残高証明が出せないから留学をあきらめる?

アメリカの大学の入学手続に必要な書類の1つに、残高証明書というものがあります。

日本の日常生活ではあまり聞かないものなので、たいていの人は「何それ?」と思ってしまいます。

残高証明に必要な金額とは?

当研究所では、2〜4年、長い人だと6〜10年という長期に渡って留学する人がほとんどですので、「だいたい2年間の留学生活に必要な額の残高証明書を、親御さんの名義で出してもらいます」と説明しています。

だいたい500万円〜1,000万円です。

「そんなお金ありません」とハッキリ言うかたもいます。

「給与明細では代わりがきかないのか」とか「うちは株しか持っていないので残高証明は出せない」と言う人もいます。

そのようなケースであっても、いろいろな対処方法をお教えできるのですが、「残高証明が必要」と言われただけで黙ってしまう人が多いのです。

そして心の中で「ムリムリ、うちは留学できない」と決め込んでしまう人もいます。

人それぞれのお金の事情

「残高証明1枚のことで留学をあきらめるなんて」とこちらは思いますが、人のお金に対する考えかたは本当にさまざまです。

「お祖母さんのタンス預金から息子の留学にかかるお金の半分を何とか出してもらうつもりだった」

「とりあえずお祖父さんから借りようと思っていた」

「本人が留学する頃には手元に入ってくるお金があるので何とかなるが、いまはムリ」

・・・と思っている人もいます。

「お金は家族それぞれの名前でバラバラの銀行に預けてあるので、とても1枚では出せない」

「持っている株の価値が下がっているのでいまは売れない」

「ウチの田舎の郵便局では残高証明なんて出してくれるはずがない」

・・・と思っている人もいます。本当にさまざまなのです。

そして、こういったことは、なかなか口に出して言い出しにくいので、黙って、残高証明なるものの説明を聞くだけになってしまいます。

残高証明は、「2回」必要です

聞き手が黙っていると説明する側も気が利かないもので、「残高証明は英文で、大学に願書を出すときと、ビザを申請するときに必要です。

願書を出すときは、願書を出す大学の数だけ必要ですので、とりあえず5校分と、ビザを申請するときは1通で大丈夫です。

また、残高証明書の有効期限は3か月ですので気をつけてください」などと説明を続けてしまいます。

聞いている側は心の中で、

「エーッ、銀行が5通も出してくれるの?」

「出願のときの5通とビザ申請のときの1通の金額が違ったらどうなるの(こちらもいろいろお金をつかう予定があるのに)?」

「お祖母さんに何度も預金通帳を見せろとか言えないよなぁ」

・・・とか思ってしまいます。

一般に多くの人は、銀行との取引などありません。そもそも現代では、ATMかネットを使うので、銀行員と直接話すことさえありませんから、いくら説明を聞いても「エーッ」としか思わないのです。

これが、ちょっとお店をしていたり会社を経営していたりで、銀行との取引のある人ですと、「商売につかっているお金を、一時的に個人名で預けて、とりあえず残高証明を出してもらえばいいのかな」とか、「不動産や株を担保に入れてお金を借りて、個人名義にして、よく知っている銀行員に証明書を頼めばいいのかな」とか、くるくるお金の回しかたを考えるのですが、普通の人はそうはいきません。

「成績悪いし、英語力が不足だし、その上、残高証明? エーッ!」となってしまうのです。

残高証明の名義は留学生本人ではないほうがいい

9月入学ですと、願書を提出するのは1月から3月ですので、その頃にお祖母さんの名前でA銀行に150万円、お母さんの名前でB銀行に200万円、お父さんの名前でC銀行に300万円、でもかまいません。

3枚綴りで1つの証明書とすればいいのです。どんな田舎の郵便局でも英文で出してくれます。

6月頃にビザの申請をしますが、そのときと大学に出したものとがまったく違っていても大丈夫です。

今度はお祖父さんの名前でいくら、というものでも大丈夫。ただし名義は本人ではなくて、親やお祖父さん・お祖母さんのほうがよいのです。

社会人の留学生でも、できるだけお父さん・お母さんのものをメインとして、プラスして本人の名義のもの、というかたちにします。

アメリカ側からしてみたら、学費の支払いはもちろんのこと、事故などがあった場合、ちゃんと金銭的な裏付けのある保証人(親など)がいる、ということがとても大切なのです。

安易に学生ローンを借りないこと

残高証明書はなんとか辻褄を合わせられるけど、本当のところ、お金がない。

留学して1年後・2年後にお金が底をついてしまった、ということもあります。

安易に学生ローンなどを借りて留学することはお奨めできません。

卒業後、すぐ毎月、返済しなければならない状況は、せっかく未来を大きく開いた留学の卒業後を、小さなものにしてしまう可能性があるからです。

日本で放送大学などで単位を稼いで、その間に働いてお金を貯めるなど、いろいろな方法があります。

留学中にお金が底をついたら、日本の親たちは、それこそ借金してでも子どもに勉学を続けさせようとします。

日本人の親は、子どもの教育には、本当に献身的なのです。

そして栄 陽子留学研究所は、成績の問題や英語力不足、残高証明書の問題まで、留学の夢を叶えるための助力を惜しみません。

最後は宣伝になりました。

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著者情報:栄 陽子プロフィール

栄 陽子留学研究所所長
留学カウンセラー、国際教育評論家

1971年セントラルミシガン大学大学院の教育学修士課程を修了。帰国後、1972年に日本でアメリカ正規留学専門の留学カウンセリングを立ち上げ、東京、大阪、ボストンにオフィスを開設。これまでに4万人に留学カウンセリングを行い、留学指導では1万人以上の留学を成功させてきた。
近年は、「林先生が驚いた!世界の天才教育 林修のワールドエデュケーション」や「ABEMA 変わる報道番組#アベプラ」などにも出演。

『留学・アメリカ名門大学への道 』『留学・アメリカ大学への道』『留学・アメリカ高校への道』『留学・アメリカ大学院への道』(三修社)、『ハーバード大学はどんな学生を望んでいるのか?(ワニブックスPLUS新書)』、ベストセラー『留学で人生を棒に振る日本人』『子供を“バイリンガル”にしたければ、こう育てなさい!』 (扶桑社)など、網羅的なものから独自の切り口のものまで、留学・国際教育関係の著作は30冊以上。 » 栄陽子の著作物一覧(amazon)
平成5年には、米メリー・ボルドウィン大学理事就任。ティール大学より名誉博士号を授与される。教育分野での功績を称えられ、エンディコット大学栄誉賞、サリバン賞、メダル・オブ・メリット(米工ルマイラ大学)などを受賞。

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