留学すると身近に感じるかも? アメリカの政治について

みなさんこんにちは!

今回は、アメリカの政治についてお話しします。ちょっと固いと思うかもしれませんが、アメリカでは政治は身近な話題としてあります。留学すると、そんな身近な政治のありかたを目にすると思います。というわけで、お付き合いください!

 

アメリカの二大政党制

アメリカに留学すると、親しくなった友人と政治や経済について話す機会があるかもしれません。

民主党と共和党どちらを支援するのか、大統領の政策についてどう思うかなどについて聞かれたりすることもあるでしょう。アメリカの大学では、政治についての話題はけっこう身近なものです。

アメリカでは、民主党(Democratic Party)と共和党(Republican Party)による二大政党制で政治が行われています。民主党はリベラル、共和党は保守だと言われ、妊娠中絶や同性愛、銃規制や移民政策、国連へのスタンスなどで異なった立場をとっています。

地域によっても支持政党の傾向が違います。たとえば、カリフォルニア州やマサチューセッツ州はリベラルな州と言われ、大多数がDemocratic Partyを支持しています。逆に大陸内部には、Republican Partyを支持する人が多く住んでいます。

 

アメリカ人ははっきりもの申す人たち?

このように、政治のありかたはアメリカ社会をかなりはっきりと二分しているので、アメリカ人同士でも、同じ政治観をもっている友達とは政治について話しやすく、逆に、違う政治観をもっている人とは意見がすれ違うということが多く、口論にならないように言葉を選びながら話すことが求められるようです。留学生はなおさら戸惑うことがあるかもしれません。

「アメリカでは自分の意見をはっきり言わなければいけない」といったことをよく耳にしますし、実際、大学の授業では、アメリカの学生たちは自分の意見を積極的に発言します。

しかし、政治、宗教、お金(格差・貧困)などの話題は、一つの政策や立場が絶対に正しいとは言えないことが多く、アメリカでもよほど親しい関係でないかぎり(相手のことを何も考えずに)自分の意見をずけずけと言ってしまうと、失礼な態度として敬遠されてしまうことがあるようです。

 

固定観念にとらわれない

以前、とても仲の良いアメリカ人の友達と政治について話をしていた時に、「民主党を支持している人はこう、共和党を支持している人はこう、という固定観念には気をつけたほうがいいよ。民主党でも保守寄り、共和党でも左寄りの意見もある。中絶には反対な保守派でも、同性愛に対してはリベラルな考えの人だっているし、民主党もしくは共和党のすべてを支持するわけでない人はたくさんいる。ステレオタイプで考えずにバランスをとって考えることは重要だよ」と言われました。

その時、私は無意識に民主党支持者と共和党支持者との間に線を引いてしまっていたことに気がつきました。民主党と共和党は、それぞれの信条にもとづいて異なる政策・立場をとっているため、民主党支持の人はリベラルな人、共和党支持の人は保守的な人という固定観念をもってしまっていたのです。

 

言論の自由と会話のマナー

「日本人はとかく曖昧なので、はっきりとものを言わなければいけない」と言われますが、白黒をつけようとしたり、遠慮なく自分の意見をずけずけと言うと、アメリカでも敬遠されます。

コミュニケーションとは、相手を尊重しながら、自分の意見をきちんと相手に伝えようとすることであり、アメリカでは優秀な人ほど、どのように自分の意見を相手に伝えるかに気をつけながら慎重に言葉を選んで話すという印象を受けます。

相手と意見が違うときほど、相手の意見を尊重する態度を示し、違いを尊重しながらお互いになぜそう思うのかをわかり合おうとするのです。

たとえば“I understand what you are saying.”(おっしゃることはわかります)、“I agree with you about ~, but could you explain me more about ~?”(〜については同意します。ただ〜についてもう少し詳しく説明して下さいませんか)といったフレーズはよく耳にします。

「アメリカでは率直に遠慮なく意見を言わなければいけない」という考えは、「自己主張が大切なアメリカでは、黙っているよりはとりあえず何か言ったほうが評価される」という誤解から来ているような気がします。相手を尊重する・自分の意見が思慮深いものであるかどうかに気を配る、という会話のマナーは、言論の自由の国・アメリカだからこそ大切にされているのだな、と思うようになりました。

 

相手を理解しようとする努力が大切

アメリカに留学すると、アメリカの公共サービスの悪さや所得格差などを目の当たりにして、「イノベーションで世界を先導している国=アメリカ」というイメージとのギャップに驚くかもしれません。その時に、なぜこの国は現在の状況になったのか、原因を探ってみて下さい。

相手国を理解しようとすれば、物事は複雑であり、決してはっきりと白黒に分けられないということが見えてくるのではないかと思います。


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