ニューヨークへの留学。その魅力と注意点
ニューヨークといえばマンハッタン
ニューヨークに留学したいという人は多いのです。
ニューヨーク州ニューヨーク市です。ニューヨーク州はとても広く、北はナイアガラの滝あたりまで広がっています。
多くの人はそんなことは知らず、ニューヨークといえば、ただニューヨーク市のことを考えています。
芸術系の分野を学びたい人に、ニューヨークに留学したいという傾向が強いと思います。
アートや音楽、ミュージカル、ダンスなどです。日本のどの大学にも経済学部があるように、アメリカはどこの大学でも芸術系の専攻があります。
ニューヨークでいえば、コロンビア大学にもアートや音楽、演劇の専攻があります。
ニューヨーク大学はダンスで博士課程まであり、世界的に有名です。
ニューヨークで暮らせばとてもウキウキして楽しいのでしょう、有名な芸能人がニューヨークのマンション(アメリカではコンドミニアムといいます)に住んでリッチで楽しい日々を紹介しています。
こんな人は要注意! ニューヨークへの留学
しかしながら、ニューヨークは、自分を律することができない人には、危険な場所です。
大学や大学院での勉学は非常に厳しく、授業では必ず自分の意見を述べなければならないので、アメリカ人学生も予習・復習に1日5時間は費やさなければなりません。
1日の3分の1は勉学に必要ですので、十分な睡眠や、キチンとした食事などの時間を考えると、あまり遊ぶ時間はありません。
勉強の時間と遊びの時間を、キチンと自分でコントロールできる人であれば問題はありませんが、さんざん楽しんだ後で、パッと勉学に集中できる人は、そうたくさんいません。
だんだん遊ぶ時間や自分にとって楽しい時間を優先し、それが長くなります。
ニューヨークは人々をそうさせる魔力がある街です。
ニューヨークはアメリカの中でも公共の交通機関が発達しているので、車がなくてもどこにでも行けます。
ミュージカルの始まる時間はだいたい7時とか8時ですから、朝から授業に出て、復習・予習をして夕食をとってミュージカルを見て、帰ってすぐ床につく、というようにはいきません。
ミュージカルの後も友だちとどこかに行き、夜中遅くまで遊びほうけてしまいます。
ニューヨークの日本人とは?
それもアメリカ人とならまだしも、日本人同士で日本語でワイワイやって、となると、だんだんおかしな方向に流れていきます。
アメリカ人の学生は、将来の就職や大学進学のためによい成績をとるのが当然なので、本当によく勉強します。
日本人留学生がニューヨークで日本人と遊ぶとなると、大学に留学している人だけでなく、語学留学生や、日本食関係のレストランなどに勤めている人や、なんとなくニューヨークにいるだけの人たちに囲まれます。
その人たちは勉学に励んでいるわけではない場合もあって、どんどん遊び時間が長くなります。
新しいラーメン屋さんができたとなると、みんなにあっという間に情報が回ってきて、それ行こう、ということになるのです。
ニューヨークでは日本人とつるまないようにするための努力が必要なのです。
お金もすごくかかります。世界の中でもトップクラスに物価の高い街です。
田舎の大学にいると、学費と寮費と食費を支払えば、ほかにあまりお金はかかりませんが、ニューヨークではそうもいきません。
食事のみならずお金を使う場所がたくさんあるのです。
ニューヨークに留学せずにニューヨークを満喫する方法
田舎の大学に留学しても、ニューヨークで芸術を満喫できる方法があります。
アメリカの大学は夏休みが長く、3か月もあるのです。夏休みには、ニューヨークにも、夏だけ貸してくれるマンションやサービスアパートメントなどがありますので、そういうところに住みながら、ニューヨークを存分に楽しむことができます。
また、夏期はどこの大学でも授業(サマースクールといいます)がとれるので、コロンビア大学やニューヨーク大学のサマースクールの授業を1つとって、秋に自分の大学にその単位を持って帰ることも可能です。
4年間の間に、4回×3か月、ニューヨークに行ける可能性があるわけです。
そうして、ニューヨークの危険性や物価の高さなど、よく理解して、安全でなるべく費用のかからない生活の方法を会得すればいいのです。
その上、卒業と同時にプラクティカルトレーニング(卒業後1〜3年アメリカに残ってインターンとして働ける制度)を利用して、1年間ニューヨークに滞在することもできます。
こうして、一応、勉学も卒業と同時に済んでいて、英語力も向上していて、日本人と付き合わなくても十分、ニューヨーク生活を堪能することができます。
▼ 読むだけでアメリカ留学に役立つ資料をお送りします。▼
著者情報:栄 陽子プロフィール
栄 陽子留学研究所所長
留学カウンセラー、国際教育評論家
1971年セントラルミシガン大学大学院の教育学修士課程を修了。帰国後、1972年に日本でアメリカ正規留学専門の留学カウンセリングを立ち上げ、東京、大阪、ボストンにオフィスを開設。これまでに4万人に留学カウンセリングを行い、留学指導では1万人以上の留学を成功させてきた。
近年は、「林先生が驚いた!世界の天才教育 林修のワールドエデュケーション」や「ABEMA 変わる報道番組#アベプラ」などにも出演。
『留学・アメリカ名門大学への道 』『留学・アメリカ大学への道』『留学・アメリカ高校への道』『留学・アメリカ大学院への道』(三修社)、『ハーバード大学はどんな学生を望んでいるのか?(ワニブックスPLUS新書)』、ベストセラー『留学で人生を棒に振る日本人』『子供を“バイリンガル”にしたければ、こう育てなさい!』 (扶桑社)など、網羅的なものから独自の切り口のものまで、留学・国際教育関係の著作は30冊以上。 » 栄陽子の著作物一覧(amazon)
平成5年には、米メリー・ボルドウィン大学理事就任。ティール大学より名誉博士号を授与される。教育分野での功績を称えられ、エンディコット大学栄誉賞、サリバン賞、メダル・オブ・メリット(米工ルマイラ大学)などを受賞。