大学選びのポイント

4,000以上もあるアメリカの大学の中から自分に適した大学を探し出すのはなかなかたいへんな作業です。とくに留学生の場合は、渡米してキャンパスを見学することも簡単にはできませんので、志望校選びは、じっくり時間をかけて、慎重にすべきであることはいうまでもありません。ここでは、志望校選びの手がかりとなるいくつかのポイントを紹介します。

ポイント1:大学の種類

アメリカの大学の種類」で解説しているように、アメリカの大学はリベラルアーツ・カレッジや総合大学、芸術大学など、いくつかの種類に分類されます。これらの特徴を踏まえて、希望する大学の種類を検討します。

また共学か別学か、というのも考慮したいポイントです。男子大学というのはあまりありませんが、アメリカには約50の女子大があり、そのほとんどがリベラルアーツ・カレッジです。女子大では、学生同士のきずなが強く、お互いを助けあい、刺激しあう環境がつくられています。とくにリーダーシップをはぐくむことに力を入れているのが女子大の特徴で、たくさんの卒業生が政界や財界、芸術の分野などでリーダーとして活躍しています。

州立か私立か、ということについては、リベラルアーツ・カレッジのほとんどが私立ですし、アメリカの大学の歴史は私立大学からスタートしましたので、「良質の大学は私立に多い」というのがアメリカでは常識になっています。州立大学は州の税金で運営されていますから、基本的には州民を優先します。州立の大学のメリットは学費が安いことですが、州民と州外出身者とでは学費が大きくことなります。州外出身者は、州民に比べて数倍に高い学費を支払わなければなりません。

ポイント2:大学の規模

大学の規模とは通常、在学生数のことをいいます。アメリカには在学生が1,000人に満たない大学から3万人を超えるマンモス大学まであります。一般的にいって、Universityと名の付く総合大学は規模が大きく、リベラルアーツ・カレッジをはじめCollegeと名の付く大学は小規模です。マンモス大学のほとんどは州立大学で、アイビーリーグをはじめ私立の名門大学の学生数は4,000~8,000人くらいです。

大規模大学と小規模大学は、それぞれに以下のようなメリットとデメリットがあります。

大規模大学のメリット

  • 専攻学科や科目の数と種類が多い
  • 図書館やスポーツ施設などが充実している
  • 留学生を含めて学生のバックグラウンドが多様である(とくに私立の場合)
  • スポーツに力を入れていて、全米レベルの選手権も行われる

大規模大学のデメリット

  • 1クラスの学生数が多い
  • 一般教養科目は教授ではなくTA(大学院生の助手)が教えることがある
  • 教授と接する機会が少ない
  • 個人指導が期待できない
  • 大学院生の教育・研究に重点が置かれている
  • 課外活動でリーダーシップをとれる機会が少ない
  • 親しい友達ができにくい

小規模大学のメリット

  • 1クラスの学生数が少ない
  • 一般教養科目でも教授が熱心に教えてくれる
  • 教授やアドバイザーと親しくなれる
  • 個々の学生が自分の能力やペースにあわせて学習でき、独自なリサーチや実験に取り組める
  • 課外活動で活躍できる機会が多い
  • キャンパスの雰囲気がフレンドリーで、友達もつくりやすい

小規模大学のデメリット

  • 専攻学科や科目の数や種類、教授の数が少ない
  • 設備が大規模大学に比べて劣る
  • スポーツにあまり力を入れていない

こうしてみると、大規模大学のメリットをそのままひっくり返したのが小規模大学のデメリットであり、大規模大学のデメリットの反対が、小規模大学のメリットであることがわかります。

規模の大小だけでは大学の優劣を決めることはできませんが、アメリカでは一般的に「大学は小規模で」「大学院は大規模で」というのが望ましいとされています。また「教育」に力を入れているのが小規模大学で、「大学院レベルの研究」に力を入れているのが大規模大学である、というのも一般的な傾向です。

留学生にとって、親身でていねいな指導とサポートを得られることは、留学生活を乗り切るためにとても大事なことです。大規模大学はこのような指導とサポートを得られにくく、よほどの英語力と行動力がなければ、落ちこぼれかねません。強い自信があって「あえて厳しい環境に自分を置きたい」というのでなければ、日本の高校を卒業してアメリカの大学に留学する場合には、まずは小さな大学に行くことを検討するのがよいでしょう。

ポイント3:地域

国土が日本の25倍もあるアメリカは、東部と西部、北部と南部では気候はもちろん、歴史的成り立ちも違いますし、そこに住む人の気質にも差異があります。

教育レベルが高いのは東部から北東部です。とくにニューイングランド地方(コネチカット州、メイン州、マサチューセッツ州、ニューハンプシャー州、ロードアイランド州、バーモント州)には、伝統ある名門大学が集まっています。マサチューセッツ州のボストンは、アメリカの教育の中心地です。地域的な希望がとくにないのであれば、まずはニューイングランド地方とその周辺の大学を見ていくとよいでしょう。

国の歴史と足並みをそろえるように東から西へと展開していったアメリカの大学のうち、西部の大学は一般的にいって、私立よりも州立のほうがよく整っています。これは東部の大学のありかたと比べると大きく異なる特徴です。東からゴールドラッシュでやってきた人々だけでなく、中南米から北上してきた人々、そして太平洋を渡ってきた移民など、さまざまなバックグラウンドや教育レベルに応じて、すべての人が社会人としての最低限の教養と技術を身につけられるように門戸を開いたのが州立大学です。西部全体で見ると、カリフォルニア州を筆頭に太平洋に面したオレゴン州とワシントン州は、他の州に比べて教育レベルが高いといえますが、留学生に対しては主として語学教育に力を注いでいるという面もあります。

ポイント4:立地

立地とは、キャンパスが都会にあるか、郊外か、田舎かということです。アメリカの国土のほとんどは田舎ですし、「大学では寮生活を通じて親離れをする」ことが重要だと考えられているアメリカでは、たくさんの大学が都会の喧騒から離れた小さな田園町にキャンパスをかまえています。地域コミュニティの交流拠点として機能している大学も少なくありません。落ち着いて勉強に励み、学友たちと生活を共にし、自然を満喫する、それがアメリカの典型的な大学生活です。

一方でアート系を専攻する人にとっては、都会にある美術館やシアター、コンサートホールは大きな魅力です。芸術系・音楽系の専門大学の多くは、大都市にあるか、都市へのアクセスが便利なところにあります。

ポイント5:カリキュラム

カリキュラムについて大学を比較検討するにあたっては、

  • 一般教養課程
  • 学期制(2学期制/3学期制/4学期制)
  • 専攻課程

について調べます。アメリカの高校生の7割以上が、大学入学の時点で専攻を決めていませんので、専攻を決められないことを心配する必要はまったくありません。大学に入っていろいろな科目をとりながら、自らの方向性を探していけばよいのです。

カリキュラムだけで志望校を選別するのはなかなかむずかしいことですので、アメリカの大学の教育システムについて慣れ親しめばよいという気持ちでカリキュラムを調べるとよいでしょう。

ポイント6:難易度

アメリカには偏差値というものがありませんので、大学の難易度を見きわめるのは簡単なことではありません。

  • 入学生のSAT®スコアの平均
  • 入学生の高校の成績(GPA)の平均
  • 合格率
  • 要求されるTOEFL®テストのスコア

これらが指標とはなりますが、アメリカの大学はある一つの要素だけで合否を決めることはありません。とくに私立大学ではテストスコアやGPAといった数字「以外」の要素も重視します。難易度については実際に出願するまではそれほど気にしなくてもよいでしょう。

栄 陽子留学研究所では、独自の視点と研究に基づいて、アメリカの四年制大学の難易度を評価しています。詳しくは「アメリカ大学ランキング」を参照してください。

ポイント7:費用

アメリカの大学の1年度の学費は、私立大学で25,000~45,000ドル、州立大学は15,000~35,000ドルくらいです。学費の上限を決めて、それを上回る学費の大学は対象からはずす、という考えかたもありますが、どうしても行きたいという大学には、学費にかかわらず出願したほうがいいでしょう。奨学金を得られるかもしれませんし、合格校がそろった時点で、行くか行かないかを決めても遅くはありません。

» 留学費用について

ポイント8:在学生のプロフィール

在学生のプロフィールとは、

  • 男女比
  • 人種構成
  • 留学生の割合
  • 学生の出身地域
  • Full-time Studentsの割合

などを指します。

このうち人種構成は日本ではなじみが薄いかもしれませんが、「多様性」を重視し、学生の多様化に取り組んでいるアメリカの大学は人種ごとの在学生の割合を公表しています。南部や西部には、ある特定の人種への教育に力を入れているところがあります。都会の大学ほどマイノリティ(白人以外)の割合が高いというのも一般的な傾向です。

Full-time Studentsというのは、その大学の「学生であることを本分とする学生」のことです。これに対して、働きながら通学し、いくつかの科目と単位だけをとっている学生のことを“Part-time Students”といいます。留学生がめざしたいのは、Full-timeの学生が多い大学です。Part-timeの学生が多い大学では、働きながら通っている人が多く、寮が整っていないこともしばしばあって、また学生の年齢層も高いので、高校を卒業したばかりの人には溶け込みにくいでしょう。



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