アメリカの有名大学に入るための至極まっとうな方法

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何点とればアメリカの有名大学に合格するのか

「○○大学に入学するにはどうすればいいですか」という質問や相談をよく受けます。そこで「高校の成績が一番大切なので、成績を少しでも良くすること」と返事をしても、日本の人はなかなか納得してくれません。「TOEFL®スコアが何点必要か」、「SAT®のために塾に行くべきか」といった、日本の受験勉強のような方法をみんな知りたがるのです(※)。

※TOEFL®テスト:英語を母語としない人を対象とした英語のテストで、0~120の間でスコアが出る。アメリカの多くの大学が留学生に対して79~81点以上のスコアをとることを入学条件としている。
※SAT®:アメリカの高校生を対象とした英語(※米国人にとっての国語)と数学のテスト。読解(クリティカルリーディング)、ライティング、数学の三つのセクションから成り、それぞれ200~800点の間でスコアが出る。

なので、今回はアメリカの有名大学に入るために何が必要かをまとめてあります。

まず最初に理解していだたきたいのが、アメリカの大学では合否を決めるのに、高校の成績、本人のエッセイ、推薦状、SAT®スコア、TOEFL®スコア(※留学生のみ)などの提出を求め、これらを総合的に見て判断するということです。

なので、留学生だけが提出するTOEFL®スコアのみに焦点を当てることは、大きな間違いです。また、高校の成績も一朝一夕でどうにかなるものではありません。

高校の成績の重要性

では、どれくらい成績は良ければよいのか。そこで、カレッジボードという進学情報機関が発行しているCollege Handbookという本を開いて説明しなければなりません。この本には、全米の大学のさまざまなデータが網羅されていて、各大学に入学した学生の、高校のときの成績の情報も載っています。

このCollege Handbookによると、カリフォルニア大学バークリー校(UC Berkeley)の、2014年度に入学した学生たちの高校の成績平均値(GPA)は、以下の通りです。

GPAの点数全体のパーセンテージ
3.75~ 81%
3.5~3.74 13%
3.25~3.49 3%
3.00~3.24 2%
2.50~2.99 1%

アメリカの高校のGPAは4.0ポイントが満点ですから、UC Berkeleyの入学生の8割以上が、高校でほぼオールAという成績を修めたことになります。

また、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の場合は以下の通りです。

GPAの点数全体のパーセンテージ
3.75~ 95%
3.5~3.74 3%
3.25~3.49 1%
3.00~3.24 1%

これを見ると、いかに大学が入試において成績平均値(GPA)をいかに重視しているのがわかります。

日本人的な感覚でいうのならば、5段階の通知表でほぼオール5で4がポツポツというイメージ。このくらいの成績を持ってなければいけません。

成績以外の素質にも注目するアメリカの大学

しかし、このデータではGPAが3.5以下で合格している人が数パーセントながら存在しています。これらの学生は、たとえばスポーツにとてつもなく秀でていて、「大学のスポーツコーチがAdmissions Office(入学審査を専門に行う部署)を説得した」と考えられます。

要はスポーツ推薦であったり、音楽や芸術の分野で若くして有名な賞を取るほどの学生。つまり学業以外でその大学にとって、相当魅力的な要素をもっていたということです。

ちなみにハーバードは以下の通り。

GPAの点数全体のパーセンテージ
3.75~ 88%
3.5~3.74 9%
3.25~3.49 2%
3.00~3.24 1%

GPAが3.49以下の人は、やはり学業以外で何か超特別な才能があったのだろうと思います。

成績の見られ方

高校の成績については、「高3のものを出すのか、全学年のものを提出するのか」と聞かれることもよくありますが、基本的には全学年です。アメリカの高校は四年制が多いので、アメリカ人は4年間の成績を出しますが、日本人は3年間でかまいません。

全学年ともに良い成績であるほうが望ましいのはもちろんですが、1年生のときより2年生、2年生のときより3年生、というように成績が上がっていればそれも評価されます。

努力と改善の姿勢が評価の対象になるのです。逆に、3年生に向けて下がっているのはあまりよくありません。

TOEFL®テストとSAT®では英語のレベルがまったく違う

TOEFL®スコアについていえば、UCLAは83点を求めていますが、実際に出願している留学生は満点かそれに近いスコアを出しています。さらにSAT®で各セクション600点以上をとることが望ましいとされていますから、いまからTOEFL®テストで80点をめざすなんていうようなことでは話になりません。

日本人がSAT®の各セクションで600点以上をとるということは非常に困難なこと。その難しさを現すなら、例えばインドから日本に初めて留学してきた16歳の学生に、「1~2年でセンター試験の国語で8割をとれ」というような話です。

そもそも帰国子女やインターナショナルスクールの生徒で、「日本語より英語の方が喋りやすいんです、僕」といった学生でもない限りなかなかとれるスコアではありません。

TOEFL®テストは、英語を母国語としない学生のための英語のテストですが、SAT®のクリティカルリーディングとライティングは、英語を母国語とするアメリカ人の国語のテストです。年に7回受けられますが、何回も受けるようなテストではありません。

高校生としての本来の国語力を測るテストですから、あまり何回も受けると、アメリカの大学にかえって変だと思われてしまいます。アメリカの高校生は大抵2回くらいしか受けません。そもそも日本的な「受験のために塾へ行く」、「受験は戦争」というような意識があまり無いのです。

大学選びの意識が大きく違う理由

「え?少しでも上の大学へ普通は行きたいんじゃないの」と思われるかもしれません。しかし、アメリカと日本で大きく違う点の一つに「大学で退学になりやすい」ということがあります。

アメリカの大学では、2回平均以下の成績をとると驚くほどあっさり退学になります。つまり、大学に出願するときだけ頑張って無理にレベルが高いところに行くと、元々の地力が足りないため退学になる可能性も高まるのです。

なので、アメリカ人は身の丈にあった大学に行き、そこで努力をするというのが一般的です。

アメリカの大学の受験対策が日頃の行いにあるワケ

入学審査に話を戻します。

アメリカの大学の入学審査は、一人ひとりの出願者のそれまでの長い積み重ねを測るものですから、ある一定期間だけがんばって突破するというものではありません。たとえはレベルの高い高校から低い高校に転校して良い成績をとったとしても、そのような変な小細工は通用しません。

いってみれば日頃の行いが大切になります。学校の成績をよくして、人間性豊かな人に成長することが大事だということです。英語力も、時間をかけて少しずつ身につけていくものであって、テストを受けるときだけ急に上がるというものではありません。

「じゃあ、私はもう○○大学に入れないの!?」と嘆く必要もありません。アメリカでは大学での転校、いわゆる編入は頻繁に行われていて意欲ある学生はどんどんレベルの高い大学にのぼっていきます。

当研究所の生徒でも、はじめは身の丈にあった大学に入学し、そこから最終的にアイビーリーグにまで編入した学生が多くいます。

ただ、彼らは「有名だから○○大学に入りたい」、「○○大学に入れば良いところに就職できるから」というのではなく、自身がアメリカで勤勉に励み高い成績をキープし、毎日英語のシャワーを浴びて、課外活動などに積極的に参加した結果、「僕は●●の分野に興味があり、もっともっと研究したい。なので、●●の分野に強い○○大学に入りたいんです」という姿勢を持っています。

当たり前のことですが、誰が見ても納得できるこういった姿勢が、合否を決めるエッセイや推薦状にも大きく現れてくるのです。テストのスコアも言わずもがなというところ。

日本の大学も、これから筆記試験だけの一発勝負ではない入試を取り入れる方向のようですから、毎日の積み重ねが大切になることと思います。

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栄陽子プロフィール

栄 陽子留学研究所所長
留学カウンセラー、国際教育評論家

1971年セントラルミシガン大学大学院教育学修士課程を修了。帰国後、日本で留学カウンセリングを立ち上げ、留学指導を行い、これまでに7000人以上の留学を成功させる。留学関係の著作も多数。 » 栄 陽子留学研究所について