世界で存在感を失う日本。留学してアメリカのダイナミズムを体感せよ!
世界で忘れられつつある日本
ある学園(小学校〜高校)で先生がたを相手に1時間ほどお話をさせていただきました。
世界の現状といまの日本が置かれている位置と、アメリカの大学の魅力的な点についてのお話です。
感想で多かったのが、「とにかく衝撃的だった」というものでした。
日本はいつの間にか世界から忘れ去られそうになっているのですが、最近の外国人の観光ブームで、「美しい日本に憧れてたくさんの人がやってきている」というイメージができあがっているのでしょうか。
一般には日本が世界から忘れ去られそうになっていることはあまり認識されていません。
10年で世界を変えたFAANG
ロイターが、この10年間に経済を中心として人間の生活や考えかたを一変させた10の出来事を挙げています。
仮想通貨やシェールオイルや環境投資などいろいろありますが、その中で1番に挙げているのが、FAANGというものです。
FAANGとは、以下の5つの会社の頭文字です。
Facebook
Amazon
Apple
Netflix
Alphabet(グーグル)
これら5つの会社を1つの国と考えると、時価総額は3兆9,000億ドルで、英国を抜いて世界5位の国になるくらいの力があるというのです(ちなみに10年前は1,000億円だったそうです)。
このFAANGは、私たちの仕事や買い物、ニュースの入手方法や日々の楽しみかたまで、ガラリと変えてしまいました。
そして、次にアメリカのウーバーやエアビーアンドビー、デリバルー、中国のバイドゥ、アリババ、テンセンといった新しいIT企業が次々と台頭しつつあって、世界は本当に変わってしまったとあります。
日本の一流企業が消えてゆく?
この10年の世界の大転換の影響を及ぼしたものの中には、日本の企業は1つも入っていません。
かつて世界を驚かせたSONYやPanasonic、HITACHI、HONDA、TOYOTA、NISSANなどはもう本当に消えてなくなりそうです。
かろうじてTOYOTAが何とか残って戦っているでしょうか。
アメリカで一番売れている乗用車は、テスラという電気自動車です。
テスラは乗用車のみをつくっている(トラックなどはいまのところつくっていません)若い会社で、南アフリカからアメリカに留学したイーロン・マスクという人が創立しました。
イーロン・マスクは、アメリカでは超有名人で、スペースXという民間ロケットの会社も経営しています。
人類の火星移住を目標としていて、新しいアイデアを次々と打ち出しては話題を呼んでいます。
この会社のことが日本でニュースになったのは、ZOZOタウンという会社の元社長で、持っているお金のことや付き合っている女性のことなどでいつも話題になっていた人が、スペースXのロケットに乗ると言ったときでした。
この元社長とイーロン・マスクとは、目標としているものがまったく違いますが、日本ではイーロン・マスクの紹介はほとんどありません。
宇宙開発も芸能ニュースと扱われてしまいました。
世界変革の舞台、アメリカ
この10年ですっかり変わった世界をつくった人たちの多くは、留学や移民でアメリカに渡って新しい価値観を提供したのです。
それだけアメリカでの生活や働きかた、そして、とくに大学・大学院教育に、そういった新しい芽を出すヒントになるものがたくさんあって、チャンスもたくさんあったということです。
当研究所から留学して、アメリカの企業で働いている人もいます。話を聞くと本当に刺激的です。
Amazonの本社でエンジニアとして働いている人が言うには、毎週100人単位で入社してくる、あまりに顔の違う人がいるので、いちいちどこの国の人なんて考えたこともない、会議は始まるまで15分の(会社の内実についての)リーディングタイムがあって、その間に意見・質問などを書き加えないとすぐに会議は終わる。
自分はクリエイティブ・ライティングの能力が不足だと思い知らされた、等々。
これから日本はどこへ向かうのか?
ひるがえって日本はどうでしょうか。
「国」が働きかたを指導する、入学試験のありかたを決める、人手不足だが、「発展途上国の人を安く使えるよう方策を考えるべきで、移民ではない」などと言う。
若い人はみんな美味しいものを食べ、毎日、安全安心で、アルバイトに精を出す。
日本の新聞は、また、生まれる子どもが減ったことを報じています。
ロイターは、環境問題など、これから起きるであろう、人類にとっての怖いことも挙げています。
私はもう年齢が高くなったので、なかなか講演も遠くへ出かけていけませんが、私の話を衝撃的だと思ってくれる人がいるなら、もう少し、出かけていってもいいかなって思っています。
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著者情報:栄 陽子プロフィール
栄 陽子留学研究所所長
留学カウンセラー、国際教育評論家
1971年セントラルミシガン大学大学院の教育学修士課程を修了。帰国後、1972年に日本でアメリカ正規留学専門の留学カウンセリングを立ち上げ、東京、大阪、ボストンにオフィスを開設。これまでに4万人に留学カウンセリングを行い、留学指導では1万人以上の留学を成功させてきた。
近年は、「林先生が驚いた!世界の天才教育 林修のワールドエデュケーション」や「ABEMA 変わる報道番組#アベプラ」などにも出演。
『留学・アメリカ名門大学への道 』『留学・アメリカ大学への道』『留学・アメリカ高校への道』『留学・アメリカ大学院への道』(三修社)、『ハーバード大学はどんな学生を望んでいるのか?(ワニブックスPLUS新書)』、ベストセラー『留学で人生を棒に振る日本人』『子供を“バイリンガル”にしたければ、こう育てなさい!』 (扶桑社)など、網羅的なものから独自の切り口のものまで、留学・国際教育関係の著作は30冊以上。 » 栄陽子の著作物一覧(amazon)
平成5年には、米メリー・ボルドウィン大学理事就任。ティール大学より名誉博士号を授与される。教育分野での功績を称えられ、エンディコット大学栄誉賞、サリバン賞、メダル・オブ・メリット(米工ルマイラ大学)などを受賞。