アメリカ留学に必要な「残高証明書」とは?

アメリカの大学に出願する際に提出する書類の1つに「残高証明書」というものがあります。「アメリカで学業生活を続けるのに十分の資力があります」ということを証明する書類です。

留学中、路頭に迷わないために

アメリカは法治国家です。

留学生が罪を犯したり、事故に遭ったり、重い病気になったりしたときに、だれも引き取り手がいない、本人もお金を持っていないという場合でも、海に捨てるようなことはしません。

刑務所に入っても3食付きです。とはいえ、すべてアメリカ国民の税金でまかなわれるわけですから、そんな事態になっては困ります。

したがって留学に先だって、「留学中の十分な資金は確保できている」という証明をする必要があるのです。

アメリカの書式に残高証明書を添付

College Boardという、SAT®(全米標準のテスト)などを運営している非営利団体が、International Student Certification of Financesという書式を用意しています。

各大学が、独自の書式を指定している場合もあります。いずれの書式も、各大学のWEBサイトからダウンロードできます。

これに、毎年どのくらいのお金を用意できるかを記入し、それに応じた残高証明書を添付します。

本来はこの書式に、「たしかにそれだけのお金があります」という旨のサインを銀行からもらわなければならないのですが、日本の銀行はそんなことはしてくれません。

そこで、「残高証明書を添付します」と付記して、残高証明書を添付して送ります。

英文の残高証明書は、通常どこの銀行でも郵便局でも作成してくれます。

残高が足りない場合どうするか?

残高証明書の金額は、各大学の学費にもよりますが、だいたい500~1,000万円くらいでOKです。

「そんなお金、銀行にない」という親御さんもいらっしゃいます。「毎月のお金は何とかなるけれど、貯まったものはない」という場合も多々あるのです。

「株券しかない」という人もいます。

そういう場合は、たとえば、お父さん名義で○○銀行に200万円、お母さん名義で××銀行に100万円、お祖父さん名義で郵便局に200万円、合わせて500万円というかたちでもかまいません。

残高証明書を3通、添付するわけです。

もっと極端にいえば、銀行に残高証明書を作成してもらう間(たとえば1、2か月)だけお金を借りるというやりかたでも大丈夫です。

残高証明書の名義によって必要額が異なることも

残高証明書の名義は親のものが望ましいでしょう。

本人の残高証明書だと、「4年間留学するのであれば、4年分に充当する金額を用意しろ」と大学に言われることがあるからです。

事実、当研究所から留学した学生も、そう言われたことがあります。

これは、かなりの額が必要になります。

親なら、働いていて引き続き収入があるので、そのことを想定して、とりあえずの分(たとえば2年分)だけでOKですが、本人は留学中は働けないので、卒業するまでの額をあらかじめ用意しておかなければならないということのようです。

したがって20代後半とか30代で留学する場合も、自分の残高証明書と親の残高証明書の2通をあわせて出すか、親の証明書のみを提出するほうがいいと思います。

残高証明書の金額が合否を左右する!?

当研究所のカウンセラーも気をつけているのですが、うっかりすることがあって、ミシガン州立大学から、「奨学金を出せないので入学させることができない」という連絡が来たことがあります。

どう見ても入学できる能力はありますし、奨学金をほしいと言っているわけでもありません。

そこでボストンのオフィスから問い合わせたら、「残高証明書が200万円しかないので、経済的にムリ」とのことで慌てたことがあります。

親御さんにあらためて残高証明書を作成してもらって、大学とも話し合い、無事に入学できたのですが、証明書の金額には気をつけなければなりません。

また、あまりに大きな金額の証明書は、逆にあやしいと思われますので、やめたほうがいいのです。

「額が大きいほど信用があるのでは?」という考えかたはあまり通用しません。

相手は大学であって、金融機関ではありませんから。

留学に欠かせない「良好な親子関係」

この残高証明書は、学生ビザを申請するときにも必要です。

願書を出すときと、ビザ申請をするときとで、証明書を発行する金融機関や金額が違っていてもかまいません。

残高証明書の有効期限は3か月なので、ビザ申請のときにあらためて発行してもらうことになることが多いのです。

またビザ申請の際には、College Boardのフォームは必要ありません。

だいたい2年分くらいの額でOKですので、やはり500~1,000万円くらいです。

留学するとなると、いつまでたっても親の協力が必要になります。

「自分で稼いで行くのでほっておいてくれ」といっても、いざとなると、こういうことが出てくるのです。

したがって、日ごろから親に対する態度に気をつけると共に、よいコミュニケーションがとれるように心がけなければならないのです。

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著者情報:栄 陽子プロフィール

栄 陽子留学研究所所長
留学カウンセラー、国際教育評論家

1971年セントラルミシガン大学大学院の教育学修士課程を修了。帰国後、1972年に日本でアメリカ正規留学専門の留学カウンセリングを立ち上げ、東京、大阪、ボストンにオフィスを開設。これまでに4万人に留学カウンセリングを行い、留学指導では1万人以上の留学を成功させてきた。
近年は、「林先生が驚いた!世界の天才教育 林修のワールドエデュケーション」や「ABEMA 変わる報道番組#アベプラ」などにも出演。

『留学・アメリカ名門大学への道 』『留学・アメリカ大学への道』『留学・アメリカ高校への道』『留学・アメリカ大学院への道』(三修社)、『ハーバード大学はどんな学生を望んでいるのか?(ワニブックスPLUS新書)』、ベストセラー『留学で人生を棒に振る日本人』『子供を“バイリンガル”にしたければ、こう育てなさい!』 (扶桑社)など、網羅的なものから独自の切り口のものまで、留学・国際教育関係の著作は30冊以上。 » 栄陽子の著作物一覧(amazon)
平成5年には、米メリー・ボルドウィン大学理事就任。ティール大学より名誉博士号を授与される。教育分野での功績を称えられ、エンディコット大学栄誉賞、サリバン賞、メダル・オブ・メリット(米工ルマイラ大学)などを受賞。

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