留学しないとわからない! アメリカの大学の社交組織

留学体験記  2018年08月31日

こんにちは! アメリカのウィスコンシン州にあるベロイト大学に留学中の平沢 優子です。

アメリカ大学には、「フラタニティ(Fraternity)」「ソロリティ(Sorority)」という学生組織があります。初耳の人も少なくないと思います。日本の大学にも存在しないので、なかなか想像もつきにくいのではないでしょうか。

私自身、フラタニティとかソロリティが何なのか、留学当初はわかりませんでした。それが話を聞いているうちに興味を抱き、ソロリティとのかかわりをもつようになりました。

今回は、このフラタニティとソロリティについて、私の経験を軸にお話ししたいと思います。


ソロリティのパーティで

フラタニティ・ソロリティとは何か

アメリカの大学には、必ずといっていいほどフラタニティとソロリティが存在します。独特な存在なので説明がむずかしいのですが、結束がとても強いクラブといえばいいでしょうか。フラタニティは男子学生の集まり、ソロリティは女子学生の集まりです。日本の大学のサークルやクラブのように、特定のスポーツや興味を共有する学生たちの組織ではないのが特徴です。

2字か3字のギリシャ文字で名称がついていることから、一般に「Greek」と呼ばれます。

ベロイト大学には以下の6つのグリーク組織があります。上の3つがソロリティ、下の3つがフラタニティです。

ΑΣΤ (Alpha Sigma Tau)
ΚΔ (Kappa Delta)
ΘΠΓ (Theta Pi Gamma)
ΦΚΨ (Phi Kappa Psi)
ΣΧ (Sigma Chi)
ΤΚΕ (Tau Kappa Epsilon)

これらのフラタニティとソロリティには何百年にもなる長い伝統があり、創立時から受け継がれているやりかたで、メンバーになるための「儀式」があったり、さまざまな行事・イベントが行われていたりします。

メンバーになると、フラタニティではBrotherとして、ソロリティではSisterとして、兄弟・姉妹のような特別な関係を築くことになります。メンバー同士が固い絆で結ばれ、お互いをサポートします。

望めばだれでもメンバーになれるかといえばそうではなく、まずはフラタニティあるいはソロリティにスカウトされなければなりません(最終的な入会の意思決定は本人がします)。

ベロイト大学には、Nationalと呼ばれる全米規模のフラタニティ・ソロリティと、Localと呼ばれるベロイト大学のみにあるフラタニティ・ソロリティがあります。

フラタニティ・ソロリティのメンバーになる過程


私が入ったソロリティの「ハウス」

「What happens here stays here.(ここで起きたことは外に漏らさない)」とは、グリーク組織ではよく言われる文句です。個々のフラタニティ・ソロリティごとに、外部者には話してはいけない「秘密ごと」がたくさんあります。メンバー選びやメンバーになるための一連の過程も、そのような秘密ごとの1つです。

メンバー選びは各学期に1度行われます。「ラッシュウィーク(Rush Week)」と呼ばれる週があり、そこでメンバーになりたい学生は「ラッシュイベント(Rush Event)」に参加します。そこで個々のフラタニティやソロリティのメンバーと接し、その組織が自分に合っているかどうかを検討します。

ラッシュイベントに積極的に参加し、メンバーと交流を深めることが、後にメンバーの候補として選ばれるためには欠かせません。

私が参加したときは、タイダイ(Tie Dye:Tシャツをゴムで結び、カラフルなインクで染める)イベントや、手づくりブラウニーを食べながらメンバーと会話をするイベントなどがありました。イベントは学期や組織で異なり、それに参加するだけでも楽しいです。

メンバー候補として選ばれると、ビッド(Bid)と呼ばれる招待状が届きます。Bidが届いてから、そのフラタニティ・ソロリティに入るかどうかを自分で決めます。入ると決めた場合には、そこからメンバーになるためのプロセスが始まります。その過程で、各フラタニティ・ソロリティの歴史などの勉強もしていきます。

フラタニティ・ソロリティは何をするのか

メンバーになると、「チャプター(Chapter)」と呼ばれる集会に週に1度参加します。そこではフラタニティ・ソロリティの運営管理について議論したり、その週のニュースなどを話し合います。

また、メンバーになるとボランティア活動コミュニティサービス(地域奉仕活動)もしなければいけません。そのほか、スタディアワー(Study Hour)という時間が設けられていて、その時間に図書館でほかのシスターと勉強することもできます。

週末のパーティも、フラタニティ・ソロリティの恒例イベントです。ソロリティのメンバーのみが出席するパーティや他のソロリティ・フラタニティとの合同パーティ、また学期末にフォーマルパーティを開催したりもします。

私がソロリティに入ろうと思ったわけ


ソロリティのシスターたちと

私はローカルソロリティに入りました。

入ろうと思った理由は、

  • もともと知っている友だちがそのソロリティに入っていたので、話を聞くチャンスがあったこと
  • もっとアメリカ人との交流を増やしたかったこと
  • そもそも日本には存在しないので、興味があったこと

などです。

メンバーになる過程は「プレッジ(Pledge)」と呼ばれは、イベント・集まり・テストのようなものや、大人数の前で話す機会がたくさんありました。そのため、不安に思うときもありました。

でも、ソロリティを通して多くの知り合いや友だちをつくることができました。キャンパス内のどこを歩いていても、“Hey Yuko!”と声をかけてくれるシスターや、何かがあるとサポートしてくれるシスターがいます。私のピアノの発表会のときはたくさんのシスターが聴きに来てくれました。

また、同じ時期に入ったメンバーは、他のシスターとはまた違った絆で結ばれているような気がします。「ソロリティ」とは、私にとって、まさに多種多様な人と出会うきっかけとなった場所です。入っていなければ話すこともなかったかもしれない人とも、親交を深めることができました。

私がソロリティをやめたわけ

私は、「ソロリティ」というものに一度はトライをしてみてよかったと思っています。しかし、結果として私は「go inactive」つまり「やめる」という決断をしました。簡単にこの決断を出せたわけではありません。仲のいいメンバーのことを考えて何度も迷いました。

私がこの決断をした理由の1つが、ソロリティへの「Commitment(費やす時間や努力)」の大きさです。

ソロリティのシスターは、集会、ボランティア活動、パーティでのセキュリティシフト、ハウスの掃除など、やることがたくさんあります。

私はそれらに加えて、勉強はもちろん、日本語のチューター(補講)の仕事、I-club(インターナショナルクラブ)の代表としての仕事など、毎日忙しい日々を送っていました。

そして、だんだんソロリティの活動が私にとって「楽しいもの」よりも「負担」となってしまいました。またピアノのクラスをとって、自分の好きなピアノにもっと多くの時間を費やしたいと思いました。

そしてたどり着いた結論が、「すべてをやるのではなく、いま自分が本当にやりたいものをやる」だったのです。

私はこの「Go Inactive」をネガティブには捉えていません。ソロリティから少し距離を置くことで、ソロリティが私にとってどのようなものだったのか、よく考えたいと思っています。また、ソロリティをやめても、仲よくなったシスターたちは、もちろんいまでも仲のいい友だちです。入ってみてマイナスになることは何もありませんでした。むしろ、アメリカ独特の文化に触れるとてもいい経験になりました。

まとめ

私自身、ソロリティを通して学んだことはたくさんあります。

フラタニティやソロリティがどのようなものか気になっている人は、挑戦してみるのもいいと思います。アメリカの大学に独特の文化に触れるいいきっかけになるとも思います。たとえば、みんなで集まったときにする「口遊び」も、私たち留学生にとっては新鮮です。ただ、パーティばかりしているフラタニティなどもあるようですので、慎重に判断してください。

 

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