今、Public Healthがアツい!世界中が注目する学問をアメリカで学ぶ!!Pt2

みなさんこんにちは!お久しぶりです!バージニアのキャンパスに戻ってきた小川です!

前回、Public Healthとはどのような学問かについて一般的に少し書きましたが、今回は、留学生としてPublic Healthを学ぶなかで、私が気づいたことを書いていこうと思います。

World Health Organization 本部はスイスのジュネーブにあります。
World Health Organization 本部はスイスのジュネーブにあります。

1、異文化の中でPublic Healthを学ぶということ

アメリカの大学でPublic Healthを学ぶなかで、私が日々強く感じているのは、「文化の違い」がいかにPublic Healthの学びに影響を与えているか、ということです。

単に「英語で学んでいるから難しい」といった表面的な話ではなく、健康とは何か、何が「より良い生活」なのか、病気とどう向き合うべきか――これらの問いには、正解が一つではなく、文化的な価値観が大きく関わってくるからです。

同じ「健康を守る」という目標でも、そのアプローチは国や文化によってまったく異なります。

また、科学の最先端の技術が医療でも導入されていて、私たちはより健康に生活を送れています。

ですが、一体どこまで科学の介入を許すのか、ロボットやAIの力を私たちの健康に役立てるのに、どこまで使っていいのか、国や文化、人によって考えは大きく異なるでしょう。

授業でも、この話題についてたくさんの議論がなされました。

また、どこが人間の「死」なのか、という哲学的な問いもあります。

ディスカッションが授業の中に組み込まれているアメリカの大学ならではで、自分でも「そんなこと考えたことないんですけど???」と思わずツッコミを入れたくなるような質問もたくさんあるので、やはりこの点では、アメリカの大学で勉強していてよかったなと感じます。

2、日本がいかに恵まれている国かということ

Public Healthの授業の中で、各個人がどれだけ医療費を払っているか、それに対してどれだけその国民が健康的な暮らしを送っているか、という関係性をみたことがあります。

以下がそのグラフです。

Lu, M. (2024, July 9). Charted: Life Expectancy vs. Health Spending Per Capita. Visual Capitalist. https://www.visualcapitalist.com/life-expectancies-vs-health-spending-per-capita/
Lu, M. (2024, July 9). Charted: Life Expectancy vs. Health Spending Per Capita. Visual Capitalist. https://www.visualcapitalist.com/life-expectancies-vs-health-spending-per-capita/

よく、「日本は平均寿命が長い国」と言われていますよね。

それ自体も誇っていいことだと思うのですが、もう一つすごいなと思うのが、各個人が医療費や保険費に支払っているお金も、諸外国に比べて低いということです。

私が留学しているアメリカは、私たちの2倍以上のお金を医療や健康のために払っています。

アメリカには先進国で唯一、日本のように全国民をカバーする公的医療保険制度がありません。

おそらく、「自己責任」というお国柄があるせいかもしれません。

なので、保険に入るかどうかは個人の自由。

国民の半数近くが企業の用意した民間の医療保険に入っていますが、保険を用意していない中小企業も三分の一ほどあります。

平均的な医療保険料は1ヶ月に大体300〜500ドルだそうなので、一人当たり年間30〜60万円ほどかかってしまいます。

4人家族だと年間200万円近くが必要です。

もちろん保険代だけではなく、普段の生活費や子供の学費代もありますので、「必要になるかどうかはっきりしない医療や保険のためにそこまでお金を払えない」という家族が後を断ちません。

そのため、オバマケアによって減少はしましたが、今でも、アメリカでは無保険の人がいます。

無保険だと、病院にかかっても診てもらえなかったり、高額なお金を請求されてしまうため、病気になっても病院に行かずに我慢してしまうのだそうです。

ここまで書くと、「平均寿命が短いなんてかわいそうに」と思われるかもしれませんが、別の見方をすることもできます。

日本では認められておらず、議論の真っ只中ですが、アメリカでは、尊厳死が合法的に認められている州が10あまりほどあります。

それから、これは完全に個人的に感じたことですが、アメリカや幾つかのヨーロッパの国では、あまり日本ほど「延命治療を積極的にやってほしい、どんな姿でも生きていたい」という考え方があまりないように感じます。

これを如実に表しているのが、イギリス映画の”Me Before You”(邦題 世界一キライなあなたに)というロマンス映画です。

事故によって、以前のように自由に体が動かせなくなった男性の主人公が尊厳死という選択を巡って繰り広げられる、家族と女性主人公との物語です。(面白いので、ぜひ、ぜひ見てみてください!)

このような要因も、平均寿命に影響してきます。

とにかく長生きできればいい、と思っていた私の価値観が覆される瞬間でした。

まとめ

今回は、2回にわたって私がアメリカの大学で学んでいるPublic Healthについてお話しさせていただきました。

いかがでしたか?「私もPublic Healthの授業取りたい!」と思っていただけたら嬉しいです!!

健康や社会に対する新しい視点を得られるこの分野は、学べば学ぶほど奥深く、実生活にも役立つ内容ばかりです。

少しでも興味を持っていただけたなら、ぜひ一歩踏み出してみてくださいね!

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