大学で時間を過ごすのはムダ!? 未来の大学教育を予想する

四年制大学が三年制に?

「アメリカの大学教育の今後の見通し」について、ボストンのとあるコンサルタント会社が発表しました。

それによると、アメリカの四年制大学が三年制に変わる可能性が高いというのです。

なかなか興味深い話ではありませんか。

すでにニューヨーク大学(NYU)のビジネス専攻の学生たちの25%は、3年または3年半で卒業しているといいます。

大学生活=大人になる準備

アメリカでは、「寮生活」が大学教育の大きな基礎となっています。

4年間の学生生活を通じて、他学生と寝食を共にし、人間関係の複雑さを学び、勉学やスポーツ、さまざまなクラブ活動をしながら、大人として社会へ出る準備をするのです。

大学時代は、親離れ・子離れの時期でもあります。

青春を共に過ごした友情や愛学心も、とても強いものがあります。

日本の大学生のように親元やアパートから通学して、アルバイトをしたり早くから就活したりということもありません。

アメリカの大学は、複数の分野を専攻したり、途中で専攻を変えたりすることも可能です。

いろいろな分野を学びながら、4年どころか5年かかって卒業する人もいます。

単位取得のペースで在学期間が決まる

基本的には、四年制大学を4年間で卒業し、学士号(Bachelor’s Degree)を取得するのですが、もともとアメリカの大学は「単位制」ですので、必要な単位を満たせば卒業です。

学年も単位数で区切っています。

またアメリカの大学の入学時期は、9月だけではなく、1月もあります。

他大学の単位を移行して編入する学生もたくさんいます。

したがって日本のように、4月に1年生がそろって入学して、大学が全員一律の指導を行って就活の指導をして、全員一緒に卒業する、ということはありません。

アメリカの各大学は「卒業率」を公表していますが、これは「入学して6年以内」の卒業率です。

ちなみにハーバード大学は98%、UCLAは90%です。

高校時代にアメリカの大学の単位をとる

さて、アメリカでは大学の学費があまりに高くなってきているため、親の負担も本人の抱えるローンも大変で、大きな社会問題になっています。

また、AIの発達で、世の中の動きがとても早く、学んだことがすぐに時代遅れになっています。

できるだけ早く大学教育を切り上げる、というのも得策かもしれません。

もともとアメリカには飛び級という制度がありますが、高校にAP(Advanced Placement)というクラスがあります。

よくできる生徒たちが受ける、ちょっとレベルの高いクラスです。このクラスをとって、テストでいい点数をとると、大学で単位として認めてくれます。

また、最近はオンラインで大学のさまざまな授業を受けられます。

また、オンラインで勉強してAPのテストだけ受ければいいという方法もあれば、大学の授業を高校生のうちにオンラインでとることも可能です。

高校から大学に進学するまでに1年間休む(「ギャップイヤー」といいます)なんていう考えかたもあって、その間にオンラインで大学の授業をとることもできます。

日本にいながら留学費用を節約する方法

アメリカの大学の学費があまりに高いため、当研究所では、日本の文部科学省が認可している「放送大学」で単位を取得することを留学生たちに勧めています。

放送大学は、まさにアメリカのAPクラスやオンライン授業に代わるものです。

放送大学の単位は、アメリカのどの大学でも認めてくれます。

放送大学で1年分の単位をとれば、アメリカの大学は3年で、2年分をとれば2年で卒業することが可能です。

それだけ、留学費用を節約することができます。

放送大学の学費は、1年(約30単位)20万円ほどで、とても安いものです。

また、通信教育(テレビ、オンライン、ラジオなど)ですから、受講しながらアルバイトをしてお金を稼ぐこともできます。

当研究所では、よく自動車工場などで働く期間工を勧めています。1か月で25万円は貯めることができるからです。

日本の大学は、放送大学の単位を認めるなんてことはありません。

そもそも放送大学の存在すら知らない人がほとんどで、カウンセリングでその話をすると、「それ何?」という反応が多いのです。

ましてや期間工などというと、「大学にも行かないで肉体労働するなんて一体何なの?」みたいな反応になります。

人類は焦っているのか?

なんだか話がどんどん逸れてしまいましたが、これからのアメリカでは、大学を早く終えて、社会に出たり大学院に進学したりする人が増える可能性はありますねぇ。

それに最近、アメリカの大学院はどんどんオンラインの授業を展開しています。

いつでもとれるし、働きながらもできますからねぇ。

ITだのAIだのと言っても、そのおかげで人間はどんどん忙しくなって、1年をゆっくり、それぞれの季節を楽しむなんてことはなくなって、「早く早く」「お金お金」みたいな世の中になっているような気がしますがねぇ。

何か怖いですねぇ。

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著者情報:栄 陽子プロフィール

栄 陽子留学研究所所長
留学カウンセラー、国際教育評論家

1971年セントラルミシガン大学大学院の教育学修士課程を修了。帰国後、1972年に日本でアメリカ正規留学専門の留学カウンセリングを立ち上げ、東京、大阪、ボストンにオフィスを開設。これまでに4万人に留学カウンセリングを行い、留学指導では1万人以上の留学を成功させてきた。
近年は、「林先生が驚いた!世界の天才教育 林修のワールドエデュケーション」や「ABEMA 変わる報道番組#アベプラ」などにも出演。

『留学・アメリカ名門大学への道 』『留学・アメリカ大学への道』『留学・アメリカ高校への道』『留学・アメリカ大学院への道』(三修社)、『ハーバード大学はどんな学生を望んでいるのか?(ワニブックスPLUS新書)』、ベストセラー『留学で人生を棒に振る日本人』『子供を“バイリンガル”にしたければ、こう育てなさい!』 (扶桑社)など、網羅的なものから独自の切り口のものまで、留学・国際教育関係の著作は30冊以上。 » 栄陽子の著作物一覧(amazon)
平成5年には、米メリー・ボルドウィン大学理事就任。ティール大学より名誉博士号を授与される。教育分野での功績を称えられ、エンディコット大学栄誉賞、サリバン賞、メダル・オブ・メリット(米工ルマイラ大学)などを受賞。

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