アメリカ留学の醍醐味! 異文化コミュニケーションの築きかた
こんにちは。アメリカのオハイオ州にあるMarietta College に留学中のかなえです。
私が思う留学生活のいいところであり、また厄介な問題は自分と他人の間にある文化の違いです。
大学の Intercultural Communication(異文化コミュニケーション)の授業と、日々の留学生活を通しておもしろいと思ったのは、育った国の文化は個人に大きな影響を与えており、それが考えかたや行動となって現れることです。今回は、そのことについて私の実体験を交えてお話ししましょう。
ロシアからの留学生で私の親友のソフィア
文化によって異なるコミュニケーション
たとえば、文化人類学者のEdward T. Hall (1914-2009) は、国の文化によって人のコミュニケーションのとりかたがHigh-context と Low-context に分かれると言っています。
High-context Communication とは、物事をダイレクトに伝えず、周りの人とのハーモニーを重視する会話スタイルです。日本や韓国がこれにあたると言われています。
一方、Low-context Communication は、物事をダイレクトに伝え、わかりやすく有効性重視で会話するスタイルです。アメリカやスイスがこれにあたると言われています。
友だちとの長話を切り上げられない
私もアメリカの大学生活でこの違いを強く実感したことがあります。
夜、友だちと図書館の外でずいぶん長話をしていて、そろそろ帰りたいときに「お風呂入らないとだから帰るね」と言っても、話を切り上げて帰りたいという本意は通じず、「まだ時間たくさんあるから大丈夫だよ」と言われ、そのまま部屋に帰れないことが数回ありました。
これは私がHigh-context Communication(オブラートに包んで物事を伝える会話方法)を使って会話しているのに、友だちはLow-context Communication(ダイレクトに物事を伝える会話方法)を使っていると思っていたから起こったことです。
数か月後、「私はあのとき本当は家に帰りたくて「お風呂入らないと」と言ったんだよ」と伝えたら、彼女はまったく気づかなかったと言っていました。
その後も似たようなことが起こり、その都度「ごめんこれHigh-context だったね、私は◯◯って言いたかった」と言うと「なんか私がHigh-contextわからない人って馬鹿にされているみたいだからやめてくれ」とちょっと怒られましたが、いまは2人の間でHigh-context, Low-contextがおもしろい内輪ネタになっています。
文化の違いにどう向き合うか
育った環境によってこういったすれ違いが起こり、そのすれ違いが起こった理由を知るのは興味深いのですが、文化の違いはずっと自分についてくる厄介な問題でもあります。
Intercultural Communicationの授業では、文化の違いにどう向き合っていくかを考える機会もありました。
その授業で学んだことを活かして、私が実践しているミスコミュニケーションを減らすための方法があります。
それは、友だちにクラスで学んだことを踏まえて「◯◯することがあるけど、日本の文化が出ているだけだから悪意はないよ」と伝えています。
同時に、関係の近い友だちとお互いの文化について話し合って、お互いが会話や行動の仕方を調整し、お互いが一緒にいて楽しい関係をつくる努力をしています。
たとえば、私と先ほどの例に挙げたLow-context Communication を使う友だちだと、私は嬉しかったこと、嫌だったこと、また、その友だちと一緒にいられて嬉しかったなどの感情を、いつもよりダイレクトに伝えるようにしています。そして友だちのほうは逆になんでもダイレクトに伝えないように努力してくれて、とくに怒っているときなどは感情を以前ほどダイレクトに表さないよう気をつけてくれています。
Intercultural Communicationの授業のスライド
異文化コミュニケーションは留学のスパイス
Intercultural Communicationのクラスで学んだ法則や定理などは、自分と日本文化を考えるきっかけになりましたし、何より人とのミスコミュニケーション、すれ違いを減らせるのでとても楽です。
とはいえこの法則、定理などは個人差があります。
たとえば、日本で育った人だから必ずHigh-context Communication をとるわけではありません。また、何が自分の個性で、何が文化によるものなのかはとても曖昧です。
でも、人の行動の裏にその人が育ってきた環境が影響しているかもしれないと考え、いろいろな人を知りたいと思うようになって、私の留学生活が少し豊かになりました。異文化コミュニケーションは、留学を楽しくする1つのスパイスであると感じます。
この夏休みには日本でイングリッシュ・キャンプにスタッフとして参加したり、Marietta Collegeで新留学生をまとめるオリエンテーション・リーダーをしましたが、それらのときでもIntercultural Communication の授業で習ったことがとても役に立ちました。
(第3回終わり。第4回へ続く)
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