アメリカの高校の修学旅行。キャンプから生態調査まで
みなさんこんにちは。アメリカのMiss Hall’s Schoolという高校を卒業したAyakoです。
みなさんが毎年楽しみにする行事はありますか? 私は、日本の学校に通っていたときは年に1度の修学旅行が大好きでしたが、アメリカの高校に来てから、みんなで学外に泊まる経験をすることはありませんでした。でも高校生活最後の4月に、2つも修学旅行に行くことができたので、今回はアメリカの高校の修学旅行について紹介します。
Bycatchの実習
森の中でキャンプ
1つ目は、シニアトリップ(Senior Trip)です。これは毎年シニア(日本でいう高3)が1泊2日を学外で過ごすイベントです。
毎年、学年ごとに行く場所を相談して決めるのですが、私たちはキャンプ場に泊まることに決まりました。
泊まったキャンプ場は森の中にあり、バスが道を間違えたり、ここで本当に大丈夫か、と不安になったりしましたが、泊まった場所は森の中にしてはきれいなログハウスのようなところで、みんなで過ごせるような大広間がありました。
着いたらいきなり、マットレスが足りない、ご飯が届かない、なんてことがありましたが、みんなそれぞれunoやトランプで時間を潰しながら、ご飯が来るのを待ちました。
キャンプに来ているのに、みんなでご飯をつくるのではなく、ピザをデリバリーするのはさすがアメリカだなと勝手に感心してしまいました笑。
ご飯を食べたら、みんなで夕陽が沈むのを見に近くの湖まで行きました。その後はみんなでおなじみのスモア(アメリカのアクティビティとったらスモアです笑)。スモアについては、この記事を参照してください。
サンセット後、外が真っ暗になったらみんなで火の周りを囲んでスモアをつくり、たあいもない会話をしました。その後はみんな床にマットレスを敷き、持ち寄ったシーツ、枕、ブランケットを使ってベッドをつくり、みんなで一緒に大きな部屋で寝ました。
2日目は、朝一番にみんなで大きなアクティビティをして、いままでの学校生活での感謝の気持ちや、普段は伝えられないようなことを伝え合い、卒業を控えている私たちにとって、もう一度絆を確かめることができるいい時間になりました。
サイエンス系の校外実習
2つ目は、サイエンス系のクラスが中心となって行ったFieldtripです。Fieldtripの目的は、何かを実際に体験しながら学ぶことなので、校外学習に近いかもしれません。
私がとっているバイオテクノロジーのクラスと他のサイエンスクラス、自然について学んでいるDegital and Natural World というクラスが合同で行きました。
私たちはコネチカットに行き、University of Connecticutのキャンパスに1泊して、Project Oceanology という教育研究施設で、いろいろなことを学びました。
アザラシの個体数をカウント
1日目は、船に乗り野生のアザラシを観察し、生態系を調べるために、個体の数を数えました。アザラシに癒されていたら、2時間ちょっと船に乗っていたとは思えないほど、あっという間に終わってしまいました。
全部で70匹近くの野生のアザラシを見ることができ、またプロジェクトの生態系調査に加わることができたのは、貴重な経験でした。その後、夕食を済ませ、続いては夜のラボです。最初はイカの解剖をし、イカの生態を実際にこの目で見ながら学びました。
イカの解剖
特定の生物が引っかからないネットづくり
1日目最後のアクティビティはBycatchについての実習でした。
Bycatchとは、漁業などで網に引っかかってしまう、ターゲットではない生物のことです。たとえば、魚を釣るためにしかけられたネットに亀やイルカなどが引っかかってしまうことです。
これをなくすためにはどういうネットをつくるべきかというのがメイントピックで、それぞれチームに分かれて、なるべくbycatchをしない網を身近なものでつくり、実際にそれを魚に見立てたものが入った水槽で実践し競争しました。実際につくってみることで、どうやって現実で目標を達成できるかを考えることができました。
冒頭に載せた写真が、1回目の網作成です。ターゲットは水に浮いているピンポン球でした。これは失敗してしまいました。下に載せたのが2回目のリベンジ戦。今回のターゲットは下に沈んでいるサイコロ。これは成功しました!
リベンジ戦
その日はいつもの寮生活とは違うラボパートナーとルームメイトとして一緒に過ごしました。
寮は研究施設なのであまり期待しないほうがいい、と言われていましたが、思ったよりきれいで居心地がよかったです。
塩性湿地と海で生態系調査
2日目は朝7時から始まりました。朝から塩性湿地と海に行って生態系の調査をしました。
ここではアザラシではなく、小さい昆虫や、魚、蟹、エビなどを地引き網の方法で採取して、数を数えました。3回の地引きで150匹近くの魚が採れたのは驚きでした。ここでの生態調査もある団体の研究の一部になるそうです。
以下の写真は塩性湿地での生態調査の結果です。どれくらいの地面が植物でおおおわれているかを記録します。
塩性湿地での生態調査
水族館で学習
校外学習の最後は、地域で一番有名な水族館に行って教育プログラムを受けました。
絶滅危惧種のアフリカペンギンについて、実際にペンギンを近くで見ながら学び、その後、カブトガニを研究しているかたから、カブトガニの血液が人間の医療の発展にかかわっていることを学びました。
こんな近くでアフリカペンギンを見たのは初めて!
1泊2日という短い時間でしたが、すべての計画が分刻みで進み、一生に一度しかできないようなたくさんの新しい経験ができました。
(第24回終わり。第25回に続く)
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