25ページの英語論文を提出! アメリカの大学のリサーチとは?

留学体験記  2020年03月12日

こんにちは! アメリカのベロイト・カレッジに留学中の平沢 優子です。

今回は、私が履修した教育学のリサーチクラスについてお話ししたいと思います。

リサーチクラスでは、自分の興味・関心があることを1学期間かけてリサーチをします。私がとったリサーチクラスには、10人も学生がいませんでした。そのほとんどが3・4年生です。それぞれ違うリサーチをしながら、みんなで仲よく取り組みました。そして最終的には、25ページにもなる論文を書きあげました。


キャンパスの風景

リサーチのクラスをとろうと思ったきっかけ

私は教育学を副専攻として学んでいます。そのため、上級レベルのクラスをとる必要がありました。そこで、上級のリサーチクラスをアカデミック・アドバイザーの先生に勧められました。私自身、教育学という幅広い分野の中でも自分の興味・関心がはっきりわかっていたので、それにファーカスできるリサーチクラスは私にとって最適だと思ったのです。

履修しようという決意はしたものの、じつはどんなリサーチをしたらいいのか、明確なアイデアはありませんでした。また、それまで10ページ程度のレポートを書くことはたくさんありましたが、20ページ以上にも及ぶ長いレポートを書いたことはありません。

そんな不安はあったものの、「まあどうにかなるだろう」といつもの私の調子で、履修登録を済ませました。

リサーチクラスの授業

学生はそれぞれのリサーチを進めながらレポートを書いていきます。

各自が自分自身のリサーチを行いますが、少人数のクラスだったということもあり、クラスメイト同士がとても仲よくなり、教授も含めてクラス全体で「一緒にリサーチを進めていく仲間」といった感じになりました。

リサーチのトピックを決める

授業開始1週目にはリサーチのトピックを決めます。

授業初日、クラスで円になり1人ひとり何をリサーチしたいかを話しましたが、「あ、何も決まってない。やばい!!」と思いながら、自分の関心のありそうなことを言ったのを覚えています。

学生によってトピックはさまざまで、人種に関すること(たとえば「交友関係を築く中で人種がどのような役割を果たすのか」)や、障害者学級にフォーカス当てたものなど、それぞれユニークなものでした。

私は、他の学生とブレインストーミングをするうちに、ボンヤリしたアイデアは2つ浮かんできたものの、なかなか正確には決められませんでした。

そこで、とりあえず教授のオフィスを訪ねて相談することにしました。そして、「ぼんやりとしたアイデアは2つあるものの、どっちにしたらいいかわからない。そもそもそれがよいアイデアかどうかもわからない。」と正直に伝えました。また、どうしてその2つのトピックに興味をもったのか、自分の経験をもとに話しました。

結果的に、自分の頭の中でボンヤリしていたものがはっきりしました。また、両方のトピックの話をするうち、「バイリンガルの話をしているときのほうが楽しそうだし、いいエピソードもたくさん話していたよ」と言われ、バイリンガルについてのリサーチをすることに決めました。

アメリカの大学では、どんなときでも(授業で少し遅れをとっていると思ったときでも、内容がさっぱりわからないというときでも)とりあえず教授に聞くのがベストだと再認識しました。教授は必ず親身になって話を聞いてくれます。

リサーチを進めていく

最終的に私は「バイリンガルとアイデンティティの関係性」についてリサーチをすることに決めました。

リサーチをする上で、日本語と英語のバイリンガルに焦点を当て、

  • 日本語の敬語がどのように話者のアイデンティティや会話に対する態度に影響を与えるのか
  • 言語の流暢さはアイデンティティ形成の中でどれだけ大切か
  • バイリンガルであることはアイデンティティ形成をむずかしくするのか

など、いくつかの問いをもとにリサーチを進めていきました。

このリサーチクラスでは、ただ文献を調べてレポートを書くのではありません。「フィールドトリップ」を行います。「フィールドトリップ」とは、実地(大学のそばにある学校や施設など)で調査することをいいます。

私は、幼少期から英語と日本語の両方の言語に触れバイリンガルになった学生を対象にリサーチをしたので、フィールドトリップでは他の施設に行くのではなく、大学内の学生をインタビューしたりオブザベーション(観察)をしたりしました。

フィールドトリップをもとにデータを集める上で、授業では、どのようなテクニックを使ってデータを収集・分析、さらに解釈したらいいのかということを学びました。また、YouTubeの動画を使って実際にメモをとったり観察をしたりする模擬練習もしました。

レポートを書く

リサーチをするのと同時に、ペーパーとして文章にしていく必要もあります。そこで授業内では、どのようにリサーチペーパーを書いていくのか学びました。

たとえば、イントロダクション(導入)では、

  • どうしてこのリサーチが大切なのか(Significance of Study)
  • このリサーチの目的は何なのか(Purpose of Study)
  • このリサーチをするきっかけとなった問題は何なのか(Problem of Study)

などを書く必要があります。

そして、イントロダクションの次には、

  • どのような方法でリサーチを行うのか(Methodology)
  • このリサーチでは解明できないこと・リサーチの限界(Limitation of Research)

などを含める必要があります。

通常のクラスで書くリサーチペーパー(おもに文献を基にしたレポート)ではこのような細かいことを1つひとつ書く必要はありませんでした。そのためこのクラスで、リサーチを基にしたレポートの書きかたを一から学ぶことができました。

クラス内では、クラスメイトとpeer review (お互いのペーパーを読んでアドバイスをすること)もしました。

クラス外では、それぞれのセクションを書き終えるごとに必ずライティングセンターに行きました。ライティングセンターでは、グラマーのミスがないか、私が言いたいことを適切なwordingで伝えられているかを見てもらいました。ライティングセンター「マニア」な私は、イントロダクションだけでも、数回ライティングセンターに行きました。これから留学するみなさん、ライティングセンターはぜひ活用してください。

まとめ

このリサーチクラスを通して学んだことはたくさんあります。リサーチの方法やレポートの書きかたに加えて、自分のリサーチを通してバイリンガルとアイデンティティについて興味深い発見も多くできました。

このリサーチクラスで一番むずかしかったのは、やはりトピックを決める作業でした。しかし同時に、これから1学期間かけてするリサーチのトピックを選ぶのは、ある意味、可能性に溢れていて一番楽しかった作業でもあります。さらに深くバイリンガルについてのリサーチをしていこうかなというプランも浮かんできました。

 

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