留学生のための大学キャンパス訪問記:Swarthmore College スワースモア・カレッジ

みなさん、こんにちは。アメリカの高校で進路指導のカウンセラーをしている佐和です。

今日はペンシルベニア州にあるスワースモア・カレッジ(Swarthmore College)を訪問してきました。

Swarthmore Collegeは大都市フィラデルフィア(人口151万人)から電車で30分くらいの、のどかな町の丘の上にある名門リベラル・アーツ・カレッジです。1864年に設立されました。電車の駅を出るとすぐに校門があります。駅の周りにはいくつかカフェやレストランなどがありますが、基本的にはとても静かなところです。

Swarthmore College
Swarthmoreのキャンパス

名門大学3校の協定

Swarthmore Collegeは、Haverford College、 Bryn Mawr Collegeと共に「トライ・カレッジ・コンソーシアム(Tri-College Consortium)」というシステム(協定グループ)に属しており、学生はこれら3つの大学いずれにおいても授業を受けたりカフェテリアで学食を楽しんだりすることができます。大学側からも、自校以外の大学で授業をとることが推奨されています。

でもSwarthmore Collegeの学生たちは、Haverfordや Bryn Mawr ほど、お互いの行ったり来たりはないかもという感じでした。HaverfordとBryn Mawr は徒歩で5〜10分ほどの距離ですが、Swarthmoreへはシャトルバスで30分くらいかかるので、それも影響していると思います。

ちょっと聞いてみると、1クラスの学生数はだいたい15人くらいですが、そのうち2, 3人はHaverfordや Bryn Mawr からの学生とのこと。

Haverfordや Bryn Mawrではクラスの半分くらいが他大学の学生で占められていたので、やはりSwarthmoreはちょっと違うようですね。

ほかにこの大学は「クエーカー・コンソーシアム(Quaker Consortium)」にも所属しています。この協定により、学生はペンシルベニア大学の教養学部と経済学部(ウォートン・スクール)での授業を受けることも可能です。

Swarthmore Collegeのキャンパスツアー

今日のツアーには合計60人ほどの人が参加しました。インフォメーション・セッションでは、アドミッションズ・オフィスのメンバーと学生が一緒に説明してくれました。

その後4グループに分かれて、1時間ちょっとキャンパスを歩き回りました。私たちのグループをガイドしてくれたのは、コンピュータ・サイエンスを専攻している女子学生で、カナダ出身です。妹さんもここで勉強しているとのこと。「とてもここが気に入ったという話を妹にしたら、彼女も来た」のだそうです。

サイエンスセンター
サイエンスセンター

上の写真は、Maxine Frank Singer Hallといって、エンジニアリングとサイエンスのセンターです。2020年にオープンしたばかりで、理工系でも専攻がいろいろと異なる学生たちが、お互いを刺激し合いながら学べるようにデザインされているそうです。学生ラウンジや中庭などもあります。

また、新しいCampus CenterとCafeteriaが2023年にオープンするとのこと。工事中でしたがすごく素敵なスペースになると思います。

下の写真は図書館。7:00から夜中の2:00までオープンしています。

図書館
図書館

Swarthmoreはここが違う

ツアーとインフォメーション・セッションに参加して感じたのは、この大学は本当に学ぶこと自体にとても興味がある学生を探しているんだなぁということ。

もちろんクラブ活動やリサーチ、週末の息抜きも大切にしているのですが、それよりも何よりも知的好奇心が豊かな学生でいっぱいで、お互いを刺激し合っているのが感じられます。

とある経済学専攻の4年生は、「みんな自分がとっている授業がすごくおもしろいので、その日に学んだことをみんなでシェアするの。だから毎学期10科目くらいの授業をとってるみたい」と笑っていました。

卒業生の博士号取得率も全米で屈指なのですが、本当にこんな環境だからこそなのだなぁと納得させられました。

充実したTAシステム

授業のここがわからない! というときには教授のオフィス・アワーに行くのが一番だと思いますが、ここはTAシステムがとくに充実していると思います。

TAはそのクラスをとったことがある上級生がアルバイトで下級生を教えるシステムで、Swarthmoreでは科目ごとにTAにかわいい名前がついています。たとえば数学ならTA・Ninja(忍者)、物理学はTA・Pirates(海賊)などです。「ちょっと忍者に質問してくる」なんてことを言ったりするわけですね。それぞれの科目のTAが毎日夕方から深夜までスタンバイしているとのことです。

キャッシュフリー・キャンパス

大学もこのような知的好奇心いっぱいの学生を大切にしたいと考えています。Swarthmore は全米でも数少ないNeed Blindの大学です。

Need Blindって聞いたことがないかもしれませんが、大学側が入学生を選抜する際に、学生が奨学金や財政援助が必要かどうかをまったく考慮に入れない大学のことをいいます。つまり、入学生としての資質を満たした学生は、家庭の経済状況にかかわらず、大学が金銭的な保障をするということです。

そして大学内も、ほとんど何もかもが無料になっています。プリンターやコインランドリーはもとより、大学内のイベント、フィールド・トリップまですべて無料。夏に大学に残ってリサーチをしたいときもほとんどの場合補助金が出るため、安心して研究に打ち込めるようになっています。

樹木園としてのキャンパス

大学のキャンパス425エーカーは樹木園(Arboretum)として承認されていて、敷地内はびっくりするくらいたくさんの種類の植物にあふれています。本当に植物園を歩き回っているような感じでした。

アドミッションズ・オフィスの前に大きなバラ園があり、普段はもちろんバラを折るのは禁止なのですが、卒業式のときにはここから一輪のバラをいただけるのが伝統だそうです。

うちの高校生の娘はここがとても気に入ったみたいでした。以下、彼女のコメントです。

  • キャッシュフリー・キャンパスはとてもいい。やはりお金がないとできないことがたくさんあるキャンパスは多いので(都市にあるキャンパスはとくにその傾向があります)、それを大学側が考慮してくれるのはとてもいい。
  • 本当に勉強に打ち込んでいるのがかっこいいという雰囲気。またストレスが溜まってもみんなで一緒だから大丈夫! という感じ。
  • キャンパスに自然にあふれていて、とてもリラックスした環境。車の騒音がまったくない。でも30分ですぐフィラデルフィアに行けるのもいい。

とのことでした。

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