4. 大学留学を成功させるサバイバル・スキルとは?
では、もう少し具体的に、英語力不足でも大学留学を乗り切るためのコツを述べてみましょう。
4-1. サポートシステムを活用しよう
アメリカの大学では、学生への学習サポートがとてもよく整っています。先生も親切で話しやすく、みんな指導熱心です。とくに留学生のためのサポートをしてくれる専門のオフィスも、たいていどこの大学にもあります。
こうしたサポートを積極的に活用することは、英語力不足をカバーして留学を成功させるために不可欠です。前向きに勉強に取り組んでいる姿勢を先生にアピールすることにもなります。
大事なのは自分からサポートを求めていくことです。黙っていると、「あぁこの学生はサポートを必要としていないのだな」と思われます。言わなくてもわかってくれるはず、というのは日本ではともかく、アメリカでは通用しません。留学中は、恥ずかしがらずに、わからないことがあれば素直に助けを求めましょう。
4-2. 留学に役立つ知識を日本語で得よう
アメリカの大学の授業についていくためには、その授業の予備知識を日本語で得ておくのも有効です。
日本語でもわからないことを、突然英語で習い、話したり考えたりするのはたいへんなことです。
たとえば、経済の知識がまったくない人が、英語でマクロ経済学の授業を受けてもなかなか理解できません。でも前もって、日本語でマクロ経済学や経済用語について知っておけば、英語での授業も頭に入りやすくなります。
4-3. 「予習中心」で英語のハンデをカバーしよう
アメリカの大学では、各科目の最初の授業で「シラバス」という授業進行表が配られます。最近では日本の大学にもシラバスが浸透してきましたね。
このシラバスには、
- 授業の目的
- 教科書
- 教授のオフィスアワー(アポなしで教授に会える時間)
- 授業スケジュール
- 宿題(予習の内容)
- テスト
- 成績のつけかた
など、その科目について知っておくべきことがすべて書かれています。授業の事前準備がしやすいシステムになっているのです。
授業では、このシラバスにしたがって予習した内容をもとにして、ディスカッションが行われます。きちんと予習して、その内容を理解し、それに対する意見をあらかじめ準備しておけば、ディスカッションでも発言でき、それが成績評価に結びつきます。
4-4. 大学留学の予行演習をしよう
じつはアメリカの大学の授業の予習は、日本でもすることができます。
というのも、アメリカの各大学のWEBサイト(Academic Catalog)には、カリキュラムの内容が書かれているからです。このWEBサイトをよく読めば、卒業までにどのような科目をとるのか、あらかじめ予想することができます。
さらにWEBサイトには、各科目の概要や、場合によってはシラバスも載っています。これらについて、日本語で基礎知識をつけておくと、実際に留学したときにとても役に立ちます。
WEBサイトを読みこむことは、いわば留学生活の予行演習をするようなものです。実際にキャンパスに到着してから、どんなことが待ちかまえているのか、いつまでに何をしなければならないのか、そうしたことをシミュレーションできます。
最初の学期でとるだろう科目についてもある程度は予測できますから、留学する前にどのような準備をすべきか、日本語で知識を得ておくべきことは何なのか、といったことも見当がつけられ、留学する「前」にすでに予習ができることになるのです。WEBサイトを読みこむこと自体が、英語のよい学習にもなります。