バイトと勉強の両立はムリ! アメリカのリアルな大学生活

アメリカの大学生は原則アルバイトをしません。できないのです。

アメリカの大学はとても広大なキャンパスをかまえていて、その中に学舎はもちろん、図書館、体育館、劇場、寮、その他あらゆる施設を備えています。

キャンパスの端から端まで歩いても15分や20分かかってしまうのが当たり前で、バスが巡回しているキャンパスも少なくありません。

また都市に出るまで公共の交通機関がありませんので、Uberなどを呼ばなければなりません。

往復にUberを呼んでアルバイトをしても、金銭的にあまり意味をなしません。

アメリカの大学生の1日とは?

朝、キャンパス内の食堂で朝食をとります。

卵やベーコン、ハッシュドポテトにソーセージ、ドーナツやパンケーキは食べ放題、ミルクもジュースもコーヒーもココアも飲み放題で、ちょっとしたホテルの朝食バイキング並みにそろっています。

9時を過ぎたらコンチネンタルといって、卵やソーセージなどはなくなり、ドーナツやパンと飲み物になります。

午前中はたいてい授業があります。

お昼には、また食堂でハンバーガーやホットドッグ、ピザ、スパゲティなど、食べ放題。

午後は授業のない日もあります。授業時間は、1週間にだいたい15~18時間です。午後は、授業以外はスポーツをしたりクラブ活動をしたりします。

勉強熱心な学生は、なるべく早く宿題を済ませようとして図書館にこもります。18時にはまた食堂で夕食です。ミートローフやチキンなどがズラりと並びます。

この頃は寿司を出すところもあるようですが、まぁカリフォルニアロールの類です。

残念ながらラーメンやカレー、トンカツや焼きそばといったものは出ません。ステーキも出ません。

果物はリンゴ、オレンジ、バナナなどが積まれています。サラダはサラダバーがあります。

デザートはデカいケーキにたっぷりのアイスクリーム、すべて食べ放題・飲み放題です(アルコールは出ません)。

夕食が終われば、みんな寮に戻って勉強するか、図書館で勉強します。

気晴らしにキャンパス内のジムやプールで汗を流したり、ネットやテレビを見ることもあるでしょうが、基本的には夜は勉強の時間です。

授業+自習=週に45時間が基準

週末はあちこちで小さなパーティが開かれますが、平日は、もう勉強三昧です。

だいたい1日の授業時間が3時間で、予習復習にその倍はかかるといった具合ですから、24時間のうち9時間はビッシリ勉強、8時間は睡眠、残りの7時間で食事、洗面、シャワー、クラブ活動、スポーツ、というのがアメリカの大学生活です。

授業はディスカッションが中心ですから、予習をして自分の意見を用意しておかなければ、授業に出てもどうしようもありません。

予習すべき内容は、各科目の最初の授業で配布されるシラバス(授業進行表)に細かく記されています。知らなかったでは済まされません。

とにかく勉強に必死なアメリカの大学生

1年度は「9~12月の秋学期」と「1~5月の春学期」からなり、1学期はたったの16週間です。

8週間ごとに中間テスト・期末テストが回ってくるうえに、学期末にはレポートを提出しなければなりません。テスト期間が近づくと、夜中まで寮の灯りは1つも消えません。

2学期続けて70点平均を切ると退学になるアメリカの大学では、どの学生もよい成績をとることに必死です。

成績のよしあしが奨学金や大学院進学、就職に大きく響いてくるからです。

アパートから電車に乗って大学とアルバイトに通うという日本の大学生とは、あまりに違う生活なのです。

それにアメリカでは、留学生はアルバイト禁止です。

そもそも留学生はアルバイトすべきなのか?

じつはアジアの留学生の中には、本当はアメリカに留学したいのだけれど、アルバイトができず、とても金銭的にムリなので、日本に留学するという人がとても多いのです。

いまや日本のコンビニはアジアの留学生でもっていると言われています。レジにもいろいろなアジアの国の人がいます。

日本は、留学生であっても1週間に28時間まで働いてよく、また冬休み・夏休み・春休みなどは無制限に働いてもいいのです。

日本語学校などは春休みが長く、新学期が始まるのが5月ごろというところもあります。

また、日本の大学はあまり勉強しなくても、授業をサボっても問題はありません。

かくして、日本語学校や専門学校、学費が安い大学などは、本当の意味での留学生なのか働きに来ているのか、その目的が定かでないケースも多いのです。

外国人留学生の就職率がよくないということを耳にします。

人手不足なのですから、外国人学生をどんどん採用すべきだと思いますが、留学生なのか働きに来ているのかわからない場合、日本語学校を終えたり大学を終えたりしても、キチンとした勉強をしていないため、正規の職に就くのは厳しいのが現実です。

外国人を実習生としてたくさん入国させることに、いろいろな意見が出ています。

また、これからさらにいろいろな問題が出てくると思いますが、留学生は本来、勉学を目的としているのですから、アルバイトを禁止してキチンと勉強するように方針を変えるべきではないでしょうか。

もっとも、それでは日本に来る留学生の数はドーンと減るでしょう。

すると日本の高等教育はそれだけ魅力がないということになってしまうかもしれませんね。

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著者情報:栄 陽子プロフィール

栄 陽子留学研究所所長
留学カウンセラー、国際教育評論家

1971年セントラルミシガン大学大学院の教育学修士課程を修了。帰国後、1972年に日本でアメリカ正規留学専門の留学カウンセリングを立ち上げ、東京、大阪、ボストンにオフィスを開設。これまでに4万人に留学カウンセリングを行い、留学指導では1万人以上の留学を成功させてきた。
近年は、「林先生が驚いた!世界の天才教育 林修のワールドエデュケーション」や「ABEMA 変わる報道番組#アベプラ」などにも出演。

『留学・アメリカ名門大学への道 』『留学・アメリカ大学への道』『留学・アメリカ高校への道』『留学・アメリカ大学院への道』(三修社)、『ハーバード大学はどんな学生を望んでいるのか?(ワニブックスPLUS新書)』、ベストセラー『留学で人生を棒に振る日本人』『子供を“バイリンガル”にしたければ、こう育てなさい!』 (扶桑社)など、網羅的なものから独自の切り口のものまで、留学・国際教育関係の著作は30冊以上。 » 栄陽子の著作物一覧(amazon)
平成5年には、米メリー・ボルドウィン大学理事就任。ティール大学より名誉博士号を授与される。教育分野での功績を称えられ、エンディコット大学栄誉賞、サリバン賞、メダル・オブ・メリット(米工ルマイラ大学)などを受賞。

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