AbemaTV【留学不要論】

留学は過去の遺物?

AbemaTVというインターネットテレビの番組に初めて出演しました。

ホリエモンこと堀江貴文氏が、オンラインがこれだけ普及して、ハーバードの授業もオンラインで学ぶことができるのだから、留学は過去の遺物だと言ったことで、留学不要論みたいなテーマの番組でした。

恥ずかしいことにAbemaTVという名前はなんとなく知っていましたが(アメーバかアベマかよくわからない)、見たことはありませんでした。

もしかしたらYouTubeで何か見ていたのかもしれませんが、それがAbemaTVだという認識はありませんでした。

出演依頼があったのも急で、台本らしいものもなく、一緒に出演する人も知らない人ばかりで(後でみんな有名人だと知りました)、カメラ1台くらいで簡単に撮影するものかと思っていましたが、テレビ朝日のスタジオで、普通のテレビと同じようにとても本格的なものでした。

一番驚いたのが、その後何日もYouTubeで見ることができ、また見ている人もたくさんいて(その数も出てきます)、コメントもたくさん付いていたことです。

私の髪型が気になるとか、高木ブーさんのお姉さんですかとか(別に気を悪くしていません)といった感想とともに、留学についての真剣な意見もたくさんありました。

若い人がテレビよりもAbemaTVのほうを見るということが実感としてわかりました。

語学留学は3か月が限度

留学というと、一般に「語学留学」を連想する人が一番多いようです。

留学エージェントと呼ばれるものがたくさんあります。

それもできては消え、という状況ですが、彼らも語学留学を売り物にしています。

1週間から長いもので1年です。

一時、費用が安いということでフィリピンへの語学留学が人気でした。

ワーキングホリデーというのも、留学の中に入っているようです。

実際、ろくに英語のできない人が、ちゃんとした仕事に就けるわけがないのですが、まるで、いい仕事をしながら英語を学べるみたいなノリで一時ブームでした。

ニュージーランドの農場で日本人が数人かたまって働いているなんて話がチラホラあって、日本に来ているベトナムの実習生と同じことをタダでやるようなもので、英語の勉強にもなりません。

語学留学はホームステイが定番です。

コロナで受け入れる家庭も少なくなったと思いますが、アメリカではワクチンが着々と功を奏してきていますから、来年あたりは、またホームステイ先が出てくるかもしれませんね。

もちろん有料で、いわゆる日本の昔の下宿です。

カリフォルニアなどでは、コロナ前は1か月1,500ドルくらいしていました。

外国での生活が始まると、最初は緊張するし、さぁ英語をモノにするぞ、という意気込みもあってアドレナリンが分泌し、なかなかいいのですが、数週間もするとだいたいの日常生活は、もともと中学校で習ったくらいの英語で事足りるようになります。

そもそも語学学校には先生以外はアメリカ人はいないので、ついつい日本人と楽しく生活するようになります。

日本人とは絶対に話さない、という人もたまにいますが、それも変な話ですしねぇ。

語学留学は3か月が限度だと思います。

オンラインで英語の授業を受けるのは簡単ではない

当研究所でやっているような留学は、わざわざ「正規留学」と言わなければなりません。

正規留学している学生のことを、英語ではDegree-seeking Studentといいます。

学位取得をめざしている学生という意味です。

2020年は、コロナでアメリカのどの大学もオンライン授業になりました。

留学中の人も日本に帰ってきて、オンラインで授業を受けた人たちがいます。

東部(ボストンなど)の大学の授業を受けるのは、どうしても時差の関係で夜中から明け方になり、何年かアメリカで英語で授業を受けた経験があっても、なかなかむずかしいものでした。

もともとオンライン教育が発達していたアメリカの各大学は、コロナ禍でものすごいスピードで内容をグレードアップさせたようで、大学院生についてはその数が増えたくらいです。

ただ彼らは、キャリアを上げる、資格をとる、など目的がハッキリしていて専門性が高いので、学習の姿勢がそもそも違うのだと思います。

まったく英語で授業を受けたことがない人が、突然、ハーバードの授業を受けるのはなかなかむずかしいことでしょう。

思いがけない反響が続々と

AbemaTVの収録ではそんな話にならず、語学留学の失敗例や、外国に行きたい・行きたくないなどの話が中心で、私は英語「を」勉強することと、英語「で」何かを学ぶことは違うし、むしろ英語「で」のほうが苦しくても英語力がアップするという話をしたのですが、話があちこちに飛んで、それなりにおもしろい時間でした。

その後、いつでもYouTubeで見ることができて、また本当にたくさんの人がいろいろな意見を書きこんでいて、人間の考えかたって本当はこれほど多様なのかと驚きました。

AbemaTVに出演できたことで、いまの若い人たちのメディアの使いかたについて大変勉強になりました。

私は74歳で、7月にはワクチンを打ちます。AbemaTVの刺激で若返りました。

※番組へのリンク(YouTube)
【英語力】「学ぶ場所を変えたってモノにならないわよっ」オンライン時代にコスパ悪い?1万人の留学志願者にアドバイスしたゴッドママと考える留学不要論【EXIT】

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著者情報:栄 陽子プロフィール

栄 陽子留学研究所所長
留学カウンセラー、国際教育評論家

1971年セントラルミシガン大学大学院の教育学修士課程を修了。帰国後、1972年に日本でアメリカ正規留学専門の留学カウンセリングを立ち上げ、東京、大阪、ボストンにオフィスを開設。これまでに4万人に留学カウンセリングを行い、留学指導では1万人以上の留学を成功させてきた。
近年は、「林先生が驚いた!世界の天才教育 林修のワールドエデュケーション」や「ABEMA 変わる報道番組#アベプラ」などにも出演。

『留学・アメリカ名門大学への道 』『留学・アメリカ大学への道』『留学・アメリカ高校への道』『留学・アメリカ大学院への道』(三修社)、『ハーバード大学はどんな学生を望んでいるのか?(ワニブックスPLUS新書)』、ベストセラー『留学で人生を棒に振る日本人』『子供を“バイリンガル”にしたければ、こう育てなさい!』 (扶桑社)など、網羅的なものから独自の切り口のものまで、留学・国際教育関係の著作は30冊以上。 » 栄陽子の著作物一覧(amazon)
平成5年には、米メリー・ボルドウィン大学理事就任。ティール大学より名誉博士号を授与される。教育分野での功績を称えられ、エンディコット大学栄誉賞、サリバン賞、メダル・オブ・メリット(米工ルマイラ大学)などを受賞。

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