 栄陽子の著作物一覧(amazon)
平成5年には、米メリー・ボルドウィン大学理事就任。ティール大学より名誉博士号を授与される。教育分野での功績を称えられ、エンディコット大学栄誉賞、サリバン賞、メダル・オブ・メリット(米工ルマイラ大学)などを受賞。

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