アメリカの大学院における起業家養成プログラム

 

起業家養成プログラム

アメリカの大学院には Entrepreneurship という専攻分野があります。

起業家養成プログラムですね。

31校ほどあり、アメリカではMBAの一種として考えられています。

単にこれから起業する人のためだけでなく、企業内起業、社会起業、ファミリービジネスなどにも役立つ授業を行っています。

その中でも最も有名なのが Babson College です。Babson College は日本ではほとんど知られていません。

卒業生で有名なのは、豊田章男さんです。

ボストンの郊外にあり、とても美しいキャンパスです。アメリカでは有名な大学です。

ここのプログラムを紹介します。

★MBAプログラム(フルタイム)

●1年(12カ月)または2年(21カ月)の45単位修了のフルタイムMBAプログラムとして提供されている。

●MBAプログラム共通科目として、9科目(15単位)が必修科目

●以下の3科目のうち1科目(3単位)が必修

・New Venture Creation (新規事業立案)
・Entrepreneurial Finance (起業ファイナンス)
・Managing a Growing Business(成長期企業の経営)

●以下の科目のうち6単位分が必修

・M&A for Entrepreneurs(起業家のためのM&A)
・Global Entrepreneurship(グローバル起業学)
・Corporate Entrepreneurship(企業内起業)
・Foundations for Family Entrepreneurship(ファミリー起業の基礎)

●その他、機械学習、社会起業、フードビジネス、ベンチャー、不動産投資など、多様なテーマの科目があり、自分の目的・興味に基づき自由に選択して履修できる。

●80以上の提携組織があり、それらと連携し、体験型学習として、海外で選択科目を履修したり、コンサルタントプロジェクトとして、実際のクライアントの課題に取り組んだり、自分でテーマを設定して研究を行ったり、実践的な学びも行う。

★Master of Science in Entrepreneurial Leadership(MSEL)

Babson CollegeにはMaster of Science in Entrepreneurship Leadershipというプログラムもありますので、紹介しておきます。

●9カ月のプログラムで、30単位で修了。

●必修科目として以下の科目を履修

・Data Exploration (Quantitative Methods)
・Entrepreneurial Economics
・Finance for Entrepreneurs
・Information Technology
・Law
・Marketing Management
・Operations Management
・Resource Planning and Control (Managerial Accounting)
・Strategy and Consulting
・Design Thinking

●実践型プロジェクトとして、教室外で以下のような活動を行う。

・Leading Entrepreneurial Action Project (LEAP):チームで問題を定義し、ビジネスを設計・開発するプロジェクト。 
・Strategic Analysis Consulting Project:実際の組織が直面する問題を分析し、戦略的提案を行う。 
・Global Experience:休暇期間に海外へ出て、国際的起業活動を体験。過去にはチリ、中国、タンザニア等。 
・Creating You: Building Your Professional Life:プロフェッショナルスキルの構築、自己反省、将来のキャリアに関する活動。

このように、Babson CollegeのEntrepreneurshipのプログラムは、机上の学びだけではなく、実践における学びや経験を通じて、現実感のある起業力を養います。

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著者情報:栄 陽子プロフィール

栄 陽子留学研究所所長
留学カウンセラー、国際教育評論家

1971年セントラルミシガン大学大学院の教育学修士課程を修了。帰国後、1972年に日本でアメリカ正規留学専門の留学カウンセリングを立ち上げ、東京、大阪、ボストンにオフィスを開設。これまでに4万人に留学カウンセリングを行い、留学指導では1万人以上の留学を成功させてきた。
近年は、「林先生が驚いた!世界の天才教育 林修のワールドエデュケーション」や「ABEMA 変わる報道番組#アベプラ」などにも出演。

『留学・アメリカ名門大学への道 』『留学・アメリカ大学への道』『留学・アメリカ高校への道』『留学・アメリカ大学院への道』(三修社)、『ハーバード大学はどんな学生を望んでいるのか?(ワニブックスPLUS新書)』、ベストセラー『留学で人生を棒に振る日本人』『子供を“バイリンガル”にしたければ、こう育てなさい!』 (扶桑社)など、網羅的なものから独自の切り口のものまで、留学・国際教育関係の著作は30冊以上。 » 栄陽子の著作物一覧(amazon)
平成5年には、米メリー・ボルドウィン大学理事就任。ティール大学より名誉博士号を授与される。教育分野での功績を称えられ、エンディコット大学栄誉賞、サリバン賞、メダル・オブ・メリット(米工ルマイラ大学)などを受賞。

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