白熊 依子
Colby-Sawyer College(NH)卒業 心理学専攻
心強かった先輩方の存在
アメリカでの生活は、私にとって初めての経験ばかりでした。右も左も英語だけの生活は、思っていた以上に大変でした。渡米は自分で決めたことではありましたが、日本語が話したくて仕方がない、ということもありました。
幸運にも、私の大学には比較的日本人が多かったため、母国語である日本語をまったく話せないという寂しい状況に陥ることはありませんでした。さらに、私が1年生として入学したとき、とても面倒見のよい先輩方がいて、その方々の助けの下にアメリカ生活1年目にしては大きな問題もなく過ごすことができたのだと信じています。今までの大学生活、さまざまなトラブルがあっても、留学を諦めることなく自分の夢を追いかけることができているのは、その先輩方の助けが大きいと思っています。
キャンパス内の幼稚園で実習
私の通うColby-Sawyer Collegeでは、アスレチックトレーニング、アート専攻の日本人留学生が多い中、私が専攻しているのは心理学です。初め、児童心理学を専攻したかった私は、3年生で児童発達学を副専攻に加えました。
私がこの大学を選んだ1番の理由は託児所、幼稚園などの施設をもっているからでした。児童発達学などの実習を学内でできるのです。どちらの学科も、ペーパーや筆記試験、プレゼンなどが非常に多く、さらに1年生・2年生の間は授業でのノートを上手く取ることができず、大変な思いをしました。知っている単語を聞き取ることが精一杯で、1日が終わると、ただもう疲れて眠くなっていました。それでも、学校側が見つけてくれたボランティアのホストファミリーの家に息抜きに行くなど、楽しいこともたくさんありました。
辛かった留学3年目
去年1年間は、3年生として今までとはまた違った大変さもあり、精神的にもかなり苦労しました。改めて自分の英語力や精神力というものを思い知る年になりました。
先生との、留学生に対する先入観がもとのトラブルや、グループワークでの意思疎通のむずかしさなどが1度に押し寄せ、今までの私の留学生活の中でも苦しい1年になりました。
3年生の1年間はアメリカ人にとっても、かなり苦しいものだと聞いたとき、体調を崩したりしながらも単位を落とすこともなく、無事に1年を乗り切れた自分を嬉しく思えました。何人かの先生方の留学生の学力、英語力に対する先入観はまだ残っていますが、理解を示して下さる先生方も多数いらっしゃる、ということを忘れずにいたいと私は思います。
特に、このColby-Sawyer Collegeは、アメリカの数ある大学の中でも、先生方の留学生に対する応援や助けはかなり充実しているものだと思います。そして、私は、この大学で学べることを嬉しく思っています。
悔いのない最後の1年を
このColby-Sawyer Collegeでの私の大学生活はもう1年残っていますが、この最後の1年を終わってみて悔いの残らない年にしたい、というのが私の目標です。日本よりもカリキュラムが充実しているからという理由でアメリカに渡り、心理学の勉強をしてきた3年間を無駄にしないよう、より多くの知識をこの1年間で取り入れていきたいと思います。そして、人と人がかかわり合う現場に立ちたいという自分の夢のためにも、最後の1年、いろいろな人に出会い、その出会いや人間関係を通して人を見る目、自分自身を探る目をさらに養っていきたいと思っています。
留学を通して学べるものは、アメリカ文化や英語だけではないということを、これから留学をしようと思っている方々に心に留めていただければ嬉しいです。