アメリカ大学のマイナー(副専攻)って何?
みなさん、こんにちは! カリフォルニア州の大学で、ファッションマーケティングを専攻しているミオです。
アメリカ大学では、さまざまな分野を勉強することができます。私の大学にも、ユニークな専攻(ファッションデザインやゲームデザイン、フィルムメイキング、インテリア・アーキテクチャーなど)がそろっています。
いろいろな授業を受けられることがこの大学の長所でもあるので、 「せっかくならクリエイティブなことを学びたい!」と思い、専攻のファッションマーケティングに加えて、グラフィックデザインを副専攻(マイナー)にしてみました。
そこで今回は、マイナーと呼ばれる副専攻の仕組みと、実際に経験したグラフィックデザインのクラスについて紹介します。
学期末に行われるグラフィックデザインの品評会
アメリカの大学のマイナー(副専攻)の仕組み
大学によって副専攻の仕組みは異なると思いますが、私の経験をもとに紹介します。
私の大学では、ある分野の科目を5つ以上とると、公式に「副専攻」として認定されます。
卒業までにとらなければならない必修科目(一般教養科目と専攻科目)のほかに、「選択科目(elective)」といって、自由にとれる科目があります。これはだいたいどのアメリカの大学でも同じです。
私の場合、「専攻の中の選択科目」を2つと、それ以外の3つの科目を合わせて、副専攻にしました。学業の負担をあまり大きくせずに副専攻をとるためには、早めの計画が大切です。大学によって仕組みは異なると思うので、マイナーに興味がある人は、早めの段階で確認しておくといいですね。
アメリカの大学では、履修登録をするにあたっては、アドバイザーの先生の了承を得ることになっています。この先生は、だいたい自分の専攻の先生が担当します。副専攻は、専攻とは異なる分野になりますから、副専攻の科目を登録するためには、その服専攻の先生がアドバイザーになります。
私の場合は、グラフィックデザインの教授が、履修科目の順番やタイミングなどを決めるのを手伝ってくれました。自分の専攻とはルールが異なったりもするので、積極的にアドバイザーを頼ってみてください。
アメリカの大学で学ぶグラフィックデザインの授業とは?
私が実際にとったグラフィックデザインの授業を3つ紹介します。マーケティングを専攻している私にとっては、アートやデザインを学ぶのはとても新鮮でした。
クラフトアート
この授業は、まず手作業を通じてアーティスティックな感覚を養おうという内容のものです。
先端的なテクノロジーをまったく使用せず、カッターや定規、テープやペンキなど、フィジカルなツールでデザインをするクラスでした。また、人はどんなデザインや色の組み合わせを好むかなど、アートの根本的な部分も学びました。
あるコンセプトや情報をデザインで表現したり、感情を絵にしたり、日用品を使ってアートを作るなどという抽象的な課題が多くて、マーケティング専攻の身としてはかなり苦戦しましたが、久々の美術的な授業はすごく刺激的で楽しかったです。
「テクスチャー 」をテーマにした課題
デジタル
デジタルテクノロジーを使ってビジュアルデザインをする、グラフィックデザインの入門クラス。 Adobe社のPhotoshopやIllustratorなどの使いかたを習って、絵を描いたり、ポスターを作成したりしました。
私はPhotoshopとIllustratorの初心者でしたが、さまざまなプロジェクトを通じてベーシックなデザインはできるようになりました。英語で専門的なことを聞きとるのはむずかしかったのですが、教授が優しかったのでなんとか無事に終えることができました。
タイポグラフィー
タイポグラフィー(Typography)をひと言で説明するのはむずかしいのですが、 活字に関するデザインといったところです。
フォント(授業ではTypefaceと呼ぶ)の種類やスタイル、サイズ、行間などを上手く使いこなして、アルファベットの文字を用いてデザインをするクラスです。
フォントと一口に言っても本当にたくさんの種類があって、1つひとつの歴史や特徴を学ぶのはおもしろかったです。文字だけを使って「forget」や「dying」などの単語の意味を表現したり、ポスターを作ったりしました。
Typefaceの大きさや配置を変えて表情をつける課題
アメリカの大学で副専攻をとるメリット
副専攻のメリットは、まず新しい分野を学べること、これが醍醐味ですね。
私のようにマーケティングを専攻していると、デザインやアートの世界とは無縁になります。しかしマイナーを加えることで、専攻とは異なる分野の授業をとれるようになります。
新しい知識・特技が増えることで、自分の興味も広がったので、私にとってはかなりいい経験でした。こんな風に好きな授業を選んで自分が学びたいことを勉強できるというのは、アメリカの大学ならではだと思います。
もちろん選択科目として、自分の専攻以外の授業をいろいろとることはできますが、「副専攻」と認められると何かとプラスだと思います。卒業証書には、専攻と並んで副専攻が表記されます。履歴書に書くことも増えるので、いいことだと思います。
また副専攻をとることで、友だちの輪が広がります。専攻の授業は、クラスメイトが顔見知りだらけということにもなりますが、副専攻の授業では、未知な世界、未知の学生との新たな出会いが期待できます。これも、副専攻をとる大きなメリットだと思います。
Typographyのクラス
副専攻のデメリット
アメリカの大学で副専攻をとるメリットはとても大きいのですが、あえてデメリットにも目を向けてみましょう。
アメリカ大学を卒業するために必要な単位数は、だいたい120〜130単位ほどです。でもそのうち15単位(5科目)をとれば、副専攻として認められます。
それはメリットでもありますが、それでは不十分と思う人もいるでしょう。もちろん選択科目の枠を使えば、5つ以上の科目をとることもできますし、副専攻では物足りない、というのであれば、ダブルメジャー(2つの異なる分野を専攻すること)というオプションもあります。
また、分野によっては、追加の費用がかかることもあります。たとえば私の副専攻であるグラフィックデザインの課程では、大学のコンピュータを頻繁に使用するため、Lab Feeというものも支払う必要がありました。またそれほど使う期間が長くないのに、購入しなければならないものが多いというのもデメリットとして挙げられます。
それから、未知の分野に手を出すので、その専攻に所属している子たちと一緒に授業をとるのは、なかなか大変です。私の場合、グラフィックデザインをずっとやってきた人や絵を描くのが大好きな人たちと一緒に授業を受けていました。いくら1年生レベルの入門編クラスといっても、やはり私のように経験が少ない場合は、クラスの内容を理解したり、課題をこなしたりするのに人一倍時間がかかりました。
まとめ
アメリカの大学では、副専攻をとる学生はたくさんいます。ダブルメジャーもまったくめずらしくありませんし、ときにはトリプルメジャーをする学生すらもいます。
「ずっと興味があったけど、一度も勉強したことがない」というような分野があるなら、ぜひチャレンジしてみてください。副専攻をとらなくても、まずは選択科目として何かとってみるのも、もちろんいと思います。
アメリカの大学はカリキュラムがとても柔軟です。そんなアメリカの大学生という特別な立場を最大限に利用して、より多くのことを学んでみてください。きっと価値のある経験になるはずです!!
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