ある母の生きざま:娘が留学、自分も大学院留学、そして留学カウンセラーに!

栄 陽子留学研究所のスタッフの1人、Iさんが、とうとう教育学修士の学位を取得しました。

アメリカの大学院の教育学課程、みごとに卒業です。

娘の留学先の学校リストを自ら作成

Iさんはいまから10年くらい前に、一人娘の留学のことで当研究所へ相談に来た人です。

娘さんをアメリカのボーディングスクール(寮制の高校)に入学させたいという希望でした。

留学準備が進んでいく中で、「先生、こういう学校はどうでしょう」などと言って、学校リストを自ら作成してくるような、しっかりしたお母さんでした(娘さんはうっとうしいと思っていたようですが……)。

私はリストを見て感心し、「すごくいいじゃない。このリストはもらっておくわ」と言って、ずいぶん参考にしたものです。

娘さんはアメリカの東部にあるボーディングスクールに入学し、Iさんをハラハラさせながらも卒業しました。

その後、アメリカの大学に進学、卒業して日本の企業に就職、転勤で家を出ました。

SAKAEで仕事ありませんか?

娘さんがアメリカの大学に在学中、「なんとか子どもの教育は一段落した」と考えたIさんは、主婦をやめてパートタイムの仕事を得ましたが、もともと国立大学を出てバリバリのキャリアウーマンだったIさんにとって、退屈きわまりない仕事だったようです。

娘さんが留学中、当研究所のカウンセラーともときどき連絡をとっていましたが、あるとき「SAKAEで何かやらせてもらえる仕事ありませんか?」と冗談半分に聞いたそうです。

そのカウンセラーが私にその話をしたとき、「あぁ、あのしっかりと学校リストをつくってきたお母さんか」と思い出し、ちょうど受付のスタッフが必要だったので、「受付でよければ」と返事をしました。

Iさんは能力のある人ですから、受付どころか、さまざまな場面で能力を発揮し始めました。

親の立場としての経験もありますから、保護者からの相談にも乗れるのです。

事務的な仕事・電話対応・カウンセラーのヘルプなどをやっているうちに、娘さんは卒業・就職し、Iさんも本当にホッとしたようでした。

そして自分自身が大学院へ留学

そして思いもかけない言葉を彼女から聞かされたのです。

それは「本物のカウンセラーになりたいから、自分自身がアメリカの大学院に留学したい」というものでした!

本当に世の中っていろいろなことがあるのです。

Iさんはご夫婦とも国立大学を出て、エリートサラリーマンです。

子どもができたので主婦になり、娘さんを留学させ、一人前に育てました。

その間、ご主人は順調に出世を続けています。金銭的にも、日本社会の一女性の立場としても、立派なものです。

これ以上、苦労を買って出る必要があるでしょうか。

現地+オンライン=2年で修士号を取得

ペンシルバニア州にある、州立大学大学院の教育学課程に入学した彼女は、2017年9月に日本を出発しました。

卒業に必要な単位数は33単位です。

寮に入った彼女は猛烈に勉強を始めました。

2017年9月〜12月(秋学期): 4クラス(12単位)
冬休みにちょっと帰国
2018年1月〜5月(春学期): 4クラス(12単位)
2018年5月にはサッサと帰国し、以降はすべてオンラインで授業を受けます。
2018年9月〜12月: 1クラス(3単位)
2019年1月〜5月: 1クラス(3単位)
2019年の夏: 1クラス(3単位)

オンラインで授業を受けている間は、当研究所で週に4日、働きました(週に1日はオンラインの授業を家で受けなければなりません)。

そして今年の8月に無事、すべてのクラスを修了したのです。秋になって、大学から修士号の学位証書が送られてきました。

なんとめでたい、なんたるがんばり。

オンラインを組み合わせれば留学費用を節約できる

最近は、アメリカの教育、とくに大学院はオンラインの授業が多く、1年(実質9か月)はアメリカに行って、あとは日本で受講するということが可能です。

最初からアメリカの授業をオンラインでとるのは語学のハンデもあってとてもむずかしいのですが、9か月間の渡米でも、その経験はとても大きな力になります。

残りのクラスは単位ごとに学費を支払いますから、費用的にも節約できます。

アメリカでは、フルタイム学生とパートタイム学生という区分があって、パートタイムの学生は1単位ずつ学費を支払います。

私たち留学生は、「勉強に専念する」ということで学生ビザを得ますので、フルタイムの学生でなければなりません。

フルタイムの場合は、学期ごとに学費を支払います。もちろん寮費や食費、保険などさまざまな費用もかかります。

オンラインで授業をとる場合、アメリカにいる必要がないので、学生ビザも要りません。

パートタイム学生として1単位につきいくら、というかたちで学費を支払えばOKです。

Iさんは、アメリカで1年学び、日本で働きながら1年学んで、修士号を手にしたのです。

ボーディングスクール・大学・大学院への留学の知識・経験があり、親の立場と留学生本人の立場としての経験もある、まさに完璧な留学カウンセラーではありませんか。

SAKAEのカウンセラーは全員、当研究所から留学した人たちですが、47年目にして、このような新たなカウンセラーが誕生しました。長く続けるものです。いやーめでたい、めでたい。

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著者情報:栄 陽子プロフィール

栄 陽子留学研究所所長
留学カウンセラー、国際教育評論家

1971年セントラルミシガン大学大学院の教育学修士課程を修了。帰国後、1972年に日本でアメリカ正規留学専門の留学カウンセリングを立ち上げ、東京、大阪、ボストンにオフィスを開設。これまでに4万人に留学カウンセリングを行い、留学指導では1万人以上の留学を成功させてきた。
近年は、「林先生が驚いた!世界の天才教育 林修のワールドエデュケーション」や「ABEMA 変わる報道番組#アベプラ」などにも出演。

『留学・アメリカ名門大学への道 』『留学・アメリカ大学への道』『留学・アメリカ高校への道』『留学・アメリカ大学院への道』(三修社)、『ハーバード大学はどんな学生を望んでいるのか?(ワニブックスPLUS新書)』、ベストセラー『留学で人生を棒に振る日本人』『子供を“バイリンガル”にしたければ、こう育てなさい!』 (扶桑社)など、網羅的なものから独自の切り口のものまで、留学・国際教育関係の著作は30冊以上。 » 栄陽子の著作物一覧(amazon)
平成5年には、米メリー・ボルドウィン大学理事就任。ティール大学より名誉博士号を授与される。教育分野での功績を称えられ、エンディコット大学栄誉賞、サリバン賞、メダル・オブ・メリット(米工ルマイラ大学)などを受賞。

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