留学準備の進めかたー志望校選びから書類づくり、出願まで徹底解説!
みなさんこんにちは!
今回の「留学ブログ」では、留学準備の進めかたを、5つのステップに分けて解説します。
みなさんは「留学準備」というと、どのようなことをすればいいと思いますか?
どうやって志望校を決めたらいいのでしょうか。 受験勉強は何をやればいいでしょうか。 どんな書類を出すのでしょうか。 アパートはどうやって借りる? それとも学生寮?
日本の大学とアメリカの大学には同じ「大学」といってもいろんな違いがあります。
たとえば「入試」の仕組みも違います。
留学するためには、そういった違いを知って、適切な手順で準備をしましょう。
このページでは実際にアメリカに渡る前に必要な準備の全体像をお伝えしたいと思います。
例として、高校生がアメリカの大学に入学する場合を想定して話を進めます。 高校への留学や、編入留学(中途からの大学留学)、大学院への留学の場合でも基本は同じなのでぜひ参考にしてください。
[もくじ]
1. 留学の準備はいつから
2. 志望校を選ぶ
3. 出願する
a. 入試について
b. 6つの評価軸
c. 英語
d. 留学費用
e. 願書の提出
4. 留学の予行演習をする
5. 留学の成功に欠かせない進路指導とは
1. 留学の準備はいつから
留学の準備はいつごろから始めたらよいでしょうか。
人によっていろいろな事情があるので、留学準備の実際のスタート時期はまちまちです。 もちろん早くスタートを切ればそれだけ余裕をもって準備することができます。
できれば留学の1年前から準備を始めるとよいでしょう。遅くとも 4~5か月前には始めましょう。
アメリカの大学への入学は9月が普通なので、日本の高校生なら高校を卒業した年の9月に入学するのが一般的です。そのための入学願書の提出時期は1月~3月の大学が多いです。
以上のことを考えると、留学準備の開始時期は高校3年生の夏休みくらい、というのが余裕をもった準備ができることになるでしょう。
また、この後で紹介するさまざまな提出物や手続などの期限を考慮しながら、余裕のあるスケジュールを立てて計画的に準備していく必要があります。
2. 志望校を選ぶ
留学の準備の最大のポイントはなんといっても自分に合った大学選びです。
自分が何をやりたいのか、それをやり遂げる意志をどのくらいもっているのか、そのために必要な学力や英語力があるか、といったことをできるだけ自分で客観的に評価して、自分に一番合った大学を探して決めていきます。
自分の将来を左右する選択になりますから、志望校選びはじっくり時間をかけて、慎重にすべきです。
とはいえアメリカには大学が4,000校もあります! その中から自分にとってベストの大学を探すのは至難のわざ。
アメリカの教育制度や大学の種別や教育内容などについて知っておかないと、どの大学を選んだらいいのか見当もつかないことになってしまいます。
アメリカの高校生も進路相談のカウンセラーに相談しながら進学先を決めています。
日本の高校生の場合も、信頼できる相談相手や情報源を見つけることが大切です。
3. 出願する
〈a〉入試について
アメリカの大学に入る場合、入試は何科目くらいあり、どれくらいの難易度なのでしょうか。 英語ができないと歯が立たないのでしょうか。
じつは、アメリカの大学には入試はありません。 より正しくいうと、日本のような同じ日に一斉に行われるペーパーテストの入試はないのです。
では、何を基準に学生を選ぶかというと、アメリカの大学は入学候補者を(学力だけでなく)全体的に評価して、その大学にもっともふさわしい人物を学生として選びます。 日本のように文系なら英国社、理系なら英数理でペーパーテストをして、上位何点までの人を入学させる、という単純な選考方法ではないのです。
〈b〉6つの評価軸
いわゆる 「入試」 のないアメリカの大学。 では、具体的に何をもって評価するかというと、おもに以下の6つの内容で判断されます。
・高校の成績
・エッセー
・推薦状
・課外活動
・テスト(SAT®、ACT®、TOEFL®テスト)のスコア
・面接
アメリカの大学に合格するためには、これらの評価軸の多くにおいて、いかに自分を魅力的にアピールできるかがポイントになります。 アメリカに留学しようとするからには日本人的な遠慮は禁物、積極的に自分を売り込みましょう。
以下にこれらの評価軸の一つひとつについて説明しますので、自己アピールの手がかりをつかんでください。
○ 高校の成績
アメリカの大学の入学審査において、高校の成績はかなり重視されます。 成績というのはたんなる中間・期末試験の点数のことではなく、ふだんから目的意識をもって授業に臨み、自発的に学んでいるかどうか、努力しているかどうか、そういった結果が出るからです。つまり、いま自分が通っている高校でちゃんと授業を受けておくことが大事だということです。
高校の授業をきちんと受けることができない生徒 = やる気と能力のない生徒、という判断になってしまいます。
現在高1・高2生の人はいまからさらにがんばりましょう。
高3生で学校の成績があまりよくないという人も、すぐにあきらめる必要はありません。 多少高校の成績が悪くても他のエッセーや推薦状で挽回できる可能性があります。
○ エッセー
エッセーとは、大学に自分のことを知ってもらい、自分の熱意を伝えるための自己アピール文です(もちろん英語で書きます) 。
自分の経験や考え、個性、価値観、将来の夢などを書いて大学に自分を最大限にアピールするためのもので、大学側もエッセーでその人のことを知ろうと真剣に読んでくれます。
いいエッセーを書くためには、英語力よりも自分の経験や考えかたを深めておくことが大事。そのためには授業だけでなく部活動やボランティア活動などにも積極的に参加して、自分を磨いておきましょう。
エッセーは大学の合否だけでなく、奨学金の獲得にも大きく影響します。 できるだけ時間に余裕をもって、何度も書き直すつもりでとりかかるようにしましょう。
○ 推薦状
推薦状は高校の先生に書いてもらいます。 普通は2通必要になりますので、担任の先生のほか、自分のことをよく知ってくれている先生にお願いしましょう(日本語で書いてもらった場合は英語に翻訳する必要があります)。
エッセーとは違って、推薦状は出願者が周りから見て客観的にどう評価されているかを判断する手がかりになります。
勉強の面だけでなく、 リーダーシップや協調性、社会性など自分の能力をアピールできる部分を、少し大げさでもかまわないので、できるだけ 「よく」 書いてもらうことが大事です。遠慮はアメリカでは美徳ではありません!
○ 課外活動
アメリカではボランティア活動が盛んなので、高校生も夏休みにさまざまな形の社会活動を行います。 大学進学にあたっては、そうした活動を通じて自分をアピールするのです。
日本の高校生の場合もボランティアの経験があればそれをアピールできます。 そのほか部活動や生徒会・委員会、アルバイトや趣味の音楽活動、あるいは何か表彰を受けたことなど、とにかく勉学以外でアピールできる活動を主張しましょう。
たくさんの活動をちょっとずつやるよりも、数は少なくても長く続けている活動のほうが、アメリカの大学にはより高く評価されます。
ここでもリーダーシップや協調性、忍耐力や責任感などが評価の対象となります。
○ テスト
上のほうで「アメリカの大学に入試はない」 と書きましたが、 学力や英語力を測るためのテストがあります。 大学によってはそれらを受験して、点数を提出する必要があります。
テストは大きく2つあり、1つは大学進学を考えている高校生が受ける全国標準テスト、もう1つは留学生に求められる英語力のテストです。
これらの点数だけで合否が決まるわけではありません。 もちろんよい点数のほうが評価が高くなりますが、テストは6つの評価軸の中の一つに過ぎませんので、「テストの点数が悪いから留学できない」というようなものではないです。
・全国標準テスト
全国標準テストの代表的なものとしては
・SAT®
・ACT®
があります。
SAT® は英語と数学、ACT® は英語、数学、理科の理解力や学習達成度が問われます。
一発で決まる試験ではないので複数回受験してよい点数を提出することができます。
これらのテストで問われる英語はアメリカ人にとっての国語なので、日本人で高得点をとることはむずかしいですが、たとえば数学は高1~高2程度の内容なので日本人でも高得点が狙えます!
・英語力テスト
留学生が受ける英語力テストの代表的なものが、TOEFL®テスト(トーフル)という、英語が母語ではない人を対象とした英語力判定テストです。 日本のいわゆる「英検」とは違って、級別に分かれていたり、合格点があったりするわけではありません。
リスニング、スピーキング、リーディング、ライティングの4つのセクションがあり、それらの合計点(120点満点)を大学に提出します。
アメリカの多くの大学では、いちおうの点数の目安を61点としていますが、それにはかなりの英語力が必要です。 やはり何度でも受験することができますので、何回か受験して一番よい点数を大学に提出しましょう。
○ 面接
面接はすべての大学で必要とされるわけではありませんが、面接をすることで、大学側はペーパー(書類)だけではうかがい知れない、出願者の具体的な人間像を知ることができます。と同時に、出願者に対して大学の長所をアピールできます。 面接によって出願者と大学とがお互いを知ることができるのです。
ですので、面接は自分をアピールすることができるまたとないチャンスです。 英語のうまい下手よりも、いかに自分の個性や熱意を伝えることができるかが大切です。事前にしっかりとリハーサルをして面接に臨みましょう。
とはいえ、留学生の場合は直接アメリカに行って面接を行うのは時間的にも費用面でもむずかしいので、その大学の卒業生で日本に住んでいる人が面接をしてくれたり、電話やインターネットのビデオチャット経由で面接を行ったりすることもあります。
〈c〉英語
留学の目的は英語の習得ではなく、さまざまな科目をアメリカの大学で学ぶことです。 英語はそのための手段です。 アメリカに行く前から英語が完璧にできるというのは不可能でしょうし、その必要もありません。
英語の苦手な人はまず「中学の教科書の復習」から始めましょう。 本文を丸暗記するとよいです。 日本の英語の教科書は、じつはたいへんよく考えられた内容・構成になっています。 これをやらない手はありません。
中学1年の教科書から始めれば基礎力もつくし、簡単なのでやる気もでます。 高校1年の内容まで復習すればかなりいい線までいけるでしょう。
留学するのだから英会話を、と思って英会話の学校に通ってもなかなか話せるようにはなりません。 英会話は現地に行ってから実地で学ぶのが一番です。
アメリカの留学先でハンバーガーを頼んだり、買い物をしたり、友だちを作って他愛のないおしゃべりをしたり(最初はこれがむずかしい)、そして必死になって授業に食らいついて、相手の言うことをわかりたい、自分の言いたいことを伝えたい、と真剣になることでこそ身につきます。
同じ理由で現地の英会話学校もとくにお勧めはしません。 会話はアメリカの大学に飛びこんで必死にやる、これが一番効率がいいのです。
〈d〉留学費用
留学の費用としては、まず学費と、寮に入る場合は寮費、それから毎日の食費が必要です。
アメリカの大学では寮に住むのが原則です。都会の喧騒から離れた広大なキャンパスで寮生活を送るのが、典型的なアメリカの大学生活のありかたです。
学費は、一例としてリベラルアーツ・カレッジの場合、1年間で
20,000ドル ~ 42,000ドル
くらいです。 けっこう幅があります。
また、寮費と食費で年間、
7,000ドル ~ 13,500ドル
程度になります。
合わせると 27,000ドル ~ 55,500ドルなので、 1ドル約104円(2016年10月16日現在のレートを参考)として、
2,808,000円 ~ 5,772,000円
が、1年間の 「学費、寮費、食費」 です。
このほかにも保険料、毎日のおこづかい、教材費、旅費など、年間で5,000~10,000ドル程度が必要です。
合わせるとかなりの額になりますので、大学を選ぶ場合には、学費や寮費の面からも検討が必要になります。また、できるだけ費用を抑えるためには、返済不要の奨学金獲得のチャンスを積極的に模索してみるとよいでしょう(奨学金は留学生でも受け取れる可能性が十分にあります)。
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〈e〉願書の提出
願書(Application Form)はオンライン(インターネット)上で入力して送信するのが一般的になっています。
願書の項目は、たとえば以下のようにたくさんあります。
本人のプロフィール
家族の情報
これまで受けてきた教育内容
入学希望時期 (例: 「2017年度秋学期」)
入学学年 (1年生か編入か)
希望する専攻 (決まっている場合)
入寮するかどうか
テストの結果
課外活動の実績
受賞経験
それぞれけっこう細かく記入する必要があります。
願書の提出期限は先ほども述べたように入学する年の1月~3月が多いので、十分な余裕をもって準備するようにします。
4. 留学の予行演習をする
「留学の予行演習」とはどういうことでしょうか。 渡米する前に予習しておくということ? そうです、アメリカに渡って大学に入学して授業に出る前に、その授業の「予習」 をしておくのです。
英語の出来・不出来にかかわらず、留学生がアメリカの大学に入学後初めて授業を受けると、先生の話す英語と授業内容がチンプンカンプンで何もわからない! という状態になるでしょう。 でも、それはアメリカ人もみんなそうなるのです。 そこで過度に落ち込む必要はありません。
そうなったとしても、その授業の内容を、たとえば「心理学概論」 という授業だったら心理学の基礎的な内容を、前もって日本で、日本語で勉強しておいたらどうでしょうか?
先生の言っていることのすべてがわからなくても、教科書の図の意味はわかるかもしれません。 図版を見て「ああそうか、心理学のあのことを勉強しているんだな」 という見当がつくかもしれません。
そうなったらしめたもの。 分厚い教科書 (アメリカの大学の教科書は分厚く、宿題の量も半端じゃありません!) のどのあたりを読めばいいのかもわかってくるし、 だんだんと予習の仕方や授業のポイントもわかってきます。
自分が行く予定の大学でとる科目をある程度まで計画だてておけば、授業対策を日本でしておくことは十分に可能です。 備えあれば憂いなしです!
そのためにも、アメリカの大学の授業システムや内容を前もって研究しておくことが大事です。
5. 留学の成功に欠かせない進路指導とは
ときどき、「留学手続は自分でやらなくちゃだめ」、「それくらいできないようでは留学しても何もできない」、といった意見を聞くことがあります。 たしかに自分一人で留学準備ができるだけの力があれば、留学後も十分やっていけることでしょう。
ですが、ここまで見てきたように、留学の準備はとても複雑で大変な作業です。 それらをすべて他人任せにするのは論外ですが、留学準備のナビゲーター(道先案内人)になってくれる、信頼できる経験豊かな相談相手がいると心強いでしょう。
何をいつどうやって準備していったらいいのか。 問題が起きたときにはどう対処したらいいのか。 そういったことをサポートしてくれる人がいたら安心して留学の準備に取り組めます。アメリカの高校生も進路指導のカウンセラーに相談しながら大学進学の準備をしています。
そういう意味では、よい相談相手を見つけて、きちんとした進路指導を受けることがいちばん大事な「留学の準備」かもしれません。
留学は自分の人生にとって大きなターニングポイントになるはずです。 最初につまづかないように、一つひとつのステップを着実に踏んで、適切な指導をうけながら準備することをお勧めします。
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