日本とまったく違うスタイル。アメリカの高校のバイオテクノロジーと物理の授業を紹介します

こんにちは。アメリカのマサチューセッツ州にあるMiss Hall’s Schoolという高校に留学しているAyakoです。

今回は、私が今年とっている2つの教科についてお話ししたいと思います。

シニア(最高学年。日本の高3)になり、卒業に必要な単位をほぼとり終えたので、クラスの選択肢がぐっと広がり、自分がしたいこと、興味があることを選べるようになりました。

私は大学で理系に進みたいと思っているので、今年とっている5つのクラスのうち、2つが理科、1つが数学、2つが英語、と半分以上が理系です。その中で、私が一番楽しんでいる、バイオテクノロジーと物理の授業を紹介します。

下の写真は、物理の学期末のプロジェクトのための実験で、物理の働きを調べるために、空手で人形をパンチしているところです。

空手で物理の実験
物理の実験

毎回の授業で異なる実験をする

まず、バイオテクノロジーです。

これはHallmark classといって、普通のクラスより一段階難度が高い、大学のための準備のクラスです。APクラス(大学レベルの授業で、大学の単位もとることができるクラス)と同じレベルと内容になります。でも私の高校では、そのクラスでとった単位は大学では使えません。

私がこのクラスを選んだ理由は、実験がメインのクラスだったことと、大学で学びたい内容を学べそうなクラスだったからです。

このクラスでは、講義はまったくなく、教室に入るたび毎回違う実験をします。そのため宿題は大量です。その日にやった実験を実験ノートにまとめ、分析をします。その後、次の実験のためにインストラクションやバックグラウンド・インフォメーションを読んで、実験ノートにまとめます。これを怠ると、実験しながら何のためにその実験をしているかわからなくなるので、予習には多くの時間をかけます。

高校生がDNA分析!

いま、やっているのは、電気泳動を使ったDNA分析です。

マイクロピペットの使いかたから学び、その後、サンプルをジェルに移す練習をします。それから電気泳動の装置に入れて、電流を流しDNAサンプルの動きかたから、結果を分析します。

いままでにやったものだと、無実なのに裁判で有罪を受けた人の無実を証明するために、現場のDNAと電気泳動の装置を使い、DNAがその人のDNAと一致しないことを証明したり、2つのライオンの群れのDNAを分析して、それぞれどの地域からきたライオンの群れなのかを調べたりしました。

最近は、DNA分析と家系図を使って、癌患者の癌が家族の遺伝的ものなのか、環境的要因なのかを調べています。

この授業はいままでとったクラスの中で一番楽しくてやりがいがあります。日本の高校でここまでの内容を実験で習う機会はなかったので、新鮮でした。また、このクラスのおかげで、大学で研究をしてみたいと思い始めたくらいです。

電気泳動の装置
電気泳動の装置

電気泳動が終わった後に光に当ててみると、以下の写真のように、DNAサンプルが動いた軌跡がはっきりとわかります(黄色の蛍光色になっているところです)。

DNAサンプルの動き
DNAサンプルの軌跡

物理の公式は実験で使ってみる

次は、物理です。物理も私が好きなクラスの1つです。日本の授業との違いが一番大きくて、ショックを受けたクラスでもあります。

まず、日本の高校では、物理は私の一番不得意な教科で、正直、今後できればかかわりたくないと思っていました。それが、アメリカでの授業を受けてガラリと変わったのです。

その理由は、暗記が圧倒的に少ないことと、すべての公式などをまずは実験をしてから使うからです。

同じ内容を勉強していても、理解度が日本で習ったときとまったく違います。ただ公式を暗記するのではなく、本質を理解することができるので、理解が深まるのです。

楽しかった実験をいくつか紹介します。

落としても割れない卵?

1つめは、卵落としです。卵を建物の2階と4階から落とします。2人でチームになって、どのチームが卵を割らずに一番高いところから落とせるかを競う実験でした。

ニュートンの法則、運動量、運動量保存則、力積などを応用して、卵を上から落としても割れないような入れものを、与えられたものだけを使って作ります。

私のグループは、ストローを緩衝材代わりに使う、クラゲのような形の入れものを作りました。これなら割れないと自信満々だったのですが、結果は、2階から落とした瞬間に鈍い音と共に割れました、、、。一番高いところから生還した卵はたった1組だけでしたが、楽しみながら、いろいろ学びました。

卵の入れもの
私のグループの入れもの

割れてしまった卵
2階から落として割れた卵

スポーツにおける物理法則

2つめは、1学期の最後のプロジェクトです。普通、学期末のプロジェクトはただただ大変で時間がかかる憂鬱なものですが、このプロジェクトは違いました。

トピックは“Physics in Sports”で、その名の通り、スポーツの中にある物理を探すものでした。私は空手を選びましたが、他のクラスメイトは、バスケットボールやバレーボール、ビリヤードなどみんなそれぞれでした。

何が楽しいかというと、授業中に実際に体育館に行き、実際にそのスポーツをしたり、数値を測ったりするということです。私は空手だったので、ジムにあったダミー人形をパンチして、どうやって少ない力で大きな力を生むのかなどをまとめ、ポスターを作って提出しました。

アメリカの高校に来て一番感じたことは、授業を聞くだけより、実際に手を使って目で見て学ぶともっとわかるようになるということ。何より授業が楽しくて、毎回授業に行くのが楽しみになります。

(第18回終わり。第19回に続く)

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