学費ゼロも夢じゃない! アメリカ留学のリアルな奨学金事情

奨学金のおかげで「元をとった」?

最近のアメリカ留学で、一番の関心事は奨学金です。

なにしろ、アメリカの大学の学費はあまりにも高いものですから、奨学金を得ないことには留学できる可能性がなくなってしまいます。

当研究所のカウンセラーは、各大学から奨学金を得るべく日夜、努力しています。

今年度に入学する学生のお父さんが、盛んに、私に「元をとった、元をとった」と言うのです。

東京の人はあまりお金の話をしたがりませんが、関西の人は、あいさつが「もうかりまっか?」ですので、割にお金のことに露骨です。

とくに得をした話は大好きです。

何のことかと聞いたところ、当研究所に支払ったお金は奨学金で返ってきた、と言うのです。

「よく言うわ、何倍もじゃないの。おまけにがんばれば、毎年(つまり4年)もらえるのよ」と私が言い返すと、「そうそう。大学の入学くらいは私が手伝えるけど、なかなか奨学金まではようせんから・・・」とのこと。

アメリカの大学は入学してからが勝負

このお父さんは20代の頃アメリカの大学に留学していたとのことで、息子の留学手続くらい何のことはないと思っていたのです。

アメリカの大学に留学しても卒業していない人は、勉学の大変さをあまり理解していません。

多くの人が勘違いしているのですが、アメリカ留学は、入学してからが大変で、70点を2学期続けて切ると退学になるし、そもそもよい成績を残さなければ一生よい評価を得られないのです。

アメリカでは、就職するのも大学院に行くのも、すべて成績が一番重視されます。

ハーバード大学の学生でも、GPA(成績の平均値。4点満点)が3.0以下ではアメリカの一流企業には就職できません。

アメリカは基本的に大学院中心の社会です。

大学院に入学する最低ラインがGPA3.0ですが、実際にメディカルスクールやロースクールをめざす人は、まずほとんど4.0とか3.9とかです。

大学では、だいたい1日3時間の授業があり、予習・復習・レポートに5, 6時間は必要です。

したがって当研究所では、どのように勉強してどのようにサバイバルしてよい成績をとるかをしっかり教え、留学生にとってやりやすい時間割の組みかたからアメリカ史の勉強など、予習の予習まで指導しているのです。

留学生がもらえる奨学金とは?

アメリカでは大学生は夏休み以外、本来アルバイトはしないし、勉学が大変でできません。

留学生はしてはいけないことになっています。

その代わり、奨学金の制度が充実していて、国や州や各団体、大学などから奨学金を得ることができます。

留学生は、国や州から借りる奨学金は申し込めませんので、基本的には、大学からもらうのが一番確実です。

日本でアメリカ留学を考える人は柳井正財団海外奨学金やグルー奨学金などを考えますが、やはり少人数しか得られず、また、相当に学力、英語力ともに高い人でないと対象になりません。

アメリカの大学に支払う金額がゼロになる例も!

当研究所は普通の(つまり学力が普通で英語力が英検2級か準2級くらい)、やる気のある若者を留学させることをモットーにしていますので、なんとか各大学を説き伏せて、奨学金をもらうことになります。

奨学金の額は、大学の合格通知とともに書かれてきます。

入学後にも継続して奨学金がほしい場合は、どのような成績をキープすること、と指示されている場合は、その成績以上をとれば可能性大です。

書いていない場合はスクールカタログに書いてある成績をキープしましょう。

必ずGPA3.0(大学によって違います)を割ると奨学金を取り消す、などと書いてあります。

今年は、カウンセラーたちが本当にがんばって、1人が満額、すなわち1円も必要ない。

もう1人が学費免除になりました。多くが30,000ドルくらいの奨学金を得ています。

日本の人は信じられないかもしれませんが、アメリカの大学は粘り強く交渉することが可能です。

入学を勝ちとるだけでなく、奨学金を1ドルでも多く勝ちとるのにカウンセラーは大変な労力です。

しかも、そうやって入学した学生が悪い成績をとると、当研究所の評判も落ちてしまいます。

そのため、入学してから卒業するまでの勉学の方法や、アメリカ人の考えかた、未来への指向、などなど、たくさんのことを留学生たちにカウンセラーは指導しています。

ですから得ることができた奨学金のことを考えると、当研究所への支払いの何倍ものお釣りが来たことになるのです。

かのお父さんの息子さんは40,000ドルの奨学金を得たとのことです。

そりゃ元とったわね!

» 栄陽子の留学コラムトップへもどる


▼ 読むだけでアメリカ留学に役立つ資料をお送りします。

留学資料を無料でとりよせる

著者情報:栄 陽子プロフィール

栄 陽子留学研究所所長
留学カウンセラー、国際教育評論家

1971年セントラルミシガン大学大学院の教育学修士課程を修了。帰国後、1972年に日本でアメリカ正規留学専門の留学カウンセリングを立ち上げ、東京、大阪、ボストンにオフィスを開設。これまでに4万人に留学カウンセリングを行い、留学指導では1万人以上の留学を成功させてきた。
近年は、「林先生が驚いた!世界の天才教育 林修のワールドエデュケーション」や「ABEMA 変わる報道番組#アベプラ」などにも出演。

『留学・アメリカ名門大学への道 』『留学・アメリカ大学への道』『留学・アメリカ高校への道』『留学・アメリカ大学院への道』(三修社)、『ハーバード大学はどんな学生を望んでいるのか?(ワニブックスPLUS新書)』、ベストセラー『留学で人生を棒に振る日本人』『子供を“バイリンガル”にしたければ、こう育てなさい!』 (扶桑社)など、網羅的なものから独自の切り口のものまで、留学・国際教育関係の著作は30冊以上。 » 栄陽子の著作物一覧(amazon)
平成5年には、米メリー・ボルドウィン大学理事就任。ティール大学より名誉博士号を授与される。教育分野での功績を称えられ、エンディコット大学栄誉賞、サリバン賞、メダル・オブ・メリット(米工ルマイラ大学)などを受賞。

» 栄 陽子留学研究所についてはこちら