加熱する宇宙開発競争。バラエティ豊かな人材を輩出するアメリカの博士課程

世界中から人材が集まるアメリカの博士課程

アメリカではいよいよAmazonのベゾスさんが自分のロケットで宇宙に行くとのことです。

ブルーオリジンの有人宇宙船の初号機に、7月20日に自ら搭乗するそうです。

宇宙開発は、いまやアメリカと中国の大競争です。

たくさんの資源と共に、戦争を意識した宇宙空間の獲得、それに地球にもしものことがあった時に人類が生き延びる道の確保、等々。

すごいことになっています。

宇宙開発をするには、それを望み計画する強いリーダーシップ、お金、そして人材が必要です。

幸いにアメリカには本当に多くの人材がいます。

宇宙工学の課程を設けている大学院だけでも、80校ほどあります。

アメリカだけでなく世界から人材が集まります。

もちろん、宇宙工学だけではありません。

生命科学、生物工学、医学、コンピュータサイエンス、AI、ロボット工学、天文学、環境学、その他もろもろの分野の人材が必要ですが、アメリカには、どの分野にも博士号をもっている人たちが、とてもたくさんいます。

教授のお手伝いをすれば学費がタダ!?

アメリカは大学院で学びやすい環境が非常によく整っています。

多くの博士課程の学生は、Research AssistantやTeaching Assistantといって、教授のお手伝いをすることで学費は無料で、かつ月々1,000〜3,000ドルくらいの生活費をもらえます。

研究のお手伝いのみならず、大学1年生に対しては教授の代わりに授業を行ったり、ディスカッションをさせる役を引き受けたりします。

こういう経験をしているので、大学の先生として職を得るときも、とてもスムーズにいきます。

この制度は外国人学生にも適用されますので、当研究所でも毎年、数人がこの恩恵を受けて大学院で勉強しています。

米中の競争。人材のバラエティでアメリカが有利か?

これからAIの発達によって、人間がやるには時間がかかりすぎたり複雑すぎたりすることが、どんどん簡単に解決されますから、人間はもっと高度なことを創造していかなければなりませんし、決断を下せる人も必要になります。

中国は、もともとアメリカで学んだ人が大量に帰国して、大学や研究のレベルを上げ、いまやどの大学院でも高度人材を輩出しています。

もうアメリカに負けることは許さないと国家をあげて宇宙開発に取り組んでいますが、あらゆる人種を取り込んだアメリカの人材のバラエティに、中国が太刀打ちできるかどうかわかりません。

すべての面で時代遅れ。日本の危機的状況

一方で日本はいつの間にか、すべての面で遅れてしまいました。

博士課程や大学院に行ったら就職に差し支えるとか、いい就職ができないといったことが学生の間で囁かれる始末です。

いまだに偏差値の高い大学に入学して就活でがんばって有名企業に就職する、という、もう時代遅れになった考えかたからまったく抜け出ていません。

1970年の日本万国博覧会で、アメリカのアポロが持ち帰った月の石を、何時間も並んで見たときから、大変な勢いで世界に躍り出て、アメリカの不動産も買いまくった日本ですが、いまや、もうどこにもそのような勢いはなく、コロナ禍でのオリンピック開催のための安全・安心の科学的根拠も示せず、世界中のマスコミから袋だたきにあっている有り様です。

どこかで日本人の就職と受験のありかたを変えないと、人口減と共に、本当に日本は世界からとり残されてしまいます。

Uberの社長は、あと10年でドローンの無人タクシーを飛ばすと言っています。

この人は、もとAmazonで働いて、次にGoogleで働いて、いまはUberのCEOです。

10年後が15年後になることはあっても、実現する可能性はとても高いと思います。

そんな時代になってもリクルートスーツを着て就活してるんでしょうか、日本人は。

 

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著者情報:栄 陽子プロフィール

栄 陽子留学研究所所長
留学カウンセラー、国際教育評論家

1971年セントラルミシガン大学大学院の教育学修士課程を修了。帰国後、1972年に日本でアメリカ正規留学専門の留学カウンセリングを立ち上げ、東京、大阪、ボストンにオフィスを開設。これまでに4万人に留学カウンセリングを行い、留学指導では1万人以上の留学を成功させてきた。
近年は、「林先生が驚いた!世界の天才教育 林修のワールドエデュケーション」や「ABEMA 変わる報道番組#アベプラ」などにも出演。

『留学・アメリカ名門大学への道 』『留学・アメリカ大学への道』『留学・アメリカ高校への道』『留学・アメリカ大学院への道』(三修社)、『ハーバード大学はどんな学生を望んでいるのか?(ワニブックスPLUS新書)』、ベストセラー『留学で人生を棒に振る日本人』『子供を“バイリンガル”にしたければ、こう育てなさい!』 (扶桑社)など、網羅的なものから独自の切り口のものまで、留学・国際教育関係の著作は30冊以上。 » 栄陽子の著作物一覧(amazon)
平成5年には、米メリー・ボルドウィン大学理事就任。ティール大学より名誉博士号を授与される。教育分野での功績を称えられ、エンディコット大学栄誉賞、サリバン賞、メダル・オブ・メリット(米工ルマイラ大学)などを受賞。

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