冴えない日本と元気なアメリカ。いつの間にこんなに差が?

デモに参加するアメリカの大学生たち

ボストンでジャパン・フェスティバルが土・日曜日の2日間行われて、のべ10万人の参加者があったということです。

人口65万人の比較的静かな町ボストンでは、稀に見る大混雑ぶりであったそうです。

これもSNSなどで日本のさまざまな情報が得られるようになり、日本に興味をもってくれる人たちが増えたことが大きな理由だと思います。

日本へのアメリカからの旅行者も増えています。

かたや、ニューヨークやボストンではイスラエルのガザ地区戦闘に対して大学生のデモが行われています。

戦闘が始まったときは、イスラエル側とパレスチナ側、双方の立場からのデモがありましたが、いまはイスラエル側の人たちは沈黙しつつあります。

アメリカ政府はイスラエルの肩をもつ傾向があります。

何しろイスラエルという国は、人口900万という小国で、そのうちアラブ系が200万です。

アメリカにいるイスラエル系の人が800万人いますから、イスラエルのユダヤ人人口と同じだけの人がアメリカにいるのです。

国務長官のブリケンさんも、日本大使のエマニュエルさんもユダヤ系です。

トランプさんの娘一家もユダヤ教ですが、大統領選挙のため、トランプさんの集会はたくさんの人が集まって、まるでプロレス会場のようにみんな楽しくノリノリだそうです。

いずれにしても、アメリカはとても元気そうです。

エネルギーにあふれている気がします。

アメリカの新卒者の年収

最近の新聞に「世界のZ世代が元気」という記事がありました。

1997年から2012年の間に生まれた人たちで、いわゆるデジタル・ネイティブと呼ばれる人たちです。

生まれたときから携帯電話やITに囲まれて、それらを使いこなしてきた人たちのことです。

現在アメリカの大卒で、IT系に勤める人は、卒業したばかりの人でも10万〜12万ドルの給料です。

1ドル150円とすると1,500万〜1,800万円です。

もし、1ドルが100円になったとしても、1,000万〜1,200万円です。

日本では年収1,000万円超えが話題になる程度ですが、アメリカでは22歳で、とくに仕事の経験もない若者が、とっくにそれを超えているのです。

もちろん、キャリアを上げれば年収も高くなって、30歳そこそこで15万ドルなんて人もたくさんいます。

留学生でも3年間はアメリカで働ける

日本から留学してIT系で卒業すると、3年間のインターン(Optional Practical Training)ができます。

日本でいう、いわゆる文系は1年ですが、2016年からSTEM系は3年に延長されました。

IT系人材の不足が理由だと思われます。

コロナ感染症もあり、そもそも、健康志向がとても高くなっていて、医薬系の人材も必要とされるわけです。

インターンとして3年働けるとなると、アメリカの企業が3年契約で外国人を雇うということが出てきました。

アメリカで外国人が働くにはHという就労ビザが必要ですが、これはいまや申請者が多くて抽選になってしまっていて、当研究所からの留学生も、抽選に落ちた、とがっかりしている人たちがいます。

インターン生の年収は50,000〜60,000ドルです。

日本円で700〜900万円です。

ニューヨークあたりですと生活費が高いので無理ですが、ちょっと田舎に行くと家賃も安くて住むことができます。

Z世代の若者よ! 元気を出そう!

いつこんなことになったのか、気がつかないうちに日本とアメリカで大きな差ができてしまいました。

コロナ前はどうだったかしら。

コロナにみんな目が奪われている間に、何もかもが違ってきました。

日本は、国会議員が2,000万円とったとか、パパ活してたとか、学歴詐欺とか、何か冴えない話ばっかりで、SNSが賑わっています。

株式市場は盛んになり、インバウンドで稼ぐお店やホテルが賑わっているようですが、一向にZ世代が元気な話は聞きません。

むしろ、生まれてこのかた衰退する日本しか見ていないので、地味に、質素に生活するほうが身についているようですし、相変わらず受験と就活にのみ人生の焦点が当てられているようです。

いまの若い人は、あと90年、ひょっとしたら100年生きる可能性があります。

若いときから元気がなければ、どうするのかしら。

それでも日本は安全でおいしくて、海外に目を向ける必要がどこにある、という感じですねー。

ああ、留学カウンセラーとしては本当にじれったい。

どうする日本!!


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著者情報:栄 陽子プロフィール

栄 陽子留学研究所所長
留学カウンセラー、国際教育評論家

1971年セントラルミシガン大学大学院の教育学修士課程を修了。帰国後、1972年に日本でアメリカ正規留学専門の留学カウンセリングを立ち上げ、東京、大阪、ボストンにオフィスを開設。これまでに4万人に留学カウンセリングを行い、留学指導では1万人以上の留学を成功させてきた。
近年は、「林先生が驚いた!世界の天才教育 林修のワールドエデュケーション」や「ABEMA 変わる報道番組#アベプラ」などにも出演。

『留学・アメリカ名門大学への道 』『留学・アメリカ大学への道』『留学・アメリカ高校への道』『留学・アメリカ大学院への道』(三修社)、『ハーバード大学はどんな学生を望んでいるのか?(ワニブックスPLUS新書)』、ベストセラー『留学で人生を棒に振る日本人』『子供を“バイリンガル”にしたければ、こう育てなさい!』 (扶桑社)など、網羅的なものから独自の切り口のものまで、留学・国際教育関係の著作は30冊以上。 » 栄陽子の著作物一覧(amazon)
平成5年には、米メリー・ボルドウィン大学理事就任。ティール大学より名誉博士号を授与される。教育分野での功績を称えられ、エンディコット大学栄誉賞、サリバン賞、メダル・オブ・メリット(米工ルマイラ大学)などを受賞。

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