噂の真相!コミカレの単位を編入先の大学へ移行できなかった学生達の悲劇

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コミュニティ・カレッジから単位を移行できないという噂

アメリカのコミュニティ・カレッジ(二年制の公立大学)で取得した単位が、別の州の四年制大学に編入する際に認められない、というウワサをよく耳にします。

» コミュニティ・カレッジとは? by 公立二年制大学データベース

日本の大学の単位だってアメリカの大学は認めてくれるのに、アメリカの学校の単位が認められないなんてちょっと考えられない話ですが、三つほど理由を考えてみました。

科目番号が000番台の単位は認められない

まず一つの理由として考えられるのが、コミュニティ・カレッジで学んだ科目が000番台のものであったということ。

アメリカの大学では、個々の科目に番号(course numberといいます)が付いています。100番台から600番台まであって、100番台が1年生レベルの科目で、200番台が2年生レベルの科目、というように、番号によって科目のレベルがわかるようになっています。

アメリカの大学は9月入学もあれば1月入学もあり、卒業に必要な単位を取得すれば3年で卒業してもよいし、5年かけてもかまいません。

単位を取得するペースは人それぞれですので、日本の大学のように、みんなが一斉に2年生になるというわけではありません。そこで科目番号によって、科目のレベルを見分けられるようになっているのです。

そして、コミュニティ・カレッジには、ときどき000番台の科目があります。これは、コミュニティ・カレッジを卒業するための単位としては認められますが、四年制大学に編入する際には基本的に認められません。

というのも000番台の科目は高校の復習というニュアンスに近い科目だからなのです。

「単位が認められない」というウワサは、このことが影響しているのかな? とも思います。

実際のところ、これを知らずに簡単な000番台ばかりを履修登録してしまう日本人留学生も多いようです。

D以下の成績がついた科目の単位は認められない

また、成績によっても認められる単位数が変わってきます。

アメリカの大学の科目は、ABCDFの5段階で成績がつけられます。D以下の成績がついた科目の単位は、編入の時には認められません。

そもそもC平均以上の成績をとらなければ、編入自体もむずかしくなるのですが・・・。

ともあれこれが、「単位が認められない」というウワサの根拠の一つになっているかもしれません。

実は授業を登録して間もない間であれば、登録を消すこともできます。

なので、実際に授業を受けて「あ、これ難しすぎる・・・!」と思ったら悪い成績をとって記録に残る前にパスしてしまうのも一つの手段です。

カリフォルニア州立大学の事情で認められない

また、とても特殊なことですが、カリフォルニア州立大学(California State University)群のいくつかの大学は、日本の大学の教務課に相当するregistrar’s officeという部署が、カリフォルニア州内のコミュニティ・カレッジの単位であれば扱い慣れているので自動的に認めるが、州外や外国の大学の単位は面倒くさがってみんな認めない、ということがよくあります。

これまたウワサの原因となっているのか、と思ったりしています。

認められる単位の数は交渉次第

科目番号と成績のことが原因であれば、願書を出す側の認識不足だともいえます。しかし、registrar’s officeの怠慢によって認められなかったのであれば、こちらから攻めていくべきです。

カリフォルニア州のコミュニティ・カレッジ以外の単位は認めないなんて大学の公式インフォメーションのどこにも書いてありません。

基本的にtransfer(編入)を受け付けている大学に対して、編入生として願書を出して、それで入学許可を得ているのですから、単位を認めないなんて言ってもらっちゃ困るのです。ですから単位を認めてもらうように、何度もregistrar’s officeに交渉するべきです。

当研究所では、日本の大学からアメリカの大学に編入する場合は、日本の大学で履修した科目の内容を翻訳してアメリカの大学に提出したり、世界の大学の科目のレベルや単位をアメリカ流に解釈する機関(WESなど)を活用したりして、できるだけ多くの単位を認めてくれるように働きかけています。

アメリカのコミュニティ・カレッジの成績表は、それがどの州のものであっても、基本的にアメリカ人なら誰でもわかるものになっていますので、何ら問題はありません。

ともかくアメリカは、交渉が非常に大事な国ですから、めげずに交渉しなくてはなりません。

ただ、学生個人だと大学の職員と交渉する際に委縮してしまったり、相手が使う専門用語がわからなかったりして、話が出来なくなっているケースもあるのでしょう。

州によっては特殊なルールも

その州ならではのルールもあります。たとえばアリゾナ州立大学群は、基本的には認める単位の上限は60ですが、アリゾナ州のコミュニティ・カレッジの科目であれば70単位まで認めるとしています。

カリフォルニア州では、州内の各コミュニティ・カレッジでトップの成績を修めればUCLAやUC Berkeleyに優先的に編入できます。

マサチューセッツ州には、コミュニティ・カレッジと四年制大学が提携して学費を安くしている例もあります。

しかし、たとえUCLAに編入できてもカリフォルニア州は留学生に厳しく奨学金制度などがありません。

なので年間の学費+寮・食費は55,000ドル(600万円超)です。これを渡米後に知って、編入自体を諦めて帰国しまう学生も少なくありません。

またマサチューセッツ州で学費が安いというのも、そもそも州内在住のアメリカ人むけの話で、私たち留学生にはあまりあてはまりません。

留学生はコミュニティ・カレッジのドル箱?

昨今ではオバマ大統領がコミュニティ・カレッジの費用を無料にするように主張していますが、もし、それが本当になったとしても留学生のことまでが考えられているわけではありません。

そもそもアメリカ人にとってコミュニティ・カレッジとは、自分の家の近くにあって、費用が安かったりアルバイトしながら通うのに便利だったりという大学です。わざわざ州外のコミュニティ・カレッジに行く人はほとんどいません。

コミュニティ・カレッジも財源が少なくなると、留学生に高い費用を設定したり、外国人向けの英語学校を経営しはじめたりするかもしれません。

すでにカリフォルニア州の多くのコミュニティ・カレッジは外国人向けの英語講座で大きな利益を上げています。

TOEFL®テストなどの一定のスコアを入学条件に課し、それの点数をとれるまで仮合格といった扱いで英語学校通いが半年~一年以上続きます。

もちろんこれらは単位になりませんし、その間、ほかの単位をとることも出来ません。

こういったものに、日本人学生が大のお得意様になっており、費用と時間を膨大に消費しています。

ちなみに、留学生に適しているタイプのコミュニティ・カレッジは、英語力が足りない最初の内は「数学」や「物理」など英語をあまり必要としない科目をとり、週に1~2回程度、留学生向けの英語クラス(ESL)を受けるというものです。

また、学生寮などが用意されており、学費が安いところをよく探した方が良いでしょう。

留学費用を出来るだけ抑えることを目指すのであれば、このような留学生にやさしい州のコミュニティ・カレッジに入学し、適切な単位を取得して奨学金付きの四年制大学にスムーズに進学する方法もあります。

日本とは入試や勉強、単位のシステムなどなにもかもが違うアメリカ留学。

しっかりとした正しい情報を知り、無駄なく安全にチャレンジしてもらいたいと思います。

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栄陽子プロフィール

栄 陽子留学研究所所長
留学カウンセラー、国際教育評論家

1971年セントラルミシガン大学大学院教育学修士課程を修了。帰国後、日本で留学カウンセリングを立ち上げ、留学指導を行い、これまでに7000人以上の留学を成功させる。留学関係の著作も多数。 » 栄 陽子留学研究所について