「留学の理由がネガティブ」で悩んでいる人に聞いてほしい話

一見、ネガティブな理由でアメリカ留学を決意する人たちがいます。

すると、周りから、けっこうな非難を受けることになります。

大学受験に失敗したから留学

一番わかりやすいケースは、「大学受験に失敗したから留学する」というものです。

だいたい「現実から逃げている」とか「困難から目をそらそうとしている」と非難されます。

日本の大学を受験しない人も非難されます。

「みんなと同じことをしないから」という理由で非難されるのです。

でも、いまどき偏差値にこだわらなければ、どこか入れる大学はあるでしょう。

たいした受験勉強もせずに、あるいは塾などに行って受験勉強するフリをして、適当に自分が入学できそうな大学に入学すればいいわけです。

受験から留学への方向転換

最近は、「受験した大学が全部落ちた」なんて話は滅多に聞きません。

「そもそも慶應・早稲田だけを狙っていた」とか、「すべり止めは入ったけどイヤだ」といったような話です。

そこから留学へ方向転換するのは、並大抵のことではありません。

ましてや日本の大学を受験しないなんて、大変なことです。

みんなと同じことをしないだけで、これほどバッシングを浴びる教育国家は、どうなっていくのでしょうね。

その場で留学を思いついたという人はめずらしく、多くは「前から留学を考えていたけれども言い出せなかった。この際、決心しよう」という人です。

すると、学校の先生にも家族にも驚かれ、呆れられます。大変な反対を受けます。

それをかいくぐって留学までにもっていく力と根性はたいしたものです。

大学受験のための勉強は、いつも頭の中で宙を舞っていたかもしれませんが、留学を実現させる行動力は、社会に出て強く生きるのに大いに役立つと思われます。

受験続きでもうイヤだ!

小学校受験、中学校受験、高校受験失敗で、もうイヤになっている子もいます。

もちろん、難関校をめざしてのことですが、どこかで妥協して、親も子も仕方なく受かった学校に行っているという人が多いのかもしれません。

そういう子も、アメリカのボーディングスクール(寮制の高校)に行くと見違えるようになります。

寮生活で少人数で、先生がきめ細かく生徒1人ひとりを見てくれますから、その子のよいところを引き出せます。

本人も自信がもてます。

個性をはぐくむアメリカの学校

日本では成績が悪く、知能が遅れているんじゃないか、みたいなことを言われている子も、アメリカのボーディングスクールに行くと、たちまちオールAをとったりします。

アメリカには、あらゆるLearning Disability(学習障害)に対応できる学校がたくさんあり、それに対応できる先生たちがいっぱいいて、日本の子どもたちは、すぐに自分の個性を発揮して甦ることができます。

不登校でも「飛び級」で留学できる

日本の中学校や高校に馴染めない、不登校というのも、最近はよく聞く話です。

そんな場合、日本の高認(高等学校卒業程度認定試験)を受ければ、アメリカの大学に飛び級ができます。

高校生くらいになると、頭の中だけ大人だったり、身体だけが大人だったり、心の中だけが大人だったりと、ややこしいのです。

大人のみなさんは覚えがあると思います。

そんなアンバランスでも自分を抑えて、日本の学校教育の枠に自分を押し込めればいいのですが、個性が強すぎたり、帰国子女だったり、エネルギーが強すぎてバランスが崩れたり、といろいろあるのです。

しかし、日本の大学は飛び級というものがありません。

それではアメリカの大学でやってみよう、というのも大いに「あり」です。帰国子女の子は、外国生活の経験があり、親の理解もあり、すんなりいくことが多いのですが、そうでない場合は、これまた、周りのさまざまな雑音があって大変になります。

でもなぁに、思い切ってやってしまえばたいしたことはないのです。

教育の選択肢はたくさんある

人間は本来、どんな環境にもなんとか馴染める能力をもっていて、1人ひとりやりかたも違うのです。

すべて一緒に一律にするほうが本当はむずかしいのです。

みんなと同じことをする、というのは、日本ばかかりでなく、世界どこの国にもあることですが、これだけの先進国で教育レベルの高い国で、教育の選択肢が1つしかないのは、本当に困ったことです。

同じ時期に同じことをする、同じ学校教育を受ける、こんなことばかりに必死で、1つでも道を外れたらもう人生おしまい、みたいな考えが日本には蔓延しています。

教育の選択肢なんていっぱいあるのです。

いっぱいあることを知ったら、親は一安心です。

親が心に余裕をもつと、子どもを穏やかに伸び伸びと育てることができます。

最近、20代・30代の若いお母さんたちに、「教育の選択肢はたくさんある」というテーマで講演する機会があり、みんなにあんまり喜んでもらえてビックリすると同時に、もうちょっと、たくさんの人にも伝える努力をしようかな(本当は、もう仕事が面倒だと思っていましたが)、と考えています。

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著者情報:栄 陽子プロフィール

栄 陽子留学研究所所長
留学カウンセラー、国際教育評論家

1971年セントラルミシガン大学大学院の教育学修士課程を修了。帰国後、1972年に日本でアメリカ正規留学専門の留学カウンセリングを立ち上げ、東京、大阪、ボストンにオフィスを開設。これまでに4万人に留学カウンセリングを行い、留学指導では1万人以上の留学を成功させてきた。
近年は、「林先生が驚いた!世界の天才教育 林修のワールドエデュケーション」や「ABEMA 変わる報道番組#アベプラ」などにも出演。

『留学・アメリカ名門大学への道 』『留学・アメリカ大学への道』『留学・アメリカ高校への道』『留学・アメリカ大学院への道』(三修社)、『ハーバード大学はどんな学生を望んでいるのか?(ワニブックスPLUS新書)』、ベストセラー『留学で人生を棒に振る日本人』『子供を“バイリンガル”にしたければ、こう育てなさい!』 (扶桑社)など、網羅的なものから独自の切り口のものまで、留学・国際教育関係の著作は30冊以上。 » 栄陽子の著作物一覧(amazon)
平成5年には、米メリー・ボルドウィン大学理事就任。ティール大学より名誉博士号を授与される。教育分野での功績を称えられ、エンディコット大学栄誉賞、サリバン賞、メダル・オブ・メリット(米工ルマイラ大学)などを受賞。

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