留学生の「保険」について:安心して留学生活を送るために
みなさんこんにちは!
今回の「留学ブログ」では、留学生の保険についてお話しします。
海外旅行をしたことがある人は、旅行する前に「海外旅行保険」と呼ばれる保険に加入したことがあるのではないでしょうか。
留学生が加入する保険は、この海外旅行保険をより手厚くしたもので、短い旅行ではなく、長期にわたって留学する人を対象としています。留学中に、病気やケガなどで治療を受けたり、盗難や火災にあったりした際などにかかる費用を補償するものです。さまざまな保険会社が、さまざまなプランを設けています。
また、留学先のアメリカの大学が指定する(あるいは紹介する)保険もあります。これはアメリカの医療保険です。
安心して、充実した留学生活を送るためには、適切な保険の加入が欠かせません。留学するご本人はもちろん、保護者の方も納得して、この内容なら安心できるという保険について、よく検討することが大切です。
本記事では、留学生が加入する保険について、できるだけ具体的に、わかりやすく説明したいと思います。特定の保険商品をオススメする内容ではありませんが、ぜひ参考にしてみてください。
〔もくじ〕
1.こんなにかかる! アメリカの医療費
2.留学生が加入する保険
3.留学して1年目は日本の留学保険に入っておくと安心
4.アメリカでの保険請求プロセス
1.こんなにかかる! アメリカの医療費
留学生の保険についてお話しする前に、まずアメリカの医療費がどれだけかかるのか、実例をご紹介しましょう。
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私(ボストンオフィスのスタッフです)の知人の息子さんがスキーで転倒し、右腕を骨折してしまいました。
すぐに救急車で、スキー場にほど近い病院に運ばれ、そこで診察と応急処置をしてもらい、その日のうちに帰宅。後日に手術が必要ということで、今度はご自宅に近いボストンの病院の外科で、無事に手術を終えました。その後3か月間、ギブスをはめた生活を余儀なくされましたので、かなりの大ケガであったことはたしかです。
それから数週間~1か月くらいの間に、バラバラと舞い込んできた請求書を見ると……。
・最初に担ぎ込まれた病院から2,400ドル
・救急車を出した施設から1,500ドル
・手術をした病院から27,500ドル
・その手術を行った外科医のオフィスから9,200ドル
・麻酔科医から2,500ドル
なんと、しめて43,000ドル(日本円で約450万円)もの額が請求されたのです。
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こんなとき、なんらかの保険に入っていないとどういうことになるでしょうか? スキーの転倒による腕の骨折に450万円……考えられますか?
この一例を見るだけでも、アメリカの大学に留学するにあたっては、いかに保険加入が必要であるかがおわかりいただけたと思います。
2.留学生が加入する保険
アメリカの大学は、それぞれの州のルールにしたがって、すべての在学生に保険の加入を義務づけています。ですから、アメリカの大学に留学する人は、必ず何らかの保険に入らなければなりません。
留学生が加入する保険は、
・日本の保険会社による留学保険(海外旅行傷害保険の一種)
・入学先の大学が指定(紹介)する保険
これら二つに大別されます。
日本の保険会社による留学保険
日本の保険会社による留学保険は、各保険会社によって、さまざまなプランが設けられています。長期の留学を対象とする保険は、短期の旅行保険よりも、補償する内容が幅広いのが特徴です。
プランにもよりますが、だいたい以下のような補償内容となっています。
保険料は、会社やプランによってさまざまですが、15~25万円くらい(1年度)です。
アメリカの大学が指定する保険
アメリカの大学が指定(または紹介)する保険もあります。これは、アメリカの医療保険です。したがって、保険のルールやシステムは、アメリカの一般的な保険と同じものになります。
大学が指定する保険の保険料は、年間500~800ドルくらいのものが多く見られます。
日本の留学保険が、大学が指定する保険の補償内容をすべてカバーしている場合には、加入が免除されることもあります。
3.留学して1年目は日本の留学保険に入っておくと安心
保険料だけを比べると、日本の留学保険よりもアメリカの大学が指定する保険のほうが安いので、わざわざ留学保険に入らなくてもいいのではないかと思う人もいるかもしれません。
しかし、結論からいうと、留学して少なくとも最初の1、2年は、日本の留学保険に入っておくほうが安心です。
アメリカの医療保険のシステムは日本のものとかなり異なります。支払請求の手続もわかりにくく、長い時間がかかります。とくに留学して間もない学生にとっては、アメリカの保険の請求手続を自力で、しかも英語でこなすのはきわめて困難です。
ただでさえ、本人が病気や事故に見舞われて、つらく落ち込んだ状況にあります。そのうえ慣れない英語で、保険請求のための複雑な手続ができるかといえば、やはりむずかしいといわざるを得ません。学業との両立もままならなくなってしまいかねません。
日本の留学保険に加入していれば、保険請求に必要な書類や手続などについて、保険会社の窓口から日本語でていねいに説明してもらえます。また、現地オフィスのスタッフが提携病院を紹介してくれたり、予約手続を代行してくれたり、必要に応じて医療通訳を派遣してくれるサービスもあります。現金がなくても治療を受けられたり、1日24時間、相談を受け付けてくれたりもします。
留学保険は旅行時のトラブルもカバーする
また、長期にわたって留学する人を対象とした留学保険は、旅行時のトラブル(携行品の紛失や損傷、航空機遅延、緊急一時帰国など)といった、アメリカの医療保険がカバーしない項目も、広く補償範囲としています。
アメリカの大学は、一般的に9月が入学時期ですが、留学生によっては、6〜7月くらいに渡米して、英語の集中講座などに参加する人もいます。日本の留学保険であれば、実際に入学する前の期間についても、補償の対象になります。
アメリカの保険には自己負担もある
またアメリカの保険は、保険会社ごとに免責額を設けています。1件の事故やケガの治療費に対して100ドルまでを免責としていたり、1件あたり10~20%を自己負担としているケースもあります。結果的には、日本の留学保険に入っているほうが、治療費が安くなるという場合も少なくありません。
日米両方の保険に加入するメリット
このような事情を踏まえると、留学して最初の1、2年は、日本の留学保険に加入しておくのがいいということになります。
日本の留学保険が、アメリカの大学が指定する保険の補償内容をカバーするのであれば、アメリカのほうの保険加入が免除される可能性もあります。
免除されなければ、日本の留学保険とアメリカの大学が指定する保険の両方に加入することになります。重複して加入するのはもったいないと考える必要はありません。むしろ、カバーされる範囲が広がるかもしれませんし、より安心ということでいえば、これもメリットです。
留学して1、2年たって、英語にもアメリカの医療システムにも慣れてきたら、アメリカの一般的な医療保険に切り替えるか、大学指定の保険のみに加入することでもいいかもしれません。
4.留学中の保険請求プロセス
アメリカの大学が指定する保険によって請求を行う場合は、大学のヘルスセンターや留学生オフィスの人に手伝ってもらいながら、保険会社と病院と医師の3者を相手に事務処理を行うことになります。
ただし、冒頭の例でもお話ししたように、
・ラボや検査にかかる費用
・お医者さんの診療費
・処方薬の費用
・救急車の費用
などはそれぞれ個別にかかるため、2、3か月たって忘れた頃にこれらの請求書がバラバラっと届くことも少なくありません。
アメリカの保険会社に支払請求をするためには、各請求内容をしっかり把握しなければなりませんし、書類管理も重要になります。
やはり留学して最初の1、2年は、日本の海外留学保険に入っておいたほうが安心といえそうです。
保険について、またリスクに対しての考えかたは人によってさまざまです。保険は「何かあったとき」のためのものですが、卒業までつつがなく過ごせればそれに越したことはありません。しかし2~4年もの長期の留学となると、さまざまなことが起こり得ます。
アメリカの大学に留学することが決まったら、できるだけ早いうちに、保険についてご家族でしっかり話し合っておくようにしましょう。
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今回は、アメリカ留学にあたって必要となる保険についてお話ししました。ちょっとむずかしい内容だったかもしれません。
アメリカの医療費がとても高額であるのは、冒頭の例でご紹介したとおりです。それに加えてアメリカの医療費は、一般的な価格設定がないという特徴があります。
アメリカの保険システムは複雑です。「保険」そのものの考えかたに慣れ親しんでいないうちに、保険請求の手続をすべて英語でこなすのは、想像以上にむずかしいものです。
安心して留学生活を送るために、どのような保険に加入するのがベストなのか、保護者の方と一緒によく話し合って、検討するようにしましょう。
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