アメリカの大学は共学が主流。それでも見逃せない女子大の強みとメリット

セブンシスターズがファイブシスターズに

アメリカの女子大学についてオンラインで講演してほしいという依頼が、ある教育機関から寄せられました。

女子大なんて久しぶりに聞きました。

そういえばセブンシスターズなんてどうなってるのかしら、とあらためて見てみると、ファイブシスターズになっていました。

アメリカの名門校をアイビーリーグと呼んでいて、ハーバード大学やプリンストン大学など8校あります。

これらの大学の女性版として、7校の大学をセブンシスターズと呼んでいます。

日本の女子大学の草分け的存在の津田塾大学は、創始者の津田梅子がアメリカのセブンシスターズの1校、ブリンマー大学に留学していて、その経験を生かして創立しました。

このブリンマーは残っていて、ペンシルベニア州フィラデルフィアにあります。

当研究所からも、アメリカのボーディングスクール(寮制の高校)に留学して、その後ブリンマーに進学した人がいます。

ラドクリフという女子大はもともとハーバード大学の横にあって、1977年にハーバードに吸収されてしまいました。

ちなみにハーバードは1945年まで男子校でした。

コロンビア大学も、もともと男子校で、同じキャンパスにバーナードという女子大があります。

コロンビアは1983年に共学化しましたが、バーナードはいまだに女子大として残っています。

ヴァッサーというニューヨーク郊外にある大学は、やはり男子校だったイェール大学からの合併プランを断り、1969年にはそれぞれの大学が独自に共学化を遂げました。

したがって、いまやセブンがファイブになっています。

昔は男子・女子と分かれていることが多く、ハーバード大学などが男子校だったのですから、女子校がたくさんあっても不思議ではありません。

まず自然の成り行きだと思います。

女性のリーダーを育てるために

男女共学が盛んになってから、女子大学の意義といったものが議論されるようになりましたが、そこで「女性のリーダー」という言葉がよく聞かれるようになったと思います。

ヒラリー・クリントン女史はセブンシスターズの1校ウェルズリー大学出身で、女性として初めて大統領候補に立候補しました。

「アメリカ初の女性大統領誕生か?」と盛んに言われ、ご本人もガラスの天井を突き破ると言っていましたが、トランプさんに破れてしまいました。

女性がリーダーになるのは、いまでもなかなかむずかしいようです。

男子がいないほうが勉強に集中できる?

女性のリーダーを育てるのに女子大学はとてもいいという意見があります。

たとえば、男性がいないほうが、女性たちは本来の力を発揮して、意見を戦わせたり、どんどん勉強するようです。

大学生は、恋も盛んな年頃です。

同じクラスやディスカッションの場にいい男がいたら、ついついそちらに気をとられて、意見も控えめにし、勉強もおろそかになるということのようです。

女性ばかりなら、少々お化粧がくずれていようが、寝起きのちゃんと櫛を入れていない髪でも気にしない、ということでしょうかねぇー。

ハンサムな男がいたら、ついつい、あまり強いことを言ったらイヤがられると思ってしまうのかしら。

やっぱり女性は、男女平等だの何だといっても、シンデレラ姫願望から抜けられないのでしょうか。

卒業生の寄付が大学の危機を救う

話は変わりますが、セブンシスターズには属さない女子大で、スウィートブライヤーという大学がバージニア州にあります。

本当に美しいキャンパスをもつ大学で、名門です。

教授がたもとても立派で、よい教育に専念するあまり、大学経営という金銭面のことがすっかりおろそかになり、2015年に閉校せざるを得ないことになりました。

まぁ企業でいう倒産ですね。

このニュースが出るやいなや、全米のスウィートブライヤーの卒業生からどんどん寄付が集まって立ち直り、いまも存続しています。

セブンシスターズの卒業生に漏れず、この大学の卒業生もお金持ちの人が多いのです。

本人が何かしているということもありますが、夫や親が大金持ちの場合も多々あります。

がんばれ女子大

個人的な意見ですが、女性はリーダーとしてふさわしいと思っています。

女性は男性に比べて、権力欲や金銭を独り占めするということが少ない傾向があります。

また、子どもを産み育てた経験のある人は、我慢することや、世の中にはどうしようもないことがあるということをよく知っていて、人を蹴落としたりすることも少ない傾向にあります。

あくまで私の個人的意見です。

女性は平均年齢が88歳ですから、40歳くらいからもう一度、学び直せるリーダー養成の大学があってもいいと思うのですが。

さて、もう1つ、アメリカの女子大のことをいえば、他の大学に比べて奨学金をたくさんくれるはずです。

女子大を存続させるのに、たくさんの優秀な学生を集めるために太っ腹です。

多様性の時代ですから、いろいろな大学があってしかるべきです。

女子大がんばれ。

 

セブンシスターズについて詳しくはこちら
https://www.ryugaku.com/ugrad/elite/sevens.html

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著者情報:栄 陽子プロフィール

栄 陽子留学研究所所長
留学カウンセラー、国際教育評論家

1971年セントラルミシガン大学大学院の教育学修士課程を修了。帰国後、1972年に日本でアメリカ正規留学専門の留学カウンセリングを立ち上げ、東京、大阪、ボストンにオフィスを開設。これまでに4万人に留学カウンセリングを行い、留学指導では1万人以上の留学を成功させてきた。
近年は、「林先生が驚いた!世界の天才教育 林修のワールドエデュケーション」や「ABEMA 変わる報道番組#アベプラ」などにも出演。

『留学・アメリカ名門大学への道 』『留学・アメリカ大学への道』『留学・アメリカ高校への道』『留学・アメリカ大学院への道』(三修社)、『ハーバード大学はどんな学生を望んでいるのか?(ワニブックスPLUS新書)』、ベストセラー『留学で人生を棒に振る日本人』『子供を“バイリンガル”にしたければ、こう育てなさい!』 (扶桑社)など、網羅的なものから独自の切り口のものまで、留学・国際教育関係の著作は30冊以上。 » 栄陽子の著作物一覧(amazon)
平成5年には、米メリー・ボルドウィン大学理事就任。ティール大学より名誉博士号を授与される。教育分野での功績を称えられ、エンディコット大学栄誉賞、サリバン賞、メダル・オブ・メリット(米工ルマイラ大学)などを受賞。

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