スタンフォード大学に入るには?

スタンフォード大学(Stanford University)は、アメリカ西海岸、カリフォルニア州にある名門私立大学です。しばしば「西のハーバード」と呼ばれることもありますが、もはや、そのような呼称は似つかわしくありません。というのもスタンフォードは、全米でもとくにユニークな特色をもち、そのチャレンジ精神は他の追随を許さないからです。最近の世界大学ランキングでは、ハーバードを抜いてアメリカの大学ナンバー1に選ばれることもあって、その名声をぐんぐん高めつつあります。そんなスタンフォード大学に、日本からの留学生がいかに合格できるのか、考えてみたいと思います。

西海岸らしいスタンフォード大学のキャンパス

スタンフォード大学とは?

スタンフォード大学は、1885年に創立された、「超」名門の私立総合大学です。学生数は7,600人ほどで、大学院生はそれより多く、1万人ほどが学んでいます。大学院重点型のリサーチ大学です。大学生のほとんどが寮生活を送っています。

IT系のイノベーションが次々と誕生しているシリコンバレー。このシリコンバレーが、スタンフォードが中心となって起業を促進してきたことで誕生したのは有名な話です。伝統的な大学の枠に収まることなく、自由で冒険的な学術研究が行われているのがスタンフォードの持ち味です。教室はつねに熱気にあふれています。

もちろんシリコンバレー全体が、学びの場として学生に刺激を与え続けています。インターンシップの機会は豊富にあり、卒業生同士のネットワークも強固です。初任給が10万ドル超なんていう卒業生もめずらしくありません。

スポーツの強豪校でもあります。2021年に開催された東京五輪には、57人(卒業生を含む)ものアスリートを送り込みました。アメリカの名門大学は、どこも文武両道が当たり前ですね。

スタンフォード大学を卒業した著名人
  • ハーバート・フーバー(第31代アメリカ大統領)
  • タイガー・ウッズ(プロゴルファー)
  • シガニー・ウィーバー(女優)
  • セルゲイ・ブリン(Google創業者)
  • ドリス・フィッシャー(Gap創業者)
  • フィル・ナイト(ナイキ創業者)

スタンフォード大学の合格基準

スタンフォード大学は、アメリカでも最も入るのがむずかしい大学の1つです。ここ数年の合格率は、5%前後で推移しています。出願期限は1月5日(2023年度)。カリフォルニア州の大学の出願期限はだいたい早いのが特徴ですが、スタンフォードもその例に漏れません。

スタンフォード大学の出願データ(2021年度)
出願者数 55,471人
合格者数 2,190人
合格率 4%
入学生の高校のGPA平均 3.96

スタンフォードは、ある1つの要素だけを評価して合否を決めることはしません。複数の書類を多角的・総合的に評価します。これをHolistic Admissionといいます。Holistic Admissionにおいては、出願者の全体像を把握して合否を決めます。つまり学力、英語力だけでなく、人間としての魅力や個性なども含めて評価するということです。

とはいえ、まず何よりも重視するのが、高校の成績です(これはアメリカのどの大学もそうです)。スタンフォード自体は、「GPAがいくら以上」という基準は設けていません。それでもスタンフォードの合格者のほとんどがオールAもしくはそれくらいの成績を修めています。そして高校でオールAを修めた出願者であっても、その多くが不合格となっているのが現実です。

そして、エッセー(自己アピールの作文)、推薦状、課外活動も重視します。成績はオールAが当たり前ですから、それ以外の要素をいかに際立たせるかが、出願する側からすると大きな勝負どころになります。

コロナの影響もあって、現時点では、留学生にSAT®(もしくはACT®)のスコア提出は課していません。これらのテストスコアの提出は任意です。

英語力を示すテストの提出も必須ではありません。英語はできて当たり前、という考えかたです。提出するにしても、TOEFL®テスト、IELTS™、Duolingoいずれのテストが望ましいということもありません。

面接はオプションです。面接を受けたいという場合は、その申請をして認められた上で、卒業生と面接することになります。面接を受けることがマイナスになることはありません。

スタンフォード大学が求める学生とは?

これらのことを踏まえて、スタンフォードはどんな学生を求めているのかを考えてみましょう。

高校の成績が優秀なのは当たり前です。その上で、スタンフォード大学の学生としてふさわしいと思われる学生が求められます。

スタンフォード大学の特徴に目を向けてみると、少しヒントが得られそうです。たとえば:
・起業家精神が旺盛な学生
・知的好奇心に満ちた学生
・チャレンジ精神に富む学生
・独創性に秀でた学生
・発想のスケールが大きな学生
・スポーツに秀でた学生
・他者や環境に優しい学生
・国際的な視野をもつ学生

こんな学生たちが、いまのスタンフォード大学の名声を築いてきたのですから、スタンフォードからして魅力的な学生とは、以上のような学生だろうということが想定できるわけです。

シリコンバレーがITの発展を牽引していることを考えると、IT系・テック系に強い人は、それなりに魅力的かもしれません(もちろんそれにプラスの能力や魅力などが求められますが)。

またスタンフォード大学のMission Statement(使命)を読むと、「教育を社会に還元すること」そして「現実の課題を解決すること」の意義が述べられています。したがって、このような意欲をもつ学生は、より歓迎されるでしょう。

スタンフォード大学に合格するために

スタンフォード大学が求める学生像がなんとなくわかってきたとして、自分自身がまさにその学生にほかならないことを大学側に伝えなければなりません。エッセーや推薦状、課外活動などがその媒介になるわけです。とはいえこれらの項目は、正解があるものではありません。

合格率が5%を切るのが当たり前のスタンフォードに対して、「何をどうすれば必ず合格する」という規則は存在しません。またアメリカの高校生は、「スタンフォード合格対策」みたいなものを立てるということもしません。自分の持ち味をよく省みて、それでスタンフォードがマッチしそうであれば、出願してみようという考えかたです。

しかしたとえば課外活動のことでいえば、いろいろな活動を少しずつするよりも、1つか2つの活動を長く続け、その活動の中でリーダーシップを発揮するほうが高く評価されます。高3になってあわててボランティアを始めても、ちょっと遅すぎるかもしれません。

エッセーについては、スタンフォードは独自の課題を設けています。以下の3つがその例です(スタンフォード大学のHPより)。

1. The Stanford community is deeply curious and driven to learn in and out of the classroom. Reflect on an idea or experience that makes you genuinely excited about learning.

2. Virtually all of Stanford's undergraduates live on campus. Write a note to your future roommate that reveals something about you or that will help your roommate—and us—get to know you better.

3. Tell us about something that is meaningful to you and why.

これらは100〜250単語で書くものですが、ほかにも50単語以内で答える課題もあります。たとえば以下のようなものです(https://collegerealitycheck.com/stanford-university-looking-for/ より)。

  • What is the most significant challenge that society faces today?
  • How did you spend your last two summers?
  • What historical moment or event do you wish you could have witnessed?
  • What five words best describe you?
  • When the choice is yours, what do you read, listen to, or watch?
  • Name one thing you are looking forward to experiencing at Stanford.
  • Imagine you had an extra hour in the day — how would you spend that time?

こうした課題から、スタンフォードが出願者のどんなことを知りたがっているのか、手がかりがつかめるかもしれません。だれもが考えつくようなことを書いてもだめなので、いかに独創的に、かつ説得力をもって書けるかが問われます。ただ突飛であればいいわけではなく、修辞的にもすぐれた表現力があわせて要求されます。

推薦状は2通求められます。高2・高3のときにアカデミックな科目(日本でいう主要5科目)を担当した先生が望ましいとしています。上級科目での学業成果を具体的に評価してもらえるといいでしょう。

そして、できるだけ早く出願するというのもポイントです。スタンフォード大学では、Early Actionといって、「先願」とでもいうべきシステムを設けています。この先願期限は、11月1日です。とても早い期日ですが、間に合うのであれば、Earlyで出すほうがいいと一般的には言われています。

面接のチャンスがあるなら、ぜひ受けるべきです。日本でも、卒業生が会ってくれます。先に述べたように、面接が不利になることはありません。めいっぱい自己アピールできるチャンスととらえましょう。

1つだけじゃない! スタンフォード大学への道

スタンフォードに受かるのは、あたかも「スーパー高校生」だけではないかと思われるかもしれません。我こそはそのスーパー高校生である、というのであれば、積極的にチャレンジしてみていいでしょう。

でも、そうでないのであれば、無理してまでスタンフォードを狙う必要はありません。アメリカには4,000校以上の大学があります。名門校と呼ばれるにふさわしい大学だって、100校を下らないでしょう。

たとえばアメリカの進学情報機関であるThe Princeton Reviewは、毎年Best Collegesとして名門大学をセレクトしています。その数が、だいたい380校です。アメリカの大学のバラエティの豊かさは、大学留学の大きなメリットの1つです。

そして、大学院でスタンフォードを狙うのも1つの方法です。その場合、大学ではオールAをとるように心がけてください。大学院も、入学審査において最重視するのは大学の成績です。

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  • 奨学金についての指導
  • 授業対策
  • 出願書類作成
  • 合格後の手続、入寮準備
  • 渡航手続
  • 現地での準備セミナー
  • ボストンでのアフターケア

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