100%の自分自身を表現。アメリカの大学への出願エッセーの書きかた

こんにちは、Kentaです! 本格的な寒さに入ってきましたね! 僕も、朝走るときの装備(手袋・帽子)がだんだんと増えてきました! と同時に渡航まで1か月を切り、身の回りの当たり前のものたちが渡米したら恋しくなるのだろうなと考え始めております。

さて前回はCommon App(アメリカの大学の共通願書)のエッセーより前のセクションの埋めかた・コツをお伝えしましたが、今回はエッセー(パーソナル・ステイトメント)について、実際にアメリカの大学受験を経験した身としてできる範囲でアドバイスしたいと思います!

友だちとエッセーに取り組んでいます(笑)

出願エッセーを書くプロセス

アメリカの大学受験において、このエッセーが一番重要といっても過言ではありません。大学の大小にかかわらず、です。

前回の記事で、出願書類はお弁当箱のようなもの、と述べました。このエッセーは、その半分を占めるお米の部分です。よく聞く話では、アドミッション(入学審査)の人たちは私たちの出願書類を見る際、エッセーから見るとか見ないとか。

とにかく大事なこのパーソナルステートメント(以後PS)を、僕がいかに書いたのか、そのステップを紹介します。

1. 設問を選ぶ

まず7つある設問(2020年現在)から自分が一番うまく書けるであろうものを選びます。7つ目の設問は「ほぼオリジナルでかまわない」ので、トピックはほぼ自由です! 僕がトピックを選ぶ際は、各設問についてどんなことが書けるかをブレインストーミングしました。その結果、一番響いたのが以下の設問5です。

Discuss an accomplishment, event, or realization that sparked a period of personal growth and a new understanding of yourself or others.
(あなたの自己成長、または自己や他人の理解に導いた成功経験、出来事、気づきについて述べてください)

2. アイデアを出す

設問を決めた後は、根掘り葉掘りアイデアを出す作業です。どのような「成功経験」、「出来事」、「気づき」が、自分自身を一番捉えることができて、問題に対して本質的に答えることができるかを、とにかく自分に問いてみてください。

僕は最初には、大きな出来事を書き記した自分年表というものをつくったり、いまの自分の性格を分析して、一体全体なにがその形成をリードしたかを考えたりしました。

ここでの一番のアドバイスは、どんなに些細なこともノートに書き出すこと! エッセーは小さなアイデアが最終的に「ほぞ継ぎ」のように結合したものです。そしてそのノートを持ち歩きましょう! 大切なアイデアは気に留めないときに浮かぶことが多いです。

3. ドラフト(下書き)を書く

アイデアをいくつかに絞ったらドラフトを書きます。この段階では650字の制限を忘れてください! 構成の組み立てかたは設問によって異なるかとは思いますが、僕の例を紹介します。

  • 導入
  • 自分を変えるきっかけになった出来事
  • 自分がその出来事の余波をいかに乗り越えたか
  • 結果として何を学んだか
  • その学んだことを大学生活・将来どう生かしたいか

ポイントは2つ。出来事を書くのはもちろんのこと、それをどう乗り越えたか、そしていかなる手段で何を学んだかを具体的に書くこと。そして、学んだことを自分の将来または大学生活と連結させること。

この2つを頭の片隅に収納し、ドラフトの作成にとりかかってみてください! あくまでまだドラフトですので、凝りすぎず、融通をきかせて書くのも大事です。

4. アイデアを選別する

次に実際に提出するであろうアイデアの選別です。

僕は
(1)自分の直感
(2)第三者からの客観的アドバイス
これらをもとに絞りました(最終的には3つのアイデアを融合しました)。

やはりその出来事を経験したのは自分自身なので、直感は大切です。でもあまりにも主観的になると大きな落とし穴にはまってしまう可能性もあるので、それを避けるために2人から3人の、家族以外であまり自分について知らない人に見てもらい、客観的視点を得ることも大切です。家族に見せたいという思いもあるかもしれませんが、あなたについて深く知っている場合、純粋ではない客観的視点になってしまいます。

5. ファイナル(本書き)を書く

さてアイデアも固まり、ドラフトも完成したところで、次は本書きです。ドラフトで書いた内容の洗練作業になります。

重要なのは自分がアドミッションの気持ちになって読み返すこと。

  • 「なんで出願者はこの文章の書きかたをしたのか?」
  • 「なんでこの単語を選んだのか?」
  • 「このPSは出願者にとってどのような位置づけにあるのか、また他の出願書類とどう関連しているのか?」

実際にアドミッションの立場になって読むと、いままで無心で書いていた文章の欠陥部であったり、曖昧な単語チョイスであったりが気づけるのでお勧めです。

そしてもう1つ大切なのが具体性。アドミッションの人がPSを読んで、その出来事の5W1Hを連想できることがベストです。情景描写の例を挙げましょう。以下の2つの文を読み比べてみてください。

The road was filled with fallen leaves from the deciduous trees on the either side.
(その道は両側に立ち並んだ落葉性の木から落ちた葉で満ちていた)

The narrow lane was profusely filled with windfallen, yellowish leaves from the poplars on the either side.
(その狭い通路は両側に立ち並んだポプラの木から風に乗って落ちた、黄色じみた葉でいっぱいに満ちていた)

どちらの文のほうが、その描かれた情景を頭の中で連想しやすいですか? 2つ目のほうですよね? 文章が伝えたいことは同じですが、違うのは具体性です。どのような道で、どのような木で、どのような葉で、どのような散りかたをしたかがわかるだけで、脳はその情景の解像度を上げることができるのです。

6. 表現・文法をチェックする

最後のステージは添削です。ここでは文法チェックはもちろんのこと(文法の間違いが多いと、留学生でも容赦ないです)、単語やパラフレーズ、少し洒落た表現などを利用しましょう。文法は、学校の英語の先生やネイティブの先生に確認してもらいましょう。

表現については、身についていないむずかしい単語を多用したり、洒落すぎた表現を使うとマイナス評価になりがちです。結局のところ、PSはエッセーコンテストではないのです。

僕のPSの導入文を紹介します。

I found a “magic” in the midst of despair, and it has been the source of my superpower ever since.
(私が絶望の果てで見つけた「魔法」は、いまや私の超能力の源になっている)

翻訳していて少し恥ずかしい思いになりましたが、導入文がこれだと「おもしろそう!」と思いますよね? 表現とは、いかに自分のオリジナリティを保ちつつ、想像力を活かし、人目を引けるかです。単語も同じものを重複して使用するのではなく、saveを使ったら同義語のredeemを使うなどのバリエーションが大切です!

エッセーは「自分探しの旅」

エッセーを書くときにお世話になったカフェ

 

ここまでエッセーについて長々と書いてきましたが、最後にPSを書くうえで指標にしてほしいアドバイスで終わりたいと思います(私が考えたものではないです)。

「よいエッセー、それはあなたのエッセーを学校の廊下に落としたとして、それを拾った人が一目瞭然にあなたのものだとわかるものだ。」

エッセーは自分探しの旅でもあります。ぜひたくさん自分自身に質問して、「自分100%」のものを書いてみてください!

 

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