カンニングペーパーもOK!? 驚くべきアメリカの大学のテスト事情
みなさん、こんにちは! カリフォルニア州の大学で、ファッションマーケティングを専攻しているミオです。
アメリカの大学での留学生活は楽しいときもありますが、大変なこともたくさんあります。とくに留学生を苦しめるのが、テストです。
「悪い点をとったらどうしよう」「どうやってテスト対策をしたらいいのかわからない」・・・私も1年生のときは右も左もわからないまま、ひたすら図書館で泣きそうになりながら勉強したことを覚えています。
今回はアメリカの大学でのテストについて詳しく紹介していきたいと思います。
もくじ
1.アメリカの大学のテストの種類
1-1.クイズとは?
1-2.イグザムとは?
2.アメリカ留学中のテスト対策
2-1.日ごろの授業に集中する
2-2.テスト対策のプリントを活用する
2-3.テストの種類を確認する
3.アメリカらしい! 日本の試験スタイルと違うところ
3-1.カンニングペーパーが許される?
3-2.計算機を使ってもいい
3-3.家に持ち帰って受けることも
4.教授が期末試験の日にやらかした伝説
5.留学の醍醐味かも? 試験を終えたときの達成感
1.アメリカの大学のテストの種類
アメリカの大学でテストといえば、クイズ(Quiz)とイグザム(Exam)です。
クイズが小テスト、イグザムが試験です。
1-1.クイズとは?
クイズは、テスト範囲が小さなテストです。「先週は第5章についての講義だったから、今週はその章の小テストを行う。今週は第6章をカバーするから来週はその章のクイズがある」といった感じです。日本でいうところの「小テスト」ですね。
クイズの日程は、シラバス(授業初日に配られる授業進行表)に書かれていることがほとんどです。「来週クイズですよ」と言ってくれる先生もいますが、声をかけない教授もいるので、頻繁にシラバスをチェックすることは欠かせません。またPop Quizといって、抜き打ちの小テストが行われることもあります。
統計学の小テスト
1-2.イグザムとは?
イグザムは、クイズに比べて一気に範囲が広がります。
中間試験(Mid-term Exam)であれば、学期の初めから中間までが範囲に、期末試験(Final Exam)は、学期を通して勉強したすべてが範囲になったり、中間試験以降の内容が範囲になったりします。
クイズよりもイグザムのほうが成績に響くので、試験の準備はしっかりしなければなりません。
2.アメリカ留学中のテスト対策
小テストも試験も、事前から準備するのが鍵です。
2-1.日ごろの授業に集中する
日ごろから、教授が熱心に話していることはとくにノートを入念にとったり、宿題でわからないことがあったらその都度先生に確認したりといった、日々の積み重ねがテスト対策では最も大切です。
また教授が授業で使ったパワーポイントのファイルをもらっておくと、テスト勉強に役立ちます。テスト直前になると教授も忙しいので、日ごろからテストへの意識を忘れないことが肝心です。
2-2.テスト対策のプリントを活用する
スタディガイド(Study Guide)といって、テスト範囲をまとめたものをくれる教授もいます。これがあると、闇雲に勉強しなくて済むので、とてもありがたいです。スタディガイドをくれない教授もいるので、もらえるかどうか聞いてみるといいかもしれません。優しい教授は、頼んでみるとつくってくれることもあります。
2-3.テストの種類を確認する
試験範囲がわかっていても、どのレベルまで覚えれば大丈夫なのか。これはテストによって異なります。「選択肢を見れば選べる」程度でいいのか、「自分の言葉で書ける」レベルまでいかなければいかないのか。これによって勉強の量もかなり異なってきます。
そのため選択肢問題なのか記述問題なのか、テストがどのような問われかたをされるのか教授に聞いておくと、効率のいいテスト勉強ができるようになります。
教授の説明
3.アメリカらしい! 日本の試験スタイルと違うところ
アメリカの大学のテストは、日本ではちょっと考えられないようなスタイルで行われることもあります。
3-1.カンニングペーパーが許される?
カンニングペーパーはチートシート(cheat sheet)と呼ばれています。このチートシートを、テスト中に見てもいいという試験もあります。
チートシートを使っていい場合は、紙のサイズに指定があったり、自分の直筆でなきゃダメだったり、ルールがあるので事前の確認が必須です。たとえば私が受けた数学の試験のときは、チートシートに数式以外は書いてはいけませんでした。「数式以外が書いてある紙は没収」ということで、試験当日は教授が1人ひとりの紙をチェックしていました。
実際に使ったA4サイズのチートシート
また授業中にとったノートや教科書の持ち込みを許可する教授もいます。前者をOpen-notebook、後者をOpen-textbookといいます。そういうテストの場合は、問われる内容がよりむずかしくなります。
もちろん何も持ち込んではいけないテストもあります。このほうが一般的です。そういうときは筆記用具と消しゴムだけを持参します。私の教授はテスト形式の説明で“No open-note, no open-book, but open mind”と言っていました。ちょっとしたジョークです。
3-2.計算機を使ってもいい
数学や物理など、計算が必要な試験では、計算機を持ち込んでOKです。みんな計算機を使って計算するんです。アメリカの学校ではそれが当たり前みたいです。日本人の私は「本当にテスト中に使っていいの?」と半信半疑になるくらい、最初はとてもびっくりしました。
計算機があると計算も早いので、テストが一気に楽になります。そのためアメリカにいると数学の授業を受けているにもかかわらず、暗算ができなくなっていきます(笑)。
数学の授業
3-3.家に持ち帰って受けることも
Take-home Examというものもあります。これは「家(寮の部屋)でやってきていいよ」という宿題のような試験です。
普通の試験とは違って、調べながらテストを受けていいし、制限時間がないというメリットはあります。そのかわり、難易度が高かったり量が多かったりすることが多いです。これはけっこう稀な試験の形式だと思いますが、私も数回やったことがあります。
4.教授が期末試験の日にやらかした伝説
これは超レアなケースだとは思いますが、私が経験した期末試験のエピソードを紹介します。
それはマーケティングの授業の期末試験の日でした。試験範囲は、その学期を通して勉強したことすべて。みんな何日も勉強してこの日を迎えました。
期末試験の日は、最後のクラスということもあって、教授が教室に入ってきてから少し雑談をしました。しばらくして「そろそろ期末試験を始めようか」と教授が言った瞬間、彼の顔が曇りました。
「あれ、試験用紙どこだ」
バッグの中を探ったり、車に戻って確認したりしましたがそれでも見つからず。そして「家に忘れたみたい。試験はキャンセルしよう」と言って、その瞬間にクラスは終わりになりました。
成績はファイナルペーパー(期末レポート)の点数から割り出すとのこと。みんなお祭り騒ぎで教室を飛び出して行きましたが、私は「あれだけ勉強したのになぁ」と複雑な心情でした。教授もクラスメイトもさすがアメリカ人だなぁと。楽天的に考えることも見習わないとなぁと思いました(笑)。
5.留学の醍醐味かも? 試験を終えたときの達成感
アメリカで大学に留学すると、宿題もペーパー(レポート)もプロジェクトもこなすことが多くていろいろ大変です。しかし一番ストレスが溜まりやすいのはテストだと思います。とくにファイナルウィーク(期末試験前の1週間)は勉強続きで、慣れないとかなり疲れるかもしれません。
でも大丈夫です! 私も少しずつアメリカ独特の試験スタイルに慣れていきました。そして試験が終わると一気に解放されるので最高に気持ちいいです。すべての科目の期末試験が終わったときの達成感が私は大好きです。「今学期もがんばったー!」と気持ちが晴れて、「次の学期もがんばろう」と思えます。私の体験が、これからアメリカの大学に留学するかたがたの参考になれば幸いです。
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