決断を迫られる、2020年秋学期からの留学

入学を延ばすか、オンライン授業を受けるか

アメリカの大学の授業再開について、US News and World Reportが、秋の学期に入学する予定の世界の留学生に対して掲載しています。

・ こまめに大学と連絡をとること。大学からの連絡をただ待たないこと。大学の関係者はいろいろなことに追われていて、多くのことが遅れがちになっている。

・ どの大学でもオンラインの授業が行われるので、9月から大学に来なくても、オンラインで自国で授業をいくつかとることができるし、また費用もオンラインのほうが安くなるはず。入学を1月に延ばしてもよい。

・ 早くI-20(入学許可証)を取得してビザ申請の準備をしておくように。ただ大使館が開くのを待つだけではダメ。

というようなことです。

授業はマスクかフェイスシールドで

アメリカの各大学は、本当に大混乱しています。

オンラインにするか、寮を開けて通常授業に戻すか、「7月末までは決められない」というところもあります。

いまごろ、入学しようとしている留学生に、入学するつもりか、何が心配か、など、こっちが聞きたいよ、と思うようなことをアンケートしている大学もあります。

さっさと決定して、細かい指示を早々と出してくる大学もあります。

7月末に授業を再開し、早く学期を終わらせようとしている大学からは、急ぎの連絡がどんどん入ってきます。

オハイオにある大学は、次のようなことを言ってきました。

8月9日~8月12日の間に、オハイオ州のコロンバス空港に到着すること。
8月4日までにフライトスケジュールをメールで送ってくること。
最初に入国するときの空港は15か所の空港のみ(JFKなど)。
乗り換えに4時間以上は見ておくこと。
クラスは8月17日に始まるが、終了日がまだ確実でないので、まだ冬休みの帰国便の予約をしないこと。
授業には必ずマスクかフェイスシールドを着用すること。

等々です。

この大学は、ほぼ通常通りの授業を再開しようとしています。

いよいよビザ申請がスタート

日本は、I-20に記載されている入学の日付の30日前からビザを申請できることになっていますが、この秋学期からの留学については、まだ当研究所では申請したことがありません。

今週、2人の学生が、大学から早く来るように言われたため、初めて申請します。

ビザの申請はとても限られているようで、何の情報もありませんから、ともかく当たって砕けろです。

US News and World Reportが、オンライン授業を自国でとれると簡単に言っていますが、まだアメリカの大学に入学していない者にとって、突然オンラインで授業をとるのはとてもむずかしいことです。

そもそもどの科目をとっていいのか、どのようにテストが行われるのか、見当がつきません。それも時差があって、明けがたの5時といった時間に受けなければなりません。

したがって、すでに留学していて、日本に帰国している人が引き続きオンラインで授業を受けるのはともかく、新入生は無理です。

データから見るコロナ感染症のトレンド

当研究所でも、ボツボツ入学を延ばしたいという人が出てきています。

幸いアメリカの大学は入学金などもありませんし、入学時期も延ばしてくれますので、何の問題もありません。

コロナ感染症が広がっていたり、人種差別に対するデモが起きているのは、都市です。

田舎の小さな大学にはあまり影響はありませんが、寮や食堂、クラスは密・密ですから、どの大学も恐る恐る、です。

コロナ感染症には、10代の人はかかっても死亡することはまずありません。

今回の感染症は都会の病気、かつ貧しい地区の病気、そして、老人の病気です。

渡米しようとしている学生たちにさまざまなデータを紹介しながら、行くか・やめるか・延ばすか、決断をさせるときです。

何しろ何年も前から決心した「卒業をめざす留学」ですから、やめるという選択肢は、ほとんどありません。

あいかわらず、どんどん入ってくる新しい情報と、変化する情報と、闘う毎日です。

【参考】
 Demographic Trends of COVID-19 cases and deaths in the US reported to CDC
 (人種別・年齢別・男女別の、コロナウィルス感染者数・死亡者数と割合)
 https://www.cdc.gov/covid-data-tracker/index.html#demographics

 

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著者情報:栄 陽子プロフィール

栄 陽子留学研究所所長
留学カウンセラー、国際教育評論家

1971年セントラルミシガン大学大学院の教育学修士課程を修了。帰国後、1972年に日本でアメリカ正規留学専門の留学カウンセリングを立ち上げ、東京、大阪、ボストンにオフィスを開設。これまでに4万人に留学カウンセリングを行い、留学指導では1万人以上の留学を成功させてきた。
近年は、「林先生が驚いた!世界の天才教育 林修のワールドエデュケーション」や「ABEMA 変わる報道番組#アベプラ」などにも出演。

『留学・アメリカ名門大学への道 』『留学・アメリカ大学への道』『留学・アメリカ高校への道』『留学・アメリカ大学院への道』(三修社)、『ハーバード大学はどんな学生を望んでいるのか?(ワニブックスPLUS新書)』、ベストセラー『留学で人生を棒に振る日本人』『子供を“バイリンガル”にしたければ、こう育てなさい!』 (扶桑社)など、網羅的なものから独自の切り口のものまで、留学・国際教育関係の著作は30冊以上。 » 栄陽子の著作物一覧(amazon)
平成5年には、米メリー・ボルドウィン大学理事就任。ティール大学より名誉博士号を授与される。教育分野での功績を称えられ、エンディコット大学栄誉賞、サリバン賞、メダル・オブ・メリット(米工ルマイラ大学)などを受賞。

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