ニューヨーク、と聞いてみなさんはどんなイメージを抱きますか? マンハッタンの摩天楼、ブロードウェイ、自由の女神、ウォール街などを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。
じつはこれらはすべて、ニューヨーク「市」にあるものです。「州」としてのニューヨークは、北海道の1.7倍ほどの面積があり、自然も豊かです。
ニューヨーク州には魅力的な大学がたくさんあります。留学先としてもぜひ検討したい州です。このページでは、ニューヨーク州の大学に留学することの魅力をお話ししたいと思います。このエリアに興味をおもちのかたは、ぜひ参考にしてください!
もくじ
1.ニューヨーク州とは
2.ニューヨーク州の大学に留学する魅力
3.ニューヨーク州の州立・市立大学
3-1.ニューヨーク州立大学(SUNY)
3-2.ニューヨーク市立大学(CUNY)
4.ニューヨーク州の私立総合大学
4-1.コロンビア大学
4-2.コーネル大学
4-3.ニューヨーク大学
5.ニューヨーク州のリベラルアーツ・カレッジ
5-1.コルゲート大学
5-2.バーナード・カレッジ
5-3.ヴァッサー・カレッジ
5-4.ハミルトン・カレッジ
6.「ニューヨーク留学」で気をつけたいこと
ニューヨークの大学に留学することの魅力とは?
1. ニューヨーク州とは
ニューヨーク州(New York State)は、アメリカ北東部にあり、北はカナダに接しています。
私たちがニューヨークと聞いて思い浮かべるマンハッタンは、州の南東部にあって、ブルックリンやブロンクスなどと合わせて「ニューヨーク市(New York City)」を形成しています。観光旅行先としてのニューヨークは、ほぼニューヨーク市を指すといっていいでしょう。
ニューヨーク市はアメリカ最大の都市です。国連本部、ウォール街といった政治・経済の舞台であるとともに、ブロードウェイに代表されるエンターテインメントのメッカでもあります。美術館やライブハウスも充実していて、アメリカのアートシーンを引っぱっています。スポーツもとても盛んです。
ニューヨーク市を離れると、豊かな自然があふれています。およそ「ニューヨーク」のイメージとはかけはなれた田園や森林、山々が州の大半を占めています。ナイアガラの滝もこの州とカナダにまたがっています。ニューヨーク州はじつは、酪農が盛んな州でもあります。意外でしょう?
2. ニューヨーク州の大学に留学する魅力
留学先としてのニューヨーク州の魅力は、ずばり「多様性」にあります。
まずロケーションの多様性。マンハッタンに代表される世界有数の大都市もあれば、中・小都市、静かな田園、落ち着いた学園街もあり、1つの特徴ではくくれない、さまざまな学習環境が、ニューヨーク州にはそろっています。
そして人種・国籍の多様性。昔からニューヨークは移民のメッカでした。自由の女神はヨーロッパからの移民にとって、まさに自由と希望の象徴だったのです。いまでもニューヨーク州民の人種構成はバラエティに富んでいます。外国人もたくさん住んでいます。
もう1つ、大学の多様性。州立・私立を問わず、また大規模・小規模を問わず、じつにさまざまな大学が門戸を開いています。個々の大学については後述します。
こうした多様性が、ニューヨークにダイナミズムをもたらしています。留学する側からしてみれば、選択肢が豊富にあるというメリットにもつながりますね。
3. ニューヨーク州の州立・市立大学
それでは、ニューヨーク州の大学について見ていきましょう。初めに、州立大学と市立大学を紹介します。
3-1. ニューヨーク州立大学(SUNY)
まずは、ニューヨーク州立大学。英語ではState University of New York、略してSUNY(スーニー)といいます。ニューヨーク州に64ものキャンパスがあり、州立大学のシステムとしては全米最大です。それぞれのキャンパスはほぼ独立して運営されています。最近ではオンラインの科目も充実していて、忙しい社会人のニーズに応えています。
2021年度は大学生・大学院生あわせて37万人もの学生が在籍していました。州立ですので、基本的には州民優先ですが、学生の5%ほどは留学生です。キャンパスによっては、留学生にも返済不要の奨学金を出してくれます。
SUNYの中では、ジェネシオ校(SUNY Geneseo)、ニューパルツ校(SUNY New Paltz)、ストーニーブルック校(Stony Brook University)のほか、ファッション専門のFashion Institute of Technology(FIT)などがよく知られています。
3-2. ニューヨーク市立大学(CUNY)
ニューヨーク市立大学は、ニューヨーク市が運営する大学で、市内に25のキャンパスをもっています。英語ではCity University of New York、略してCUNY(クーニー)といいます。
何しろニューヨーク市内にあるのですから、いずれも「都市型」の大学です。そして基本的にはニューヨーク市民を対象としているので、寮が整っていない大学もあります。成人教育に力を入れていて、学生の平均年齢が高いのも特徴です。ともかくニューヨーク市民の高等教育・生涯教育の大きな一翼を担っていることは間違いありません。
4. ニューヨーク州の私立総合大学
次に、ニューヨーク州の代表的な私立総合大学を紹介しましょう。この州には名門大学がズラリとそろっているのですが、とくに名が知られた3大学に絞って述べたいと思います。
4-1. コロンビア大学
コロンビア大学(Columbia University)は、名門大学8校から成るグループ「アイビーリーグ」に属する、「超」一流大学です。そのレベルは、ハーバード大学やスタンフォード大学にも劣りません。合格率は約6%に過ぎず、合格するのは至難の技です。
キャンパスはマンハッタンにあります。キャンパス自体はいかにも名門大学らしい荘厳さが感じられますが、1歩外に出ればマンハッタンの喧騒に囲まれます。とてもユニークな立地です。
前アメリカ大統領のバラク・オバマ氏はコロンビア大を卒業しました。ほかにも数多くの逸材を世界に送り出しています。
4-2. コーネル大学
コーネル大学(Cornell University)もまた、アイビーリーグの1校です。アイビーリーグ大を複数抱える州は、じつはニューヨーク州だけなんですね。
その美しいキャンパスはイサカという町にあり、近隣のイサカ大学(Ithaca College)と合わせて、この町を全米有数の学生街につくりあげています。ちなみにマンハッタンまでは車で4時間ほどです。
あらゆる分野で全米トップレベルのカリキュラムを設けていますが、とくにホテル&レストラン経営学は有名です。工学や農学、建築学の分野にも定評があります。アイビーリーグの中では最も規模の大きな大学です。
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4-3. ニューヨーク大学
ニューヨーク大学(New York University)は、マンハッタンにある都市型の大学です。いわゆる「キャンパス」の敷地はなく、グリニッジ・ビレッジ(マンハッタンの文化の中心地)のあちこちにビルが建っています。私立大学としては全米最大級の規模です。
ビジネスの分野が人気ですが、アート系の専攻も評価が高く、刺激的なアートシーンが展開されるマンハッタンは、生きた学習の場になっています。インターンシップの機会も豊富にあります。
5. ニューヨーク州のリベラルアーツ・カレッジ
次いで、ニューヨーク州の代表的なリベラルアーツ・カレッジをいくつか紹介しましょう。リベラルアーツ・カレッジとは、規模が小さく(学生数が1,000〜2,000人くらい)、寮生活を基本とし、研究よりも教育に力を入れている大学で、全米に600校ほどあります。
5-1. コルゲート大学
コルゲート大学(Colgate University)は、マンハッタンから車で4時間ほどのハミルトンというとても小さな町(人口4,000人ほど)にある、名門のリベラルアーツ・カレッジです。
学生の9割ほどが寮に住み、勉強も、課外活動も、娯楽も、週末のパーティも、ほぼすべてキャンパス内で完結します。そのキャンパスは息をのむほどの美しさです。
勉強熱心な学生たちと、指導熱心な教授たちとが力を合わせて、理想の教育環境づくりに努めている、アメリカの大学教育のいいところが詰まった大学だといえるでしょう。
5-2. バーナード・カレッジ
バーナード・カレッジ(Barnard College)は、コロンビア大学のキャンパス内にある名門女子大学です。アメリカの名門女子大7校から成る「セブンシスターズ」の1校で、数々の女性リーダーを世界に送り出しています。
ユニークなのは、やはりその立地。コロンビア大学のキャンパス内にあるので、あまり女子大らしくありません。コロンビア大学の授業を受けることもできますし、施設も共用します。女子大でありながら、共学のよさも実感できるキャンパスです。
5-3. ヴァッサー・カレッジ
ヴァッサー・カレッジ(Vassar College)もまた、セブンシスターズの1校ですが、1969年に共学になりました。ニューヨーク市のグランドセントラル駅から鉄道に乗って、1時間50分ほどのポケプシーという町に美しいキャンパスをかまえています。
日本人女性として初めてアメリカの大学を卒業した大山捨松が学んだのが、このヴァッサー・カレッジです。
一般教養の必修を定めていないので、学生たちは自由に興味に応じた科目選びをすることができます。自由の精神は、この大学の学風そのものともいえます。リベラルアーツ・カレッジらしく、「自分で考える」ことが尊重されています。
5-4. ハミルトン・カレッジ
ハミルトン・カレッジ(Hamilton College)は、マンハッタンから車で4時間ほどのクリントンという小さな町に美しいキャンパスをかまえるリベラルアーツ・カレッジです。ニューヨーク州の大学で3番目に長い歴史を誇ります。ほぼすべての学生が寮生活を送っています。
「オープンカリキュラム」といって、学生自身が科目を選択してオリジナルの専攻をつくるというシステムをとっています。学生の自主性が尊重されているということですね。「書くこと」と「発言すること」はとりわけ重視されています。留学プログラムも充実しています。
以上4つの大学は、日本ではそれほど知られていないかもしれませんが、アメリカではたしかな位地と名声を勝ち得ています。このようなリベラルアーツ・カレッジこそ、多くの人に知っていただきたいものです。
6. 「ニューヨーク留学」で気をつけたいこと
ニューヨーク州の代表的な大学を紹介しましたが、ほかにも魅力的な大学がニューヨーク州にはたくさんあります。
ジュリアード音楽院やマンハッタン音楽学校、プラット・インスティチュート、パーソンズ美術大学など、音楽・アートの専門大学も、ニューヨークでは充実しています。
最後に、とくにニューヨーク「市」に留学するにあたって気をつけたいことを述べます。
・娯楽の誘惑がたくさんある(勉強に集中できない、余計な出費が生じる)
・生活費が高い(東京をしのぎます)
・寮の数が少ない(アパートの家賃もとても高額です)
・語学留学のメッカである(日本人同士でかたまりやすい)
・治安がいいとはいえない(田舎に比べると、やはり犯罪は起きやすいでしょう)
あまり悪いことばかり書いても仕方がないのですが、やはりそれなりのリスクはあらかじめ考えておいたほうがいいでしょう。とくに費用の面からすると、ニューヨークに限らず都会は何かと高くつきます(ロスもしかり、サンフランシスコやボストンもしかりです)。
また20歳前後といえば、遊びたい歳ごろでもあります。ニューヨークの語学学校は人気がありますが、必ずしも真剣に英語を学んでいる人ばかりではありません。大学留学と語学留学とはまったく異なりますが、周りで遊んでいる日本人を目にすると、ついつい自分も、となりかねません。
成熟した社会人が大学院に留学するのであれば、ニューヨーク市であっても心配はないでしょうが、日本の高校を卒業したばかりでアメリカの大学に留学するのなら、都会よりも田舎のほうがいろいろと安心です。
以上、ニューヨーク州への大学留学についてお話ししました。もっと詳しく知りたいというかたは、
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