秋の風物詩。アメリカの大学の訪問ラッシュが続いています!

全米各地の大学が、続々と訪問

アメリカの大学の先生たちが秋になるとたくさんやって来ます。

アメリカ大使館が主催する大学フェアなどに参加するついでに、ということもあるのでしょうが、何であれ当研究所に寄ってくださるのはありがたいことです。

最近の10日間だけで以下の15校の大学の先生が訪れてくれました。

Boise State University(州立・アイダホ州)
Centre College(私立・ケンタッキー州)
The College of Wooster(私立・オハイオ州)
Endicott College(私立・マサチューセッツ州)
Grinnell College(私立・アイオワ州)
Holy Names University(私立・カリフォルニア州)
Kalamazoo College(私立・ミシガン州)
Lake Forest College(私立・イリノイ州)
Missouri Valley College(私立・ミズーリ州)
North Central College(私立・イリノイ州)
Northwest Missouri State University(州立・ミズーリ州)
Sacred Heart University(私立・コネチカット州)
Saint Michael's College(私立・バーモント州)
State University of New York (SUNY) at Fredonia(州立・ニューヨーク州)
University of Wisconsin, Platteville(州立・ウィスコンシン州)

こうして見ると、州もさまざま、私立・州立もまちまちです。

大学選びは「お見合い」

学生たちが集まって、各大学の先生から話を聞きます。

その後、質問のある学生や、自分を印象づけたい学生は、個別に先生たちと話をします。

こうしておけば、後で願書を出すときに効果があります。

「あのとき話したでしょう。英語力テストの結果はかんばしくなくても、ちゃんとコミュニケーションできる学生だったでしょう」とか「もっと奨学金を出してよ。あれだけよくできる子なんだから、他の大学からもたくさん奨学金のオファーが来るのよ」とか、カウンセラーが交渉のネタに使えるのです。

当研究所は、アメリカのどの大学とも、特別な契約はしません。提携校などというものもありません。

留学先の大学選びは、お見合いみたいなものなので、双方ともに気に入らなければ成り立ちません。

また、実際にその大学の先生に会わなくても、行きたい大学にはどんどん願書を出すわけですから、当研究所に来たからといって、必ず、たくさんの学生がその大学に入るということもありません。

アメリカの大学が考える「よい学生」とは?

それでも、47年もこの仕事をしているのと、留学した学生が、みんなとてもよい成績で卒業するので、「SAKAEを訪ねておくと、よい学生にめぐり会える」とアメリカの大学の先生たちに思ってもらっているので、例年たくさんの大学が訪ねてくれます。

日本の大学進学は「入学すること」に大変な力を入れますので、留学する人も、ついついIELTS™やTOEFL®テストなど、英語の点数にやっきになりますが、アメリカの高校生は、全米共通テストのSAT®を、だいたい2回くらいしか受けません。

そのための塾もありませんし、そもそも何遍も受けて点数を上げても、「何遍も受けて変なヤツ」と思われてしまいます。

何しろアメリカの大学は、入学してからが大変です。授業時間は1日3時間ほどですが、宿題と予習・復習に5、6時間はとられます。

大学の成績も、大学院進学や就職の際にとても大きな意味をもちます。インターンシップの申請にさえ、必ずGPAと呼ばれる成績平均値を記さなければなりません。

昨年、当研究所でインターンをしていたアメリカ人学生が、この秋に3校のロースクール(法科大学院)に合格しました。GPAは4.0、すなわちオールAです。

アメリカでは、ある一定レベルの専門家になるためには大学院に行くのが普通です。大学で悪い成績をとると大学院に行けません。

それどころか、あっという間に退学になります。

留学はサバイバルゲーム

当研究所では、アメリカの大学に入学してからのことを踏まえて、留学準備の指導をしています。

よい成績をとるために、時間割の組みかたを学んだり、アメリカ史などは日本語である程度知識を得たり、授業に出てヤバいと思ったときにどうすればよいのか、そのノウハウと仕組みを学んだり、等々、まさにサバイバルゲームのすべを指導します。

アメリカの大学は理系・文系に分かれていないとか、2つの異なる分野を専攻できるとか、そういったことは知っていても、それらが具体的にどうなっているのか、みんなわからないのです。

その仕組みも、より具体的に学びます。

昔、たくさんの日本人が留学していた頃は、日本人留学生の間で、「アメリカの大学に入学してSAKAEの学生を見たら、その学生のやりかたを真似するといい」という話もあったのです。

そんなこんなで、アメリカの大学の先生たちも、初めは当研究所のことも、単に日本人留学生を紹介してくれるところ、と思うだけですが、そのうち、学生たちがとてもしっかりしていて、アメリカの大学の仕組みをよく理解していて、ちゃんとついて来る、ということに気づいて、「SAKAEの学生は大事にしよう」と思ってくれるのです。

できなかった子が変身する、それが留学の醍醐味

当研究所は、成績がよかったり、英語力が高かったりという学生ばかりを支援しているわけではありません。

むしろ英語が苦手、勉強が苦手、でもやる気はあるという若者を、あの手この手で成長させることに、この上ない喜びを感じているのです。

人間は変身します。何度でも変身できるのです。

秋と春になると、アメリカの大学の入学担当者たちは世界中を飛び回ります。ハーバード大学でさえもそうです。

つねに自分たちの大学の名前をアピールしていくことが、よりよい学生を集めるための根本だと考えられています。

当研究所にも、同じ大学ばかりではもちろんありませんが、秋にも春にも数十校が訪れてくれ、学生たちとお見合いをしています。

アメリカの大学の先生に会うことも、あらゆる州のよさを聞くことも、すべてとても刺激的な体験です。

とくに「来てくれ」と言っているわけでもないのに、こうやってたくさんのアメリカの大学の先生たちが来てくれるのは、当研究所の長い歴史と、カウンセラーの指導力と、学生たちのがんばりのお陰です。

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著者情報:栄 陽子プロフィール

栄 陽子留学研究所所長
留学カウンセラー、国際教育評論家

1971年セントラルミシガン大学大学院の教育学修士課程を修了。帰国後、1972年に日本でアメリカ正規留学専門の留学カウンセリングを立ち上げ、東京、大阪、ボストンにオフィスを開設。これまでに4万人に留学カウンセリングを行い、留学指導では1万人以上の留学を成功させてきた。
近年は、「林先生が驚いた!世界の天才教育 林修のワールドエデュケーション」や「ABEMA 変わる報道番組#アベプラ」などにも出演。

『留学・アメリカ名門大学への道 』『留学・アメリカ大学への道』『留学・アメリカ高校への道』『留学・アメリカ大学院への道』(三修社)、『ハーバード大学はどんな学生を望んでいるのか?(ワニブックスPLUS新書)』、ベストセラー『留学で人生を棒に振る日本人』『子供を“バイリンガル”にしたければ、こう育てなさい!』 (扶桑社)など、網羅的なものから独自の切り口のものまで、留学・国際教育関係の著作は30冊以上。 » 栄陽子の著作物一覧(amazon)
平成5年には、米メリー・ボルドウィン大学理事就任。ティール大学より名誉博士号を授与される。教育分野での功績を称えられ、エンディコット大学栄誉賞、サリバン賞、メダル・オブ・メリット(米工ルマイラ大学)などを受賞。

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