留学生のための大学訪問記:Reed College リード大学
みなさん、こんにちは。まだまだ夏休み、とっても暑い毎日です(2021年8月時点)。
みなさんはどう過ごされていますか?
今日はちょっと足を伸ばしてオレゴン州ポートランドのリード大学(Reed College)を訪問してきました。ユージーンの自宅から車で2時間ちょっとです。
リード大学のキャンパス
1908年に設立されたリード大学は、学生数約1,500人、私立のリベラルアーツ・カレッジです。
ポートランド市の東南に位置する116エーカー(東京ドーム10個分)のキャンパスには緑があふれていました。
100種類以上、200本の木がキャンパスにあるそうで、それらの木をカタログしたマニアックな地図も構内にありました。
また116エーカーといっても、ほとんどの建物はキャンパス中心に集中しているので、簡単に歩き回れるサイズです。
リード大学の特徴
アメリカのリベラルアーツ・カレッジには、それぞれ独自のカラーがありますが、リード大学はその中でもとくに独特な学風で知られています。
ちょっとその辺りをお話ししましょう。
リード大学の特徴 1:博士課程まで進む学生がずば抜けて多い
リード大学はとても知的レベルの高い大学で、授業のスピードも早く、宿題もかなり出るらしいです。アメリカの大学はどこもそうですが、リード大学はその中でも本当に真剣に学ぶことを求めている学生がアメリカ中から集まってきています。
入学したての学生に「大学院進学を考えているか」と聞くと、だいたい4人に1人がイエスと答えるそうですが、最終的には何と4人に3人の学生が博士課程まで進むそうです。これは全米でもトップに近い割合です。
リード大学の特徴 2:いろんな学生がいる
これはリード大学だけのことではないのですが、学生のプロフィールを見てみると、本当にいろんな学生が在籍していることがわかります。
黒人やヒスパニック系の学生はもとより、アジア系の学生も2割以上いて、リベラルアーツ系の大学にしてはとても多いほうです。LGBTQの学生もかなりいますし、留学生も11%を超えています。
リード大学の特徴 3:とてもリベラル
リード大学はアメリカでも有名な名門大学ですが、従来の大学ランキングにはなぜか高い評価をされていません。
じつはこのリード大学、昔からランキング調査会社へ必要なインフォメーションを提供することを拒否しているのです。
こんなエピソードからも、何ごとも従来のシステムにとらわれずに自由に考えていくことが大切だと考えるリード大学の精神がうかがわれますね。
またスティーブ・ジョブスがしばらく在籍していたことでも有名です。彼は6か月でさっさと中退してApple社を設立しましたが、たとえばギャップイヤーをとって世界を旅行して回ったりする学生もかなりいます。秀才だけでなく、ちょっとくせのある学生が集まってきているような感じがします。
ギャップイヤーについてはこの記事を参照してください!
リード大学の特徴 4:インクルーシビティ(だれでも受け入れる)
一般的にいって、アメリカの大学のクラブにはだれでも入れるクラブとそうではないクラブがあります。
フラタニティやソロリティ、そしてNCAAに属するスポーツチームなどがその例です。
リードではそれは排他主義だという考えで、すべてのクラブがオープンとなっています。
オーケストラなども普通はオーディションに受からないと参加できませんが、リードではオーディションに受からなかった学生には無料の音楽教師をつけ、実力がついたらオーケストラに参加できるように配慮しています。
スポーツチームも、だれでも参加できるものばかりです。同じポートランドにある地元の大学と時々対戦するくらいでのんびりしています。もちろんNCAAのフットボールなんて影も形もありません。
フラタニティとソロリティについてはこの記事を参照してください!
リード大学のキャンパスツアー
この日は猛暑でキャンパスツアーが中止となってしまったので、娘と歩き回っていくつか写真を撮りました。
キャンパスに入ると最初に見えるのはアドミッションズ・オフィス(入学審査を司る部署)が入っているElliot Hallです。
下の写真がBiology and Physics Building。サイエンス系の施設はみんなこの近くに集まっていました。
敷地内に立派な川が流れています。下の写真は、その上にかかる吊り橋から。川沿いに散歩もできます。
ちょっと見ていると近所の住民も犬の散歩などをしている様子です。ずっと向こうに見えるのは屋外シアター。吊り橋の向こうにはスポーツジム、学生寮、アパートなどがあるようでした。
リード大学の魅力
うちの16歳の高校生によると、
- ポートランドの市内まで無料シャトルで10〜15分、ポートランドで一番有名なビンテージ・ショップ・エリアまでもすぐに行けるのはいい。
- 他の大学ではクラブに応募しても入れなかったりすることもあるけれど、いつでもだれでも歓迎というのは嬉しい。
- (彼女は数学とお菓子を焼くのが好きなのですが)Women’s Mathmatical Pie Society というクラブがあって、とても楽しそう。
とのことでした。
アメリカでは、大学選びはランキングよりも相性が一番大切といわれていますが、このリード大学も相性がマッチした学生なら本当に充実した4年間を過ごせそうな大学でした。
著者紹介
アメリカのオレゴン州在住の山本佐和です。アメリカ生まれで、子どもの頃からずっと日本とアメリカを行ったり来たりして育ちました。大学生の息子と娘、高校2年生の娘がいます。
山本佐和さんの記事一覧
- 第1回 コロナ禍だからこそ、普段できない生きかたを。アメリカの大学生たちのポジティブな発想
- 第2回 大学に受かったけど入学を延期して好きなことをしてみたい。アメリカの大学の「ギャップイヤー」について
- 第3回 ハーバードもキャンパスをオープン。厳しい隔離ルールを紹介します
- 第4回 アメリカの大学の「スポーツ推薦枠」。学業優先の大学スポーツのありかたを、解説します!
- 第5回 2021年9月に新年度を迎えるアメリカの大学。コロナ対策は? ワクチンは?
- 第6回 留学生のための大学訪問記:University of Washington ワシントン大学
- 第7回 留学生のための大学訪問記:University of Oregon オレゴン大学
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