専攻を変えられる! アメリカの大学の魅力
みなさんこんにちは! アメリカのベロイト・カレッジに留学中の平沢 優子です。
「アメリカの大学で何を勉強してるの?」これは私がよく聞かれる質問の1つです。そこで今回のブログでは、日本の大学とアメリカの大学の両方を経験している私が、どのように専攻(メジャー)を決めたのか、お話ししたいと思います!
日本の大学とアメリカの大学の違い
日本の大学とアメリカの大学の大きな違いの1つは、アメリカの大学では入学時にメジャーを決めなくてよいということです。
日本の大学では、受験の時点で学部を決めなければなりません。大学に入る前に、自分が何をしたいのか知っておかなければいけないというわけです。
しかし実際は、みんながみんな何を勉強したいのかわかっているわけではありません。大学に入学してから勉強したいものが変わる可能性もあります。
日本の大学での学部選び
私は、アメリカの大学に編入する前に、日本の大学に1年半通いました。英語を(使って)勉強したかった私は、英語で授業を行う教養学部に入学しました。
教養学部では、1つの分野ではなく、経済学、政治学、文学などさまざまな分野のクラスを幅広くとります。高校3年生のとき、私は他の学部にはまったく興味がなく、迷うことなく教養学部を選びました。
でも、いま振り返ると、他の学部も考慮に入れていたらどうなっていたんだろうとも思います。日本では、大学に入学すると学部を変えることはなかなかできません。大学4年間に勉強する分野を決めなければならないのは、10代の高校生にとっては荷が重すぎる気もします。
アメリカの大学でメジャーを決める
さて、私はアメリカの大学に編入したら日本とは違うメジャー(専攻)にしようと考えていました。
私の場合は編入での留学だったので、出願するときのエッセー(自己アピールの作文)を書く際に、何を勉強したいかすでに明確ならば、それをエッセーのなかで書いたほうがいいとカウンセラーからアドバイスをもらいました。でも、決まっていなかったとしても、「何を勉強したいのかを見つけるためにその大学に編入したい」と書いてもいいと教えてくれました。
そこで、エッセーを書く段階で、自分は何が好きで、何に興味があるのかを紙に書き出しながら考えてみました。
私がたどり着いたのは、Linguistics(言語学)とInternational Relations(国際関係学)です。
言語そのもの(言語の成り立ち、音声、言語が話し手に及ぼす影響など)に興味があったことと、世界で起きている問題(たとえば移民問題、貧困問題など)やその解決策について考えることが好きで、より深く知りたいと思ったからです。
また、ピアノを幼い頃から習っていたので、音楽をマイナー(副専攻)にするのもいいなと考えていました。日本の大学で音楽を学ぶには音大に行かなければいけませんが、アメリカの大学では、もっと気軽に、他の教科を勉強しながら音楽を学ぶことができるのがとても魅力的だと思いました。
専攻を経済学にする
アメリカの大学に来て1学期目の終わりにメジャーをdeclare(自分のメジャーを公式に決めることを言います)しました。
そこで私が決めたのは、言語学(私の大学には言語学というメジャーはないので、言語学も含むAnthropology(人類学)という専攻があります)でもなく、国際関係学でもなく、なんと経済学でした。
まったくといっていいほど経済学には興味がありませんでしたが、1学期目に経済学のイントロダクションの科目をとって、経済学もおもしろいな! と思ったのが一番の理由です。
また、International Political Economy(国際政治経済)という分野があって、もともと勉強したかった国際関係学に近いと思ったことも理由の1つです。そして、International Political Economyをメジャーにして、Politics(政治学)をマイナーとして勉強することに決めました。
国際関係学に専攻を戻す
政治学の授業の一環でワシントンDCにあるキャピタルヒルに行ったとき
留学して2学期目は、International Political Economyの専攻要件を満たすために、経済学のクラスや経済学で役に立つ数学のクラスをとるつもりでしたが、クラスが始まって1週目にして、「やっぱり経済学は自分に向いてない!!」と悟りました。
そこで登録していた4つの科目のうち3つを変更し、国際関係学にメジャーを変えることを決意しました。
変えようと思ったきっかけは、国際政治経済学といっても、あくまでも経済学の分野なので、経済学的な要素が国際政治学的な要素よりも強いと改めて気づいたことです。アプローチの仕方が国際政治学や政治学とは異なっていたり、経済学の科目をより多くとらなければならなかったのです。
もともと国際関係学をメジャーにしなかった理由の1つが、その専攻要件として、外国語を2年間履修しなければならなかったことです。留学した当初は、外国語の授業にまったく興味がなかったのですが、2学期目になって、他の言語を新たに学ぶのもいいなと思い始めました。その結果、国際関係学のほうが自分に合っていると再度気づいたのです。
教育学をマイナーにする
もともとは政治学をマイナー(副専攻)としてdeclareしていましたが、履修する科目の大部分が国際関係学と重なります。
「国際関係学にメジャーを変えたいま、政治学をマイナーとするのは意味がない」とアカデミック・アドバイザーの先生に言われました。
そこで、ほかに何に興味があるかを考えながら、ふと自分のレジュメ(履歴書)をみていたら、いままで、教育にかかわる仕事や活動を多くしてきたことに気付きました。
子どもとかかわるのが好きだと認識はしていたものの、「何かほかのことをしてみたい」という気持ちが無意識的にあり、教育学をマイナーにしようと思ったことはあまりありませんでした。しかし、いままでしてきた経験を客観的に見ることで、自分が教育学に興味があることを、ある意味自分自身に説得できた気がしました。そして、教育学をマイナーとしてdeclareしました。
音楽の授業もとる
ピアノの練習
「音楽と経済学」とか「生物学と国際関係学」というようにまった異なる分野をダブルメジャー(2つの専攻をとること)している友だちもたくさんいます。
私は、国際関係学メジャー・教育学マイナーにしましたが、ピアノの科目もとっています。
このように、興味関心に応じてメジャーとまったく異なる分野の科目がとれるのは、アメリカのリベラルアーツ大学ならではのよさだと思います。
あるとき、アカデミック・アドバイザーの先生に言われました。「何をメジャー・マイナーにするかよりも、どんな授業をとってどんなことを学ぶのかのほうが大切だ」と。
まとめ
アメリカの大学では、私のように何度も気が変わったとしても、その都度、専攻を変えることができます(あまり気が変わりすぎてしまうと、専攻要件を満たすのに時間がかかってしまう可能性もあるので気をつけてください!!)。
1・2年生のうちに何を勉強したいのかわかっている人もいますが、3年生になってメジャーを決める人もいます。
興味がないと思っていた分野でも、授業をとってみたら意外におもしろい! と思うこともあるかもしれません!
メジャー以外にも、興味がある授業をとることができる、こんなことも、私がアメリカの大学に留学してよかったなと改めて思うところです。
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