コロナで話題に。ジョンズ・ホプキンス大学と、感染経路や防御方法の専門「公衆衛生」という分野について

毎日コロナ感染症についてのニュースであふれています。

世界のコロナ感染者の数やアメリカのコロナ感染者の数を発表しているのは、ジョンズ・ホプキンス大学(Johns Hopkins University)というアメリカの大学です。

ハーバード大学に匹敵する名門ですが、どちらかというと研究中心型で、大学院として始まっているせいか、アイビーリーグの中には入っていません。

アメリカではHidden Ivy(隠れたアイビー)なんて言われています。

ジョンズ・ホプキンス大学のキャンパス

ジョンズ・ホプキンス大学が開拓した「公衆衛生」という分野

医学を中心に始まり、公衆衛生(Public Health)の分野を初めて開拓した大学で、大学の近くにある国立衛生研究所と共にさまざまな研究をしていて、この分野ではダントツで世界一です。

ほかにも音楽や国際関係学で世界的に有名です。

Public Healthは、アメリカでは大学院レベルでしか学べません。

WHOに象徴されるように、Public Healthは医学の中でも大変重要な分野ですが、日本では公衆衛生と訳されていて、なんだか公衆浴場みたいなイメージとゴチャゴチャになりそうで、大変重要な分野だと認識されていない気がします。

当研究所には、医師や看護師のかたがこの分野の大学院に留学したいと相談に見えます。

今回のコロナ感染症のことで、ジョンズ・ホプキンス大学の名前も、ずいぶん日本で知られるようになったと思います。

コロナと公衆衛生

今回のコロナ騒動では、感染症のお医者さんたちがメディアに出てきて、8割減らすの、ニューヨークみたいになるだの、いろいろ「脅しかしら」と思うような意見をいっぱい言っていましたが、このPublic Healthで学位をもっている人は見かけませんでした。

医師は治療や治療方法を考える人で、感染経路や防御方法などはPublic Healthの専門家がもっと前面に出てきて考えるべきだと思いますが、WHOもあの変なエジプト人が出てきて、トップの不手際でなんとなく世界の信頼を失いましたから、Public Healthという分野が日本で注目されることは、残念ながらあまりありませんでした。

アメリカには、Public Healthの修士または博士を授与する大学院が約270校あります。ハーバードもその分野では有名です。

活躍が望まれる公衆衛生の専門家

コロナ感染症については、病気になるメカニズムや経路、またコロナを撃退できる遺伝子(一部の人がもっている)など、いろいろなことが解明されてきて、治療薬も、ワクチンも、あと1歩というところまで来ているようです。

日本人はもともと靴を脱いで生活する、よく手を洗う、お風呂によく入る、うがいをする、マスクをする、など、公衆衛生の面からすると、とても模範的な国民だと思います。

公衆衛生の分野で世界に活躍する人がもっと出てもいいと思われますが、日本には公衆衛生を専門にする大学院は19校(公衆衛生大学院とプログラム校)しかありません。

9月の新学期を目前に、アメリカの大学は?

さて9月に向けて、アメリカの大学は準備に大騒ぎです。ジョンズ・ホプキンスやハーバードなど、大規模で都会にある大学は、とても、キャンパスをオープンできません。

また、有名な先生や名誉教授は歳をとっている人が多いので、大勢の学生の前に立たせるのはとても危険です。

したがってほとんどがオンライン授業一色です。

すでにビザをもっている人は、オンラインのみの授業でも、アメリカに滞在することができますが、新しくビザを申請する人は、学生ビザを発行してもらえません。

アメリカ全体で留学生はずいぶん減ると思われます。

田舎の小規模な大学では、大規模大学ほど財政が豊かではありません。

また都会ほどコロナ感染症も流行っていませんので、キャンパスをオープンすることに熱心です。当研究所の学生も、8月に入って少しずつ出発しています。

寮の一隅を隔離部屋にしていて、14日間経って途中でPCR検査もして、それから授業に参加します。

はてさて、9月になって学生がたくさん集まって、コロナ感染症が流行らなければいいのですが……。

苦難のときこそ、新しいアイデアのチャンス

そこまでして留学することもないじゃないか、ということもありますが、半年も1年もかけて準備してきたことですし、日本にいてステイホームしているのも若い人たちにとって苦痛なことです。

幸い、研究所の周りにはだれもコロナ感染症にかかっている人はおらず、みんな考えかたが前向きで希望にあふれています。

もし学校が閉鎖になっても、次の方法を共に考えたいと思います。

それに各大学も本当に一生懸命、みんな生きのびてちゃんと勉強ができるよう考え、工夫をしているのです。アメリカのことです。

エーッこんな方法もあるのか、なんて工夫が見つかるかもしれません。

期待をもち続けましょう。

ジョンズ・ホプキンス大学
住所:3400 North Charles Street, Baltimore, MD
WEBサイト:https://www.jhu.edu/
大学生数:約6,000人
大学院生数:約20,000人

1876年創立。ドイツの大学をモデルとし、世界で初めて大学院教育で博士号(Doctor of Philosophy)を授与した名門私立総合大学。大学院中心の研究機関として生まれたこの大学は、もともとリベラルアーツ・カレッジだったハーバードやイェールが総合大学に発展したきかっけとなった。公衆衛生学の分野を大学院課程として設けた全米最初の大学でもある。Peabody Instituteという音楽院や、School of Advanced International Studies(SAIS)での国際関係学も有名。SAISは、1年と2年のコースがあって、1年の修士課程が人気。
詳しくはこちら→https://www.ryugaku.ne.jp/search/data?scid=2400120

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著者情報:栄 陽子プロフィール

栄 陽子留学研究所所長
留学カウンセラー、国際教育評論家

1971年セントラルミシガン大学大学院の教育学修士課程を修了。帰国後、1972年に日本でアメリカ正規留学専門の留学カウンセリングを立ち上げ、東京、大阪、ボストンにオフィスを開設。これまでに4万人に留学カウンセリングを行い、留学指導では1万人以上の留学を成功させてきた。
近年は、「林先生が驚いた!世界の天才教育 林修のワールドエデュケーション」や「ABEMA 変わる報道番組#アベプラ」などにも出演。

『留学・アメリカ名門大学への道 』『留学・アメリカ大学への道』『留学・アメリカ高校への道』『留学・アメリカ大学院への道』(三修社)、『ハーバード大学はどんな学生を望んでいるのか?(ワニブックスPLUS新書)』、ベストセラー『留学で人生を棒に振る日本人』『子供を“バイリンガル”にしたければ、こう育てなさい!』 (扶桑社)など、網羅的なものから独自の切り口のものまで、留学・国際教育関係の著作は30冊以上。 » 栄陽子の著作物一覧(amazon)
平成5年には、米メリー・ボルドウィン大学理事就任。ティール大学より名誉博士号を授与される。教育分野での功績を称えられ、エンディコット大学栄誉賞、サリバン賞、メダル・オブ・メリット(米工ルマイラ大学)などを受賞。

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