世界最高峰の女子大学‐セブンシスターズ‐概要と入試対策

セブンシスターズ(Seven Sisters)とは、アメリカの名門女子大学7校の総称です。いずれも伝統ある少数精鋭の大学で、これまで数多くの女性リーダーを世に送り出してきました。7校のうち、総合大学に吸収されたり共学化したりした大学もありますが、セブンシスターズという名前はいまでも生き続けています。

アメリカを代表する名門女子大学

アメリカの東部に創設された名門の私立女子大7校、セブンシスターズ(Seven Sisters)。創立順に、Mount Holyoke College(1837年)、Vassar College(1861年)、Wellesley College(1870年)、Smith College(1871年)、Radcliffe College(1879年)、Bryn Mawr College(1885年)、Barnard College(1889年)で構成されています。

このうちRadcliffe Collegeはハーバード大学に吸収され、いまでは独立した大学としては存在しませんが、その他の6校は現在に至るまですぐれたリベラルアーツ・カレッジとして全米に確固たる地位を築いています。大学の規模を大きくすることはなく、大体の学生数として1,000~2,000人の規模を保ちながら、少数精鋭の教育を行っています。なおVassar Collegeは1969年に共学化しました。

「セブンシスターズ」という名前は、ギリシャ神話に登場するプレアデスという七姉妹に由来するといわれています。星座でいえば、おうし座のプレアデス星団の七つ星です。古典への親しみと高いプライドがうかがえるネーミングです。

セブンシスターズ7校のうち4校がマサチューセッツ州にあり、他の3校も北東部にあります。これはアイビーリーグとも共通する特徴で、アメリカの大学の歴史がボストンを中心とする東海岸から始まったことを物語っています。


セブンシスターズと女子教育の夜明け

アメリカで最初に創立された女子大が、マサチューセッツ州のMount Holyoke Collegeで、1837年のことです。それまでは、アメリカで大学といえば男子大に限られていました。「アイビーリーグ」と呼ばれる名門大学も1校を除いてすべて男子大だったのです。ちなみにアメリカで最初にできた共学大はオハイオ州にあるOberlin Collegeで、1850年のことです。

そうした19世紀半ばの教育社会にあって、女子への大学教育の必要性を唱えて設立されたのが、Mount Holyoke Collegeをはじめとしたセブンシスターズです。これら7大学はいずれも1830~1880年の間につくられました。この波を受けて、19世紀末にかけてアメリカ各地で女子大ができていきます。

社会で活躍する女性を生み出す

セブンシスターズは、当初から「男子と同等の」あるいは「男子に劣らない」大学教育を志していました。良妻賢母を育てる、花嫁修業をするというのではなく、社会に出てリーダーとして活躍できる人材を育てることを旗印として掲げていたのです。

セブンシスターズについて「アイビーリーグに対抗してつくられた」といわれることもありますが、かなり強いライバル意識・競争意識があったことはたしかでしょう。

セブンシスターズ各大学の特徴

セブンシスターズのうち、ハーバード大学に吸収されたRadcliffe Collegeを除いた6校について、それぞれの特徴をご紹介します。

マウント・ホリヨーク・カレッジ Mount Holyoke College
(マサチューセッツ州)

1837年創立。全米初の女子大。アイビーリーグのダートマス大学とは姉妹校。アメリカの女子教育のパイオニア的存在で、伝統的なリベラルアーツ教育を維持しながらも、革新的な試みを数々行っている。アメリカで最初にA・B・C・D・Fのアルファベットによる成績評価をシステム化したのもこの大学だといわれる。名門大学として名高いAmherst College、Smith College、University of Massachusetts-Amherst、Hampshire Collegeと提携しており、これらの大学でも授業を受けられる。

ヴァッサー・カレッジ Vassar College(ニューヨーク州)

1861年創立。イェール大学からの合併の誘いを断り、自ら共学の大学として1969年に新生した。このことからうかがえるように、独立精神が高く、変化し続ける学風が息づいている。学生の個性を尊重し、カリキュラムも柔軟で学生主体に組まれる。リベラルアーツ教育のすぐれた点をすべて備えた大学といえる。英・仏・独語を駆使した鹿鳴館の花、大山(山川)捨松が学んだことで知られるほか、日本文化を独自の視点から述べた『菊と刀』の著者ルース・ベネディクトもここの卒業生。


ウェルズリー・カレッジ Wellesley College(マサチューセッツ州)

1870年創立。オルブライト元国務長官やヒラリー・クリントン女史が卒業した大学として有名。「世界を変革する」女性リーダーの育成に力を注ぐ、アメリカきっての名門リベラルアーツ・カレッジ。学生と教員、そして卒業生の絆は深く、相互にサポートする気風が強い。寄付金の額も突出している。近隣のMIT(マサチューセッツ工科大学)でも授業を受けられる。キャンパスはその美しさで有名。


スミス・カレッジ Smith College(マサチューセッツ州)

1871年創立。アメリカの女子大の中では最大規模を誇るが、それでも学生数は2,600人ほど。工学の専攻を設ける全米唯一の女子大でもある。カリキュラム編成においては学生の自主性が尊重され、専攻以外の必修科目は設けられていない。とはいえ勉強はかなりハードで、しばしば「悪夢」と形容されるほど。また、スポーツにも力が入れられている。アメリカのフェミニズム運動の学生拠点でもある。Amherst College、Mount Holyoke College、University of Massachusetts-Amherst、Hampshire Collegeとの提携により、これらの大学でも授業を受けられる。

ブリンマー・カレッジ Bryn Mawr College(ペンシルバニア州)

1885年創立。アメリカで初めて博士課程を設けた「大学院重点型」のJohns Hopkins Universityの影響のもとに設立された。Bryn Mawr Collegeもアメリカの女子大の中ではいち早く大学院課程を設けた大学である。津田梅子が学んだ大学として日本でもよく知られていて、津田塾大学とは姉妹校の関係にある。University of Pennsylvania、Haverford College、Swarthmore Collegeと提携していて、これらの大学でも授業を受けられる。


バーナード・カレッジ Barnard College(ニューヨーク州)

1889年創立。アイビーリーグの1校であるコロンビア大学のキャンパス内にあるというユニークな大学。Barnard自体は独立した(コロンビア大の付属ではない)小さなリベラルアーツ・カレッジではあるが、コロンビアの授業を受けることができ、男子学生とも日常的に交流があるのが特徴といえる。マンハッタンという立地もかなり魅力的で、政治・経済・芸術などさまざまな現場に触れる機会も豊富にある。つねに好奇心が刺激される、エキサイティングな学びの場である。


セブンシスターズ以外の名門女子大

アメリカには、セブンシスターズのほかにも、名門という名に恥じないすぐれた女子大がいくつもあります。そのいくつかを紹介します。

ミルズ・カレッジ Mills College(カリフォルニア州)

1852年創立。「西のセブンシスターズ」とも呼ばれる。

詳しくはコチラ(アメリカ大学ランキング)


セント・メアリーズ・カレッジ Saint Mary’s College(インディアナ州)

1844年創立。近隣の名門University of Notre Dameと交流の深い、中西部きっての名門女子大

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スクリプス・カレッジ Scripps College(カリフォルニア州)

1926年創立。5つの名門リベラルアーツ・カレッジで構成されるClaremont Collegesの一校。

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シモンズ大学 Simmons University(マサチューセッツ州)

1899年創立。多様性に富みリベラルな学風で知られる。

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スペルマン・カレッジ Spelman College(ジョージア州)

1881年創立。黒人女子への教育を第一の目標に掲げるユニークな大学。

詳しくはコチラ(アメリカ大学ランキング)


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セブンシスターズへの入試対策

まず自分自身の進学先として女子大が適しているかどうか、よく考えてみることから進路対策が始まります。上述したような女子大ならではの環境やメリットを踏まえて、将来の希望や夢を叶える道筋において、女子大がふさわしいと思えるのであれば、自信をもって出願に踏み出せばいいでしょう。

セブンシスターズのそれぞれの大学は、アイビーリーグに比べるといくらか合格しやすいかもしれませんが、いずれも難関校です。たとえばBarnard Collegeの合格率は24%で、Wellesley Collegeの合格率は30%です。

セブンシスターズに限らずアメリカの大学が合否を決める際には、日本のような一斉の入試ではなく、以下の項目を多角的・総合的に審査します(大学によって審査項目は若干異なります)。

  • 高校4年間の成績(アメリカの高校は四年制が多いのですが、日本人の場合は高校3年間でかまいません)
  • エッセー(作文)
  • 推薦状
  • SAT®/ACT®のスコア
  • (いずれも全国共通テストのことで、高校2年生の頃から何回か受けることができます)
  • TOEFL®テスト等の英語テストのスコア
  • 課外活動
  • 面接

とくに重要なのは高校の成績です。高校3年間で学んだすべての科目の成績が評価の対象になりますから、主要5科目だけでなくすべての科目でよい成績をとるようにしましょう。

セブンシスターズは将来の女性リーダーを育てることに力を入れていますから、リーダーシップがあることは、魅力的な資質として高く評価します。クラブ活動やボランティア、生徒会活動などを通じて、リーダーシップを発揮し、それをエッセーや推薦状を通じて説得力をもって表現できれば、合格への強いアピールになります。

また社会問題への関心や、社会への貢献意識も、評価のポイントです。ボランティアの経験は、セブンシスターズのみならずアメリカの大学が合否の審査において重視する項目です。その活動を通じて、リーダーとしての役割を担い、また社会への問題意識も深めていけば、より魅力的な出願者になれるはずです。

成績やテスト「以外」の要素も大切

大学によっては、SAT®やTOEFL®スコア、成績など、数字で判断できる項目で機械的に合否を決める傾向があります。大きな州立大学などがそうです。しかしセブンシスターズはいずれも私立の小さなリベラルアーツ・カレッジですから、数字以外の要素にも注目し、しっかり時間をかけて出願者1人ひとりの人間像を描き出そうとします。自分自身の人間としての「魅力」は何なのか、家族や友人に聞いてみて、それを手がかりに探っていくのもいいでしょう。

以下に紹介するのは、Mount Holyoke Collegeの入学者のSAT®スコアの分布です(アメリカ大学ランキングより)。スコアにかなりバラつきがあることがわかると思います。この大学が、SAT®「以外」の要素も重視しながら合否を決めていることがうかがえます。

またセブンシスターズにとって「多様性」はきわめて大きなキーワードですから、できるだけバラエティに富んだ個性の持ち主を集めようとします。成績がよいのはもちろんですが、自分だけのきらりと光る個性をいかに伝えるかが、合否のカギを握るといえるでしょう。留学生は、留学生であるというだけで1つの個性になりますので、この点においてはアメリカの出願者より1歩先んじています。前向きに出願に臨んでください。

-合わせて読みたい-
・ハーバードに入るには
・アイビーリーグとは
・留学ブログ人気の関連記事:ハーバードを含むアイビーリーグ8大学すべてに合格した学生

アメリカの名門女子大の代表であるセブンシスターズ。いずれもアメリカの女子教育のパイオニアであり、日本の教育にも影響を与え続けてきました。世界で活躍する女性リーダーの卵たちが学ぶセブンシスターズへの留学は、いままでの考えかたを吹き飛ばすくらいのパワーと刺激に満ちあふれた経験になることでしょう。

栄 陽子留学研究所では、セブンシスターズをはじめ、アメリカの数々の名門大学・名門女子大への留学を実現させてきました。奨学金を獲得した留学生もたくさんいます。「将来のリーダーとして世界を変えていこう!」というチャレンジ精神をもってアメリカの女子大に留学したいというかたは、ぜひ留学相談をお受けください。

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