留学生のための大学訪問記:UC Berkeley UCバークレー
みなさん、こんにちは。アメリカの高校で進路相談のカウンセラーをしている佐和です。
先週、University of California Berkeley(カリフォルニア大学バークレー校/UCバークレー)を訪問してきたので、そのレポートをお届けしたいと思います。
オミクロンがまだまだ猛威を振るっているアメリカ(2022年1月時点)では、キャンパスツアーを中止している大学も多いので、行けたのはとてもラッキーでした。
UC バークレーも、やはりオミクロンのせいで参加人数を大幅に制限しているため、人気が高い週末のツアーは何か月も前に予約しないと参加できない状態です。
私たちもこの1月のキャンパスツアーの予約をしたのは去年の11月です。おかげで3万人の学生を抱えるこの大学の、1,200エーカー(東京ドーム約104個ぶん)という広々とした敷地を、1時間半のキャンパスツアーで案内してもらうことができました。
UCバークレーの図書館
参加者の多くはカリフォルニア州在住者でしたが、ニューヨークやシカゴ、またロンドンからの参加家族もいてちょっとびっくりでした。
私たちのツアーガイドはビジネスとエンジニアリングをダブルで専攻しているという、なかなかの秀才の大学3年生です。
借りられる本はなんと100冊!
カリフォルニア大学バークレー校(通称UCバークレー) はカリフォルニアの州立大学の発祥となった大学です。10大学からなる「カリフォルニア大学システム(UCシステム)」の中で最も長い歴史を誇ります。
アメリカではCal(カル:Californiaの略ですね)というニックネームで親しまれ、同じくカリフォルニア州の州立大学UCLAと並ぶ名門校です。
大学図書館はキャンパス内に26か所もあるそうですが、上に載せた写真は1886年に建てられたDoe Libraryです。蔵書数は700万、定期刊行物も10万件以上という、西海岸では一番の、世界でも有数の規模です。
学生はなんと1人100冊まで借りることができるそうです。ほとんどの本は地下にあります。
アメリカの大学では、学生が図書館で勉強している姿をよく見かけますが、このDoe Libraryで勉強した後で表口から「出る」と、図書館でせっかく学んだ知識も「出てしまう」といわれていて、学生は後ろ向きに歩いて出る(と大丈夫らしい)ようにしているそうです。名門校バークレーならではの逸話ですね。
1月末のツアーでしたが、日中の最高気温は摂氏20度くらいなので歩き回るにはちょうどいいくらいでした。しかも坂が多いので、1時間半も歩き回るとジャケットがいらない感じです。緑豊かな構内にはストロベリークリークという小川まで流れていて、夏には川沿いは野生ストロベリーでいっぱいになるそうです。
シリコンバレーの中心
サンフランシスコを含むカリフォルニア北部の湾岸地域は「ベイエリア(Bay Area)」と呼ばれています。
このエリアはとくにハイテク産業が集まっていることでも有名ですが(シリコンバレーもここです)、その中心にあるのがUCバークレーとスタンフォード大学なのです。
世界有数の名門校であるバークレーはその立地を生かして、理系の分野(コンピュターサイエンスなど)がよく知られていて、その昔原子爆弾の研究が行われていたのもここでした。
またバークレーは1960年から1970年にかけて学生活動が活発だったことでも有名です。現在でもそのリベラルな気質は学生に脈々と受け継がれています。いまもバークレーは社会運動に参加している学生がたくさんいます。
UCバークレーのマスコットはゴールデンベアーという熊さんで、キャンパス内に26もの銅像が立っています。
下の写真はその中でも一番大きいSTURDYというニックネームがついているベアーです。前にいるのはツアーガイド。スクールカラーは青と金色、だからゴールデンベアーなのです。
UCバークレーのマスコットとガイドさん
バークレーという街
UCバークレーのゲート
このゲートはSATHER GATEと呼ばれる南キャンパスの門で、アメリカでも有名なランドマークになっています。
ディズニー(ピクサー)は本社がこの近くにあるのですが、その映画『モンスターズ・ユニバーシティ』にもこのゲートが登場していました。上の写真では向こう側にキャンパスがありますが、門の外には賑やかなカフェやお店、リサイクルショップなどが立ち並んでいます。
バークレーという街は食文化が豊かなことで有名です。大学近くに美味しいレストランがたくさんあります。私たちはスペイン料理のレストランでパエリアとタパスをいただきました。美味しかった!
もうちょっと都心に出たいならば、この門から歩いて2, 3分のところにあるBARTという電車に乗れば、サンフランシスコまでは30分ほどです。
バークレーでは、ノーベル賞を受賞すると、専用の駐車スポットがもらえます。ずらっと並んでいます。ちなみにこのエリアは駐車場がなかなか見つからないので、もし車を駐めたかったらノーベル賞をとるのが一番簡単だというジョークがあるほどです。
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ノーベル賞受賞者の駐車スポット
北カリフォルニアの気質
一緒にツアーに参加した、うちの高校生の娘にUCバークレーの印象を聞いてみました。
- 広々としてきれいなキャンパス。歩き回ってちょっと疲れたので自転車があると便利そう
- 大きい大学ということもあり、いろんな学生がそれぞれやりたいことをやっている感じ。
- アジア系の学生がとても多く(全体の約4割)、菓子パン屋さんやタピオカティ屋さん(アメリカではBOBAと呼ばれて人気です)がたくさんあるのは嬉しかった。
- 市内なのに緑が多くて自然に囲まれている雰囲気があるのは、ちょっとびっくり。同じカリフォルニア大学のUCLAとはまったく違う(UCLAは3年前に訪問しました)。
とのことでした。
実際、彼女が言うように、同じカリフォルニア州でも南カリフォルニアと北カリフォルニアは気候も違えば雰囲気も文化もまったく異なります。
カリフォルニア州自体が日本とほぼ同じ大きさなので、バークレーのあるシリコンバレー・サンフランシスコ近辺(北カリフォルニア)とUCLAのあるロサンゼルス近辺(南カリフォルニア)の違いは、日本でいうと北海道と九州くらいの違いだと思います。
日本の人がイメージするカリフォルニアは、おそらく南カリフォルニアのほうだと思います。北カリフォルニアは、冬はジャケットがいるくらい寒くなりますし、ビーチもありますが寒くてウェットスーツなしではまず泳げません。
また北カリフォルニアはシリコンバレーがあることもあって、ハイテク企業の立ち上げに興味があったりする人が多く、南カリフォルニアのように週末はビーチでのんびりという感じはあまりありません。
さて、以下の写真は最後に立ち寄ったASUC Student Union。まだ冬休みの最中なので学生はあまりいませんでしたが、カフェはオープンしていました。
UCバークレーのStudent Union
またバークレーの学生によるリサイクルショップ、教科書等も購入できるUniversity Book Store、画材屋さんから文房具屋さん、パフォーマンススペースなどいろいろあって、便利そうでした。
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